長興(ジャンフン)から乗った市外バスは、冠山(クァンサン)の、
小さなバスターミナルに着いたが、案内板もなくて途方にくれる。
うろうろしてたら、客を乗せたタクシーの運転手が声を掛けてくる。
天冠山の登山口までと地図で示すと、乗れと言う。相乗り初体験。
料金はそれぞれ払うのが韓国式。先の客は途中で降りて3000W。
ハム達も登山口まで行って、メーターどおり3600Wを払って降りる。
登山口は最近整備されたようで、広い駐車場と数軒の食堂ができている。
駐車料金の徴収所はあったが、入山料は要らないみたいで、素通りする。
ここからは3本のコースが山頂稜線に突き上げているが、一番北側の道が、
面白そうなので、中間尾根を一つ乗り越して、北よりの尾根から登ることに。
この山の山頂稜線は平坦で、3本の尾根は間隔をあけて平行に並んでいる。
上の写真は、乗り越してきた中間尾根。この尾根も登山コースとなっている。
私達がコースに選んだ尾根も、期待にそぐわず、登るにつれ奇岩群が現れる。
だが、だんだんガスが濃くなってきた。岩陰に桜の木が小さな花を咲かせている。
ガスの隙間を狙って写真を撮るが、山頂稜線からガスがどんどん降りてくる。
次々と巨大な岩塔が現れるが、登山道自体は巨岩の裾を巻いて付けてあり、
いたって普通の登山道である。ツツジは氷雨が降ったか落花したものが多い。
そういえば、神戸でも先週、雹が降った。その時に痛めつけられたんだろう。
道が緩やかになってきた。山頂稜線が近いんだろうが視界はますます悪くなる。
歓喜台と記されたピークも過ぎ山頂稜線の一角に辿り着いたに違いないが、
何しろ視界が無いので、がっかりだ。だが、すこし上空が明るい気もする。
稜線上は、南西からの猛烈な風が吹いている。ガスも飛ばしてくれないか。
願いが叶ったか、ガスが少しづつ吹き飛ばされていく。
登って来た尾根の巨岩が、次々に姿を現す。ツツジもキレイだ。
やがて冠山の町も、はっきり見えるようになった。
視界10メートルの状態から、ここまで10分足らず。
それだけに、稜線上は強烈な風で、じっと立ってられない。
上の写真はいずれも、北東の斜面を少し下って写している。
山頂稜線は登って来た巨岩・奇岩の尾根とは打って変って、
穏やかな草原となっている。ハムはこういう山が大好きだ。
最高峰、天冠山(チョンカンサン)の石碑のあるピークには、
狼煙台が復元されている。登ってみたが風が強く下手すれば、
本当に、吹き飛ばされそうになるので、早々に降りることに。
東側に少し下れば風も収まる。緩やかな路はのんびり歩けて良い。
登って楽しい道。のんびり下る道。コース選択は良かったと自画自賛。
登山口の駐車場からは、冠山のバスターミナルまで歩いて帰る。
少し下った所にある不思議な建物群。映画のセットだろうかな。
振り返って、仰ぎ見る天冠山。
韓国の田舎の景色を楽しみながら、冠山の街まで帰って来たが、
バスターミナルが分からない。大分時間を費やしてしまった。
そこへ、長興行きのバスが来たので、バス停でもないのに、
無理矢理止めて乗り込んだ。すると50米ほどで角を曲がると、
バスターミナルだ。大通りから少し入るので分からなかった。