漢拏山と智異山のスケジュール調整日と、この日は考えていた。
済州島が天候が悪ければ、漢拏山の予備日にするつもりだった。
疲れていれば、獅子山だけでもと良いかと登って来たのだが・・・。
獅子山から眺める帝岩山(チョアムサン)は、鷲が翼を広げたような、
素晴らしい山容の山だった。これを見ては、縦走せずにはいられない。
獅子山と帝岩山間の稜線は、ツツジの群落地である。びっしりと密生した、
ツツジの生垣の間を道が伸びている。季節にはピンクに染まることだろう。
稜線上の小ピークに、大きなモニュメントがあった。長興郡の名所や地図、
登山コース等が記してある。ここで昼食休憩。朝の残りのパンを食べると、
わずかの水と菓子だけになった。かなり暑くて疲れてきた。甘かったかな。
登山道は一旦鞍部に下り、峠状の所から樹林帯の中を登り返してきた。
峠から急に道が広くなる。墓地公園から帝岩山だけ往復す人も多そうだ。
主稜線まで登ると、ススキの緩やかな尾根となり、山頂方向の展望も良い。
山頂直下の岩場手前には、木製階段があるようだ。のんびり歩いて行こう。
なぜか、山名石碑が山頂の直下にある。でも記念写真撮るには、良いかも。
山頂の岩場には、人工的な足場とか鎖場とかは無くて、簡単な岩登りをする。
中段でウロウロしてると、山頂にいた若いアジョシが、助言してくれたんだけど、
韓国語が分からず、適当に登って行った。「韓国語が分からないのか?」って、
ちょっとイラッてしてたみたいだ。でも、私達が食べ物を、持ってないとみると、
自分の「キムパブ食べます?」て聞いてくれた。もちろん丁重にお断りしました。
主稜線の肩の所、さっき鞍部から登ってきた所まで下って来た。ここから直線的に、
公園墓地まで下る道がある。すぐに樹林帯に入り、急な斜面をどんどん下って行く。
この道が最悪だった。谷まで下ると、そこからは谷沿いに、粘土質の滑りやすい道。
本当にツルツル滑る。そのうえ西日に照らされて暑くて仕方ない。飲料水はもう無い。
下り着いた公園墓地で、水道の水をガブ飲みして生き返る。さて此処から長興のバス停
までは6キロぐらいある。まあ歩けないことはないだろうし、途中でタクシーを拾えるかも。
と思ってたら、最初の三叉路で、バンが停まってくれた。日本人なので、ビックリされたが、
乗りなさいと。教会の牧師さんだそうだが、韓国語も英語も喋れなくて、申し訳なかった。
ただ、助手席の奥さんが、この珍客を面白がってくれたのが、救いだった。降り際には、
収穫したばかりだろう、ブドウを二房もいただいた。疲れきってただけに、助かりました。
毎回、何かしら親切な韓国の人達に助けられて、この山旅を続けられている。本当に感謝。
バス停では、すぐ東向きのバスに乗れた。今日の宿泊地の順天には明るいうちに着けそうだ。
車窓からは、獅子山の頭峰が三角錐に見えていた。これなら富士と呼べないこともないだろう。
その後ろには、帝岩山と獅子山の本峰が鎮座している。いただいたブドウが、とても美味しい。