摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

再び西谷から、長峰山頂を目指す

5月25日の日曜日。朝のうちは、肌寒いと思うほどの涼しさだった。

前線が通過し、やや不安定な天気との予報。曇りがちな空模様だが、

雨が降る心配はないそうだ。車道歩きの間は雲っている方が嬉しい。

今日も六甲登山口交差点から、山羊戸渡の入口まで歩いてきた。

先週の日曜日に、西谷から長峰山頂に登ったのだが、そのコース

取りが、どうにも満足できるものではなかったから。やり直したい。

西谷出合。右側が都賀谷本流。上から流れ込むのが西谷である。

その中間尾根が、山羊戸渡の末端。ここ数年歩く人が随分増えた。

沢に下る道もハッキリしてきた。道標でもあれば、一般道といえる。

今日は直ぐに西谷には入らず、1基目の堰堤まで山羊戸渡の道を

利用しよう。堰堤が見えた所で、踏跡を数米辿れば堰堤上に出る。

反対側へは段差が大きいが、立木にすがって、なんとか降り立つ。

1基目の堰堤上の堆積地は、比較的短い。直ぐに水流が現れてくる。

ミニゴルジェを抜けると、優美な滝が現れる。水流こそ少ないものの、

両岸の側壁は発達し、立派に見えるし、真ん丸い釜まで持っている。

右岸に巻き道らしきがあり、階段状の岩場を、藪を分けることなく

登っていける。滝の水量は先週と変わらないようにみえるのだが、

巻き道にも、水が流れて靴を濡らす。夏なら流芯を歩きたいところ。

1基目と2基目の間は、中々キレイな沢筋だが、此の後も堰堤は

連続して現れ、岩屑や土砂の堆積物で、谷はほとんど埋っている。

夏の沢登りの対象としては、遡行価値は無いと、言わざる得ない。

2基目の堰堤を越して、堆積地が終わる頃に、二俣があらわれる。

左俣がコメント欄から、教えてもらったルートの入口だろう。しかし、

途中から、不安定な岩尾根があって、怖いので行くのは止めよう。

3基目の堰堤を越え、4基目の堰堤まで行ってみた。だが特筆する

ことも無い。堰堤手前で南側から、ナメた小沢が流れ込んでいたが、

ズック靴では登るのも怖くて、結局、3基目の堰堤上まで戻って来た。

前置きが長くなったが、今日は此処を登ろうと思う。右手が先週に

登った支尾根。中央が岩尾根を、避けて登ったナギの末端だろう。

上部でも傾斜はキツクないので、何とか最後まで登りきれるだろう。

但し岩は不安定である、前に出した足で落石を起こせば、後ろの

足を潰してしまう。この地形は、日光の男体山奥白根山辺りの、

薙(ナギ)に似ている。もちろんスケールも、出来た原因も全く違う。

だが直線的な浅い溝に、土砂や岩が崩れ落ちている所は、正にナギ。

大きな倒木を越えると、岩盤が露出している所がある。斜度があって、

土砂が留まらないんだろう。上部の様子が分からなく少し不安になる。

ルンゼを抜けると、斜度は落ちナギの幅も広くなる。岩より土砂が多い。

両側の尾根筋が近い。特に右側は2米ほどの高さも無い。これを谷とは

呼べないだろう。土は湿って柔らかいので、蹴り込めばステップができる。

先週は此の辺りで、岩尾根を嫌って逃げてきた。先週に比べ体感的には、

半分ほどの時間で達したように思える。実際には10分程しか変わらない。

それほどウンゼンツツジの藪や、不安定な尾根筋が嫌らしかったという事。

先週は20米ほど登ったこの辺りで、また元の尾根筋に戻ったのだが、

大きな岩はグラグラしているし、松葉の積もった斜面も不安定だった。

もう二度と登りたくない。今日は最後まで、ナギを詰めてみたいと思う。

そこからは幅も狭まって、傾斜も段々増すが歩けないほどではない。

土砂を蹴り込み足場を作り、浮いた岩も押さえつけ手掛かりにする。

ナギの最後は右手の尾根に消えていた。とりあえず詰め切れたので、

目標は達成した感がある。標題は「長峰山頂を目指す」としたのだが、

もう、どうでも良くなった。お腹が空いたし、早く昼食場所に行きたい。

ナギの終点からは、僅かに西へトラバースして、別の尾根に乗る。

この尾根には先週も乗った。4基目の堰堤よりも、さらに上流から

登ってくる尾根であろう。しばらく此の尾根を登って行くことにする。

やがて西側のスカイラインが近づいて来た。斜面の傾斜が落ち、

獣道が出て来た所で、トラバースして行こう。主稜線に違いない。

飛び出たのはこんな所。長峰山頂直下の階段道。登れば数十米で、

山頂に達するが、もういいや。今日はロープウェイで下るつもりだし、

きっと天狗塚では。落ち着いて昼食も摂れないだろう。杣谷峠に向う。