摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

曦陽山(998m)・・・・・・2012年5月5日・・・忠清北道・延豊面

昨日は、かなり早い時間に延豊に着いた。とても小さな町でモーテルと

旅人宿が一軒づつしかない。くたびれたモーテルで35000Wと言われ、

よほどソウルへ戻ろうかと思ったが、意を決して旅人宿(ヨインスク)へ。

6畳ぐらいのオンドルバン。農協スーパーで食料買ってきて、昼寝をした。

今朝は7時過ぎにタクシーに乗り、曦陽山の登山口。ウンティ村まで来た。

メーターを倒さないので、無理やり倒してもらって、7000Wほどだった。

タクシーは、ウンティ村奥の登山口まで上ってくれたので、既に標高は高い。

案内板を見て、九王山から曦陽山へ縦走し、南の加恩へ下ろうと計画する。

緩やかな林道状の登山道を辿り、主稜線に達する。落葉樹の自然林が続く。

この山もツツジの花が見頃となっている。

主稜線は、ほとんど展望は無いが、林の切れた所から、側面を覗くと、

これがなかなかスゴイ岩場で、この山が岩山だってことを、初めて知る。

傾斜が緩くなると、九王山の山頂が近い。良い雰囲気の林だけど・・・。

山名石碑がある九王山頂。山頂というより尾根の途中という感じだ。

すぐに曦陽山へ向う。略図では解らなかったが、鞍部へはかなり下る。

九王山の北側の斜面も、巨大な岩壁となっている。

これから向う曦陽山。道は東側に向っている。逆光でぼやけてるが、

この山もまた、巨大なドーム型の岩山のようだ。

下るにつれ穏やかだった登山道は、急な岩場を下るようになって、

太いロープが設置してあるような場所も、何箇所か出てくる。

ようやく鞍部まで下って来た。此処で谷沿いからの道と合流する。

ここから北側に柵が設けてあり、説明の看板もあったが読めない。

少し登り返した展望岩場から、九王山を振り返る。

なぜか登山道が稜線をはずれ、山腹を巻いて行き、大きな岩壁の下で、

今度は右手のロープが設置してある岩場を、急激に登って行く。

このロープ場が長い。総延長は100m近いんじゃないだろうか。途中で、

疲れて一休み。教会のシスターが一人で登ってこられた。先に行ってもらう。

腕がほとほと疲れた頃に、主稜線に登り着いた。ところがこの看板。

先に着いていた家族に、教会のシスターが英語で教えてくれるには、

「この先は美しい所だったけど、寺の所有地で入山禁止にしている。」

とのことだった。つまり曦陽山の山頂には、立てないということになる。

それだけではない、北側の加恩へ下る道は、やはり柵で閉鎖されていた。

同じ理由だろうが、ウンティ村へ戻るしか無いだろう。それでは時間が

余るので、もう少し東へ縦走してから、ウンティ村へ下ることにしよう。

シル峰の手前で、ウンティ村へ下る道へ入る。九王山がずいぶん低い。

左の山が曦陽山だが、全く登った気がしない。何しろ山頂を踏んでない。

下山路は、最初は斜面を横ぎるように、やがて自然林の明るい谷道となる。

リンゴ畑に囲まれたウンティ村へ下って来た。新しくて大きな家が多い。

裕福そうな村。バス停があるが時刻表が無い。村人に聞けば良かろうが、

そんな簡単な会話も出来ない。しばらく休んで、延豊に向けて歩いて行こう。

とてもキレイな田舎道。韓国では道の路肩に、ゴミがほとんど落ちていない。

半分ぐらい歩いたところで、後ろからタクシーが来た。運転手はおじいさん。

明るい人で韓国語だが、なんだか話が通じる。「え、メーター?。ここらでは

メーターなんて使わないよ。だいたい何処ならいくらって、決まっているんだよ。

何処へ行くんだ。聞慶?。ああ、バスに乗るんだね。4000Wだよ。安心しな。」

延豊の町外れにあるバス停へ飛ばしてくれ、2時22分。3分後に来たバスに乗車。

聞慶のバスターミナルへ到着し、10分後には東ソウル行きの高速バスに乗車した。

それから二時間後には、ソウルに到着していた。「全ての道は、ソウルに通じる。」