摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

桜谷出合から生田川源流を遡行する

先週、韓国へ行き5日間連続で低山歩きをした。さすがに疲れが残っている。

今週末は家で休もうかとも思ったが、こんな天気の良い日にもったいなすぎる。

暑いので沢へと思ったが、キツイ登りはちょっと無理。楽な沢歩きを考えてみる。

今日も、ケーブル・ロープウェイを乗り継いで掬星台に向かう。カラッとした晴天。

ロープウェイ駅で後ろに並んだ、大学1回生らしき女の子達の会話が楽しかった。

「ロープウェイってどんなの?」「ロープにぶら下がって・・」「えー、腕力要るの?」

桜谷出合へ下って来た。右岸の広場では、沢山のハイカーが昼食休憩中だ。

少し上流で、沢用の足拵えに変える。最初は大岩の積み重なる平凡な河原。

歩き始めるとすぐに、右手から徳川道沿いの沢が、小滝となり流れ込んでいる。

小滝を横目に進むと、すぐに左手に垂壁が現れる。高い所でも20米も無いが、

これが古いガイドブックや地図には必ず記載のあるヌクト・ゲートロックだろうか。

かつてゲレンデだった垂壁には苔がつき、ウンゼンツツジが花を咲かせている。

垂壁の下は、小滝とも呼べない小さな段差が、大きな釜を作っている。水は汚い。

桜谷出合では清冽に見えてるが、やはり摩耶山では煮沸しても谷水は使えない。

釜の上は河床一杯の滑(ナメ)になっていた。岩の色が明るければキレイなんだが。

桜谷出合から、最初にシェール道が交差するまでの区間は、河床の岩盤が露出し、

小滝が大きな釜を作っている所が、数か所続いている。意外に面白い渓相だった。

シェール道の渡渉点を過ぎ、小さな堰堤を越す。この付近は三枚岩の裾にあたる。

やや下流とは岩質が異なるのか、明るい岩を穿つ様に水が流れている箇所がある。

三枚岩の裾を過ぎると、また小さな段差が大きな釜を作る渓相に戻る。岩は暗い。

シェール道の丸木橋。この次の丸木橋を過ぎると堰堤群が現れる。一般道で越す。

堰堤乗り越しから、新穂高を望む。此処からは新穂高本峰の裾を回り込んで行く。

沢に戻るがしばらくは平凡なゴーロ。シェール道がすぐ傍を通りハイカーも多い。

それでも、また岩盤の露出した河床が現れる。落葉樹が多く明るい雰囲気となる。

この辺りではシェール道は林道になっている。すぐ上をハイカーが歩いている。

コンクリ造りの廃屋と小堰堤。屋内に貯水槽があるので揚水施設だったろうか。

小堰堤を越えると二股があり水量が減る。平凡な河原が続いて、遡行終了点も近い。

滝は無いものの、岩の河床を歩く楽しいコースだった。紅葉の季節にまた来てみたい。

シェール道から徳川道への歩道が、交差する所で遡行終了。スニーカーに履き替える。

この付近は炭焼きの二次林だろうか、明るい林層が好ましい。ゆっくりと掬星台に戻る。