年越しまで、あと数日となってしまった。やり残したことは無いのかな。
なんて考えてみると、一つあった。「長峰山に東側から登れないか。」
長峰山には、関電巡視路が多く、南側・西側の各尾根には道がある。
だが東側には、急峻な六甲川が流れるせいか、登路が見当たらない。
表六甲ドライブウェイを歩いてみると、激流の六甲川を、渡渉して対岸に
取りつく場所がない。そこで思いついたのが、山羊戸渡の南側の尾根だ。
ロープウェイに乗り、掬星台から杣谷峠を経て、山羊戸渡を下って来た。
対岸に見えるのが、今日の目的の、長峰山から北東に派生する支尾根。
山羊戸渡の取りつきまで下って来た。右から流れ込むのが、西谷であり、
左から流れてくるのが、都賀谷本流である。この南側の尾根を登ってみる。
最初は、何処を歩いていいのか、分からないような暗い樹林の急斜面。
しかし足元を、よく見るとイノシシが作った獣道が、縦横に交錯している。
それを利用しつつ、登って行く。獣道だけに、地上から数十センチまでは、
藪も無いが、その上は倒木やツツジの藪がうるさい。メガネを飛ばされる。
それでも、小さな岩が階段状に積み重なっていて、足元はしっかりしている。
ズルズル滑るということも無いので、登り易いといえば、そう言えなくもない。
西谷を挟んで、北側には先ほど下って来た、山羊戸渡の尾根が見えている。
中腹まで登ると、松の木が多い疎林となって、ツツジの藪から開放される。
上部は、下生えに笹の繁る緩斜面。植生の推移は、山羊戸渡と似ている。
ひょっこりと登山道に出合う。長峰山頂より、かなり南側に飛び出てしまった。
天狗塚に登り着くことを、予定していたんだが・・・。家に帰って地図を見ると、
確かに、長峰山頂より南側に尾根は上りついているようだ。ちょっと残念だな。
西谷出合から、50分ほどしか経っていない。思ったより、楽に登って来れた。
天狗塚から、今日登ってきた支尾根を見下ろす。左側へ下っていくのがそれだ。
長峰山から北東に下る支尾根にすぎず、長峰東尾根とも、西谷南尾根とも呼ぶ
には値しない。猪が作った道を利用して、登ったので「猪の戸渡り」でどうだろう。