摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

帝岩山(807m)・・・・・・2011年9月26日・・・全羅南道・長興邑

漢拏山と智異山のスケジュール調整日と、この日は考えていた。

済州島が天候が悪ければ、漢拏山の予備日にするつもりだった。

疲れていれば、獅子山だけでもと良いかと登って来たのだが・・・。

獅子山から眺める帝岩山(チョアムサン)は、鷲が翼を広げたような、

素晴らしい山容の山だった。これを見ては、縦走せずにはいられない。

獅子山と帝岩山間の稜線は、ツツジの群落地である。びっしりと密生した、

ツツジの生垣の間を道が伸びている。季節にはピンクに染まることだろう。

稜線上の小ピークに、大きなモニュメントがあった。長興郡の名所や地図、

登山コース等が記してある。ここで昼食休憩。朝の残りのパンを食べると、

わずかの水と菓子だけになった。かなり暑くて疲れてきた。甘かったかな。

登山道は一旦鞍部に下り、峠状の所から樹林帯の中を登り返してきた。

峠から急に道が広くなる。墓地公園から帝岩山だけ往復す人も多そうだ。

主稜線まで登ると、ススキの緩やかな尾根となり、山頂方向の展望も良い。

山頂直下の岩場手前には、木製階段があるようだ。のんびり歩いて行こう。

なぜか、山名石碑が山頂の直下にある。でも記念写真撮るには、良いかも。

山頂の岩場には、人工的な足場とか鎖場とかは無くて、簡単な岩登りをする。

中段でウロウロしてると、山頂にいた若いアジョシが、助言してくれたんだけど、

韓国語が分からず、適当に登って行った。「韓国語が分からないのか?」って、

ちょっとイラッてしてたみたいだ。でも、私達が食べ物を、持ってないとみると、

自分の「キムパブ食べます?」て聞いてくれた。もちろん丁重にお断りしました。

主稜線の肩の所、さっき鞍部から登ってきた所まで下って来た。ここから直線的に、

公園墓地まで下る道がある。すぐに樹林帯に入り、急な斜面をどんどん下って行く。

この道が最悪だった。谷まで下ると、そこからは谷沿いに、粘土質の滑りやすい道。

本当にツルツル滑る。そのうえ西日に照らされて暑くて仕方ない。飲料水はもう無い。

下り着いた公園墓地で、水道の水をガブ飲みして生き返る。さて此処から長興のバス停

までは6キロぐらいある。まあ歩けないことはないだろうし、途中でタクシーを拾えるかも。

と思ってたら、最初の三叉路で、バンが停まってくれた。日本人なので、ビックリされたが、

乗りなさいと。教会の牧師さんだそうだが、韓国語も英語も喋れなくて、申し訳なかった。

ただ、助手席の奥さんが、この珍客を面白がってくれたのが、救いだった。降り際には、

収穫したばかりだろう、ブドウを二房もいただいた。疲れきってただけに、助かりました。

毎回、何かしら親切な韓国の人達に助けられて、この山旅を続けられている。本当に感謝。

バス停では、すぐ東向きのバスに乗れた。今日の宿泊地の順天には明るいうちに着けそうだ。

車窓からは、獅子山の頭峰が三角錐に見えていた。これなら富士と呼べないこともないだろう。

その後ろには、帝岩山と獅子山の本峰が鎮座している。いただいたブドウが、とても美味しい。