摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

ハチノス谷12m滝で遊び、坊主岩を探る・・・・・・(2013夏の納涼企画)

7月13日は3連休の初日。久しぶりに比良へ一泊で、沢登りに行こうかと思い、

午前4時に起きるはずが、目覚めたのは9時。天気予報も悪いし、諦めがつく。

午後から雨という予報にもかかわらず、朝食を食べたり家を出たのは11時半。

沢の用意をしていたので、ハチノス谷へ行くことにした。水量は少なかろうので、

遡行が目的ではない。中流の12m滝を、トップロープで登ってみようという企画。

存外に蜘蛛の巣が少ないので、今日は先行して遡行されている人がいるのかも。

水量の少ないハチノス谷は、泥と岩屑の詰まった沢という感じ。6月22日には、

水量多くて良い感じの小滝群だった所も、ずいぶんと退屈な場所になっている。

同じく前回は登れなかった、2段の滝上部も、今日はすんなり登れてしまう。

なんだか、空が青くなり陽射しも差し込むようになった。予報は外れたかな。

今日の目的は、この12m斜瀑を登れるようになること。中段の外傾した岩を

乗り越すところがポイントかな。一旦、右側の巻き道を使って、落ち口に登り、

30m補助ザイルを、ダブルにして懸垂下降し、トップロープで登り返してみる。

外傾した岩を乗り越す箇所には、ピトンが打ってある。ハムはこれを使って、

A0で出ないと乗り越せなかった。この上にもピトンが2本連打されているが、

この2本はブレードの半分ぐらいしか、打ち込まれておらず信用はできない。

外傾した岩の上に出れば傾斜も緩い。下を見下ろせば、そこそこの高度感。

ところで、この滝の高さだが、落ち口から2mほど上の立木に、確保点をとり、

30mをダブルで懸垂し、下まで1m半届かずなので、長さ15m比高12m位。

続いて家族が懸垂下降し登り返す。やはり、最初のピトンには頼ってしまう。

ただ、その箇所以外は、それほど難しくは感じなかったようだ。ということで、

巻き道を使って下り、今度はリード形式で登り返してみよう。たぶん大丈夫。

滝下まで下り確保の準備をしていたら、家族が当然、自分がトップを行くぞ、

という顔をしている。これは、ペナルティキックを得た時に、ボールを抱えて

離さない本田選手の顔といえば、分かってもらえるかなぁ。まあ仕方ないな。

家族も最初のピトンを使って、A0で乗越して行った。それ以外は澱みない。

もっとも、それは今日の水量での話で、6月22日ほどの水量ある時は無理。

3本あるうちの、二番目の錆びたピトン。体重を掛けるとしなる。一番上は、

さらに浅い打ち込みだ。ただ、この2本には頼らなくても登れた。気休めの

確保点にはなるだろうが、落ちたときには、すぐにも抜けそうな感じである。

上段の出口には、ボルトが1本打たれていて、ランニングビレイがとれる。

階段状を登って行くとチェックストンが沢山詰まっている。左手のぬめった

岩場にも適度にスタンスがあり、チェックストンをホールドに容易に登れた。

今日は、これ以上遡行する気もないので、再度、巻き道を使って滝下に下り、

遅い昼食を摂る。その後は、少し下の支谷を登って、西尾根に抜けようと思う。

急な岩の河床を登っていくが、しばらくで、垂壁の小滝に突き当たりって詰まる。

左斜面に逃げ上がる。対岸は樹林で覆われているが、尾根全体がスラブの様。

六甲学院山岳部誌「たきび」によれば、この谷の入り口近くに、「一枚岩」があり、

谷奥には「坊主岩」という名の岩場があって、ゲレンデとして利用されていた様だ。

今は踏み跡すらないが、登って行くと岩場に突き当たった。これが坊主岩かは、

定かでないが、6月22日に遠望した岩場だと思う。到底正面突破は無理なので、

右側へ回り込んで、岩の割れ目に潅木が生えている所を、登っていくことにした。

立木をホールドに、強引に登っていく。岩はかなり脆くて、落石を起こし易い。

岩場の途中に、可愛らしいキノコ。落ち葉や土砂が乾燥し、なんとも埃っぽい。

遠くで雷が鳴り、下界から○○注意報が発令されたので、川に入ってる人は、

すぐに出なさい!というアナウンスが聞こえてくる。空も少しは暗くなってきた。

とりあえず泥まみれになって、岩場の上端に出た。神戸港が望めてホッとする。

この後は、樹林帯を西側に斜上していくと、ハチノス谷西尾根の巡視路に出た。

ハーネスを付けたまま下って、杣谷堰堤下の水場で、頭から水を被って人心地。