宿を出て、大邱の西部ターミナルに着いたのは、バスの発車2分前だった。
ハングルだけの自動販売機で、昌寧までの切符を買い、バスに飛び乗った。
バスが発車してから、もう一度切符を確かめるが、確かに昌寧と書いてある。
昌寧の市外バスターミナルに到着するころ、小雨が降り出した。当初の予定は、
市内バスで火旺山の東側、観龍山まで行き、火旺山を越えて昌寧に戻るつもり。
だが、この雨ではと昌寧からの往復に変更。間近に見える火旺山へ歩いて行く。
手許の「韓国100名山」という本には、山頂から西尾根に、昌寧の町近くまで
道があるように書いてあった。よく分からないまま、強引に登ろうとしたが敗退。
どうも、谷筋のコースのみ公園として整備されたようだ。谷の奥まで歩いて行く。
谷の奥の林、登山道が3つに別れる所。付近には運動用具が沢山設置されてる。
道は、1コース=山頂に向かって右手の尾根を行く。2コース=谷筋を遡って行く。
3コース=左手の尾根を行く。なんとなくというか、自然に右回りのコースを登る。
尾根状には大きな岩がゴロゴロして、これを乗り越えて行く。そこそこの急傾斜。
さして期待してなかった山だが、松林の中に岩が累々と積み重なり、壮観な風景。
昌寧郡のホームページには、ススキの名所として紹介されている。
このぐらいの岩場では、韓国では観光名所とはならないのだろう。
もう少し登ると、山上のススキの原が見えてきた。空は少し青空に。
だが、主稜線までは、まだまだ。晴れてきたのは良いが、暑くて消耗。
振り返ると足元には、昌寧の町。右手が最初に登ろうとした尾根。
ようやく主稜線まで登ってきた。小さな山火事監視所があり監視人がいる。
東側には、当初登る予定だった観龍山。柱状節理の巨岩が目立っている。
山上は、盆地状のススキの草原。それを囲むように幾つかのピークがある。
南から歩いて来て、大岩のある最初のピークで一休み。かなりの高度感だ。
休んでた大岩を振り返る。また、雲が押し寄せてきた。
盆地の中央部では、発掘作業をしているようだ。復元された城壁に沿い下る。
このススキのは、いくつかのドラマや映画のロケ地だと麓に大看板があった。
確かに、見事なススキの原だ。
右回りに盆地のヘリを半周してきた。向こうに見えるのが火旺山の最高峰。
山頂直下に、3コースへ下る分岐がある。急な岩稜と山上の平原。対象的だ。
缶ビールを売るアジョシがいたが、曇り空でやや寒くて、手持ち無沙汰の様子。
3コースは、松の大木が多い斜面を下るものだった。道が広くて、登ってくる人も
多いのだが、展望もないし退屈な道。元の出合に下りつき、見上げると青い空。
今日は、一日中、気まぐれな天気だった。