摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

梅雨の晴れ間に、摩耶東谷から旧天上寺跡を目指す。

目覚めると涼しい風が吹いていた。さあ、今日は何処から登ろうかな。

沢も良いけれど、気になっている藪尾根があるので、済ませておこう。

護国神社から杣谷堰堤を越えて、東谷への道に入っていく。いつもなら、

岩肌を濡らす程度の流れしかないのだが、今日は水量多く輝いている。

堰堤の乗り越しから、ロープウェイを望む。最初ははやや下り気味かな?。

スリットダム手前の二俣まで来た。左俣は旧天上寺山門下の鞍部へ至る。

右俣が本流だが、この中間尾根を登ってみよう。目的の場所に行ける筈。

ロープウェイから見下ろした印象で、藪尾根と思い込んでいたが、踏跡は

ないものの、大木多くて下生え少ない。岩場もあって快適に登って行ける。

やや開けた所に出てきた。見上げるとロープウェイの架線が西上に見える。

この少し上には、尾根を横断する道があった。標高から考えると、旧天上寺

山門下の鞍部辺りから、巻いてくる道だろうかな。そのまま尾根を直上する。

金属パイプのレールが見えた。今日の目的地に到着だ。資材運搬用の軌道

かと思いきや。ロープウェイの架線の下だけ、10メートル程の長さしか無い。

車内から見下ろしては、気になっていたのだが、一体何の為のものだろうか。

ロープウェイが発車すると、索引綱が大きく上下して、次第に上がって行く。

中間駅から、近いので上りのゴンドラが、すぐに近づいて来た。おりひめ号。

山頂の星の駅も良く見える。こうしてみるとゴンドラの車体はスマートだな。

ひこほし号が頭上を通過するが、逆光なので下部の脱出口は見えなかった。

レールのことだが、架線の保守点検時にロープを、固定する為の物かと思う。

レールのある場所から上へしばらく登ると、南側から上って来る廃道があった。

旧天上寺門前の宿坊や茶店の、資材運搬用裏道と勝手に考え辿って行こう。

尾根筋では深く掘れていて、その昔は相当の往来があったに違いないだろう。

道が水平になれば、立派な石垣が出てくる。宿坊や茶店の石垣なのだろう。

このまま進むと山寺尾根への水平道に行きそう。少し戻って西側へ抜ける。

飛び出したのは、やっぱり旧天上寺の石段の上部。誰もいなくて良かった。

この石段は大嫌いなんだけど、登り切った所で、空が大きく広がるのが良い。

今日は快晴になったけれど、それほど気温は上がっていない。割と楽だった。