漢拏山と智異山との間で、一日余裕をみて、山にも登りたかった。
が、手許の韓国百名山に載っている此の付近の山は登り尽してる。
そこで思い出したのが、今年の5月に天冠山に登った折にもらった、
長興のパンフレットだ。それに中々魅力的な山の写真が載っていた。
その山は昔、日本人が長興富士と呼んだという獅子山(サジャサン)。
長興から登山口の墓地公園まで、6kmと書いてあったが、バスはない。
初乗り3300Wの、タクシーに乗って7000Wだった。ずいぶん高いな。
墓地公園の駐車場から見上げる、獅子山の頭峰(ドポン)という支峰。
針葉樹に覆われ、岩場も見えず、稜線は緩やかで魅力的には見えない。
とりあえず山に向かう林道を歩いて行く。峠に向かう林道と別れドポンの
裾を巻くように伸びる林道に入る。頭峰(ドポン)直下まで回り込んできた。
道標に従い山道に入るが、急斜面を直登していく、細い登山道だった。
暗い樹林の急登で、朝ごはんを食べていない身には、かなり堪える。
途中、ガレを渡る地点以外は、全く展望もない。ひたすら登るだけ。
それがドポンのピークに達すると、スコーンと360度の展望が待っていた。
今まで暗い森を、喘ぎながら登っていたのが、急に朝の光が溢れた山頂に、
一気に飛び出たような気分だった。素晴らしい。ちょっとハイになってしまう。
昨夜、莞島のスーパーで買った牛乳(2500W)と菓子パン(3000W)で朝食とする。
頭峰(ドポン)の山頂は、何かの通信施設がある外は、草原と岩の世界。
なごり惜しいが、ここは本当の山頂ではない。獅子山の本峰に向かおう。
主稜線は、緩やかな草原の道である。左右の展望はすこぶる良い。稜線漫歩。
獅子山の山頂もまた、360度の大展望。なぜか山頂の一角に展望台があるが、
そんなもの無くても、視界を遮るものは何もない。頭峰にもまして良い気分になる。
今、歩いて来た頭峰からの稜線。その向こうには長興の町が見えている。
韓国百名山に載ってないし、標高も低いので、軽く考えて登った獅子山だが、
素晴らしい山だった。今まで登った韓国の山の中でも、ベストテンに入るぞ。