摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

北漢山 義湘稜線(ウィサンノンソン)・・・・・・・2013年8月27日・・・ソウル市

北漢山に西側から登ってみたい。ソウル市内から見ると裏側になる。

もっと辺鄙な所かと思っていたが、地下鉄3号線のクグッパル駅から、

704番バスに乗換えて、15分ほどで登山口の北漢山城に到着した。

今日もまた良い天気だ。ただ逆光なので、山がシルエットでしか見えない。

目指す義湘稜線の山々が、鋭い三角垂の姿を見せている。相当険しそう。

同じバスに乗って来た登山者の後を追い、車道を山に向かって歩いて行く。

登山用品店が立ち並んでいる所を過ぎ、トイレや案内所のある公園入口で、

少々迷ったりしたが、舗装路を真直ぐ進んで行くと、右手に取付きがあった。

今日も空気が乾燥しているせいか、日陰にいれば爽やかな感じになりそうだ。

少し登ると「事故危険地区」という看板がある。どうやら此処から2.7㎞間は、

滑落事故が多発しているんだろう。確かに岩場が多く出てくるようになった。

近くに陸軍の基地があり演習をしているようだ。射撃音が断続的に続いてる。

最初に現れた緩傾斜の岩場を登った所で小休止。韓国の人にはドンドン抜か

される。西側の展望が広がるが、低い山並み続くだけで景色はさして良くない。

ホテルの部屋に中型冷蔵庫があったので、水を沢山凍らせて持って来ている。

岩場は次々と現れる。バランスの良い家族が、強引な登り方をしている。

ろっ骨が痛むのかな。後で「腕に力が入らなくて怖かった。」と言っていた。

此処ように腕力の要る場所もあるが、乾いた岩のフリクションはとても良い。

スラブに不安定に転がっている巨岩。ウサギ岩というらしい。下に岩屑が

詰まってバランスが取れている。柔らかい岩なのでスタンスが掘れている。

登山道自体は、それほど急な岩場ではないが、すぐ横は急峻なスラブがある。

義湘稜線からの景色は、白雲台方面が全て。ずっとこの景色を見ながら歩く。

これから我々が進む義湘稜線は、次第に樹林に覆われた部分が多くなるよう。

足元に大きな仏像のある寺が見える。稜線から標高差はそれほどないようだ。

道端の風化した大岩に跨る家族。いつもなら一番高い所に立ちたがるのだが、

やはりバランスに自信がないのだろう。ろっ骨を固定するバンドを締めている。

更に尾根を進み振り返る。先ほど家族が跨っていた岩が、中腹に見えている。

白雲台の景色がずいぶん変わって来た。湿気が多いのかボッヤッとしている。

白雲台の横に、仁寿峰が見えている。1度だけ行ったヨセミテを思い出す風景。

登るにつれ岩場が少なくなっていく。振り返る義湘稜線。ずいぶん歩いてきたな。

今回の旅行では、北漢山西側の尾根を3本歩いたが、この尾根が一番良かった。



樹林の間から文殊峰の山頂岩場が見えた。尾根上の小突起に過ぎず期待外れ。

その岩場まで行ったが、3級程の岩登りが必要だ。相当登られているようだが、

今の我々の技量では登りはともかくも、下るのは到底無理なので、あきらめる。

山名標識はすぐ横の平たい岩場にあった。一般的には此処が文殊峰の山頂。

山頂で昼食を済ませ休んでいたら、少し離れた所からアジョシが呼んでいる。

何度も呼ばれるので、「韓国語解りません。」と言いに行くと、日本語のできる

方で、「一緒にご飯を食べませんかと言っていたんですよ。韓国人はなるべく

大勢で食べるんですよ。」とのことだ。しばらくお話して、お菓子をいただいた。

下山は大南門を経て谷沿いに、今朝登って来た北漢山城に戻ることにしよう。

稜線の険しさとは裏腹に、とても穏やかな沢に沿って、良い道が下って行く。

途中には城門があったりする。険しい山に囲まれた谷間全体が山城なのか。

登山口の2kmほど手前から、車道と沢沿いの探訪路に分かれる。探訪路を

下って行くが、存外に疲れる。車道を行く人が多かったのには理由があった。

北漢山城の登山口まで下って来た。最近完成したであろうキレイな商店街。

平日のせいか人気は少ない。正面の奥に見えているのはモンベルショップ。

国内外のブランドが並んだ登山用品店街。価格は日本と同じか、それ以上だ。