摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

摩耶山地蔵谷遡行・・・・・・(梅雨明けの日に登る)

7月16日の祝日。朝から晴天となる。気象庁の梅雨明け発表は7月17日

頃だが、この日が梅雨明けだったろう。水量が期待できる地蔵谷へ行こうか。

先週の梅雨の雨水を集め堂々たる布引雄滝。生田川上流の水勢も推し量れる。

生田川沿いに進み、天狗道出合から下ったところで、地蔵谷の一般道に入る。

最初の地蔵谷堰堤を乗り越して、堰堤上の堆積地で、左手の水流へ入渓する。

水量は期待通り。しばらくは平流が続くが小滝とも云えない段差が出てくる。

さらに遡行して、ようやく斜度のゆるい小滝。白い泡が逆巻いて激流のよう。

その後も小滝が連続して来るが、水がやや濁っているのが気になるところだ。

地蔵谷第二堰堤に突き当たる。地蔵谷本谷には4基の堰堤がある。その間の

3つの流域ごとに、若干違う雰囲気を持っている。最初の区間は平凡な流れ。

写真は分り難いが地蔵谷第二堰堤の乗越には、合歓の木が花を咲かせていた。

第二堰堤上の堆積地からは明らかに水流の透明度が違った。岩の色も明るい。

滝の高さは不明。斜瀑だけに奥行きがあり高く見える。仮に12mとしよう。

下段までは容易に登れる、だがその上は水流でホールドが隠れて難しそうだ。

ハムは中段で左の潅木のあるリッジに逃げる。家族はもう一段上まで頑張る

が、落口の辺りがホールド少なくて厳しそうだ。同じくリッジに逃げてきた。

滝の上流は摩耶山系でも白眉といえるナメが続く。来て良かったと思う瞬間。

一般道が交差してもナメは続く。しかし次の第三堰堤は、側壁が高いので巻

くのに苦労する。ナメが切れた所で、早めに右手の一般道から堰堤を高巻く。

第三堰堤と第四堰堤の間は、ゴーロの平凡な河原が続く。水が少ない時は一

般道でパスする事もある。でも今日は水量があるので、沢に下り水流を行く。

化粧版の張られた第四堰堤。此の上で沢は三俣になるが、今日は中俣を登る。

第四堰堤の乗越しから古い作業道で下ると、右から右俣が正面に中俣がある。

因みに少し下流には左俣が流れ込んでいる。最初の内は中俣は平凡な印象だ。

沢が左へ右へ屈曲した後、2mほどの小滝が現われる。写真では判り難いが、

その後ろにも連瀑が見えている。此の辺りからは20m以上あるかに見える。

だが、実際のところは斜度の緩い小滝が、いくつか連続しているに過ぎない。

上部の方が、傾斜が緩くなり高度感もない。それでも此れだけ水量があれば、

それなりに楽しいフィナーレだ。ただし黒い苔の生えたところが滑りやすい。

滝の上には堰堤がある。唐突に視界を遮られ楽しかった沢歩きは終わってし

まう。堰堤下でスニーカーに履き替え、右から堰堤上に上り、細尾根の踏跡

を辿る。やがて踏跡は藪に消えるが、適当に登って行くと黒岩尾根道に出る。