摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

老婆谷西稜

週初めの降雪を機に、めっきりと暖かくなった。今日は晴天。

普段は、藪道は嫌いなんだけど、なんとなく歩いてみたい気分。

以前から気になっていた所を、歩いてみようと、青谷に向かう。

それは、行者尾根と老婆谷との間にある小尾根だ。

便宜上、老婆谷西稜と呼んでおくが、本意ではない。

老婆谷の道は、谷の途中までは、上流に向かって左側に、

付いているが、源流部で右側に渡渉する。ここが解り難く、

左側の急斜面を直登したり、左の小尾根に逃げる人が多い。

その小尾根を、基部から登るというのが、今日の企画だ。

ろくに下調べもせずに、思いつきで歩き始めた老婆谷。

スノコ状の鋼製堰堤の手前で、左から小沢が入って来る。

ここから登ってみようと、小沢の北側斜面に取り付く。

何気なく歩きやすいところを登っていくが、随分と楽だ。

道は固く、人一人歩ける幅が続き、藪を分けることもない。

落葉で覆われてはいるが、これは踏跡でなく道のレベル。

で、稜線に登りついたと思ったら、何か変、見覚えある風景。

行者尾根の露岩帯上の鞍部であった。東側に老婆谷西稜の、

展望岩場が見えている。仕方なく同じ道を、谷底まで又下る。

当然、行者尾根と老婆谷西稜の間には、凹みがあるわけで、

それが、沢となって老婆谷に流れ込んでいると考えたのだが、

それらしき凹みも見つけられず、炭焼き釜跡まで来てしまった。

もう少しで、老婆谷道の渡渉点なので、西稜の下には来てる筈。

炭焼き釜の脇から、斜面に取り付く、藪は薄くて歩きやすい。

やがて両側が、大岩の積み重なるルンゼ状を登るようになる。

傾斜が急になり、登り辛くなった所で南側の岩尾根に逃げて、

少し登ると、先ほど行者尾根から見た、展望岩の上だった。

当然、西側には行者尾根がよく見える。

展望岩の上には、松の木が多く、ゆっくりはできない。

ところで、展望岩から20メートルも登ると、何のことはない、

老婆谷道の渡渉点からの踏跡が上ってきていた。がっかりだ。

この踏跡は、しばらく尾根上を上るが、やがて西側の天狗道の

鞍部に向かっていく。踏跡とは別れて、そのまま尾根通しに、

強引に登っていくと、尾根の東側に、未知の展望岩があった。

斧の刃を立てたような巨岩である。南東方向に景色が良い。

すでに、天狗道脇の展望所(丸太の方位盤がある所)の直下。

あと一登りで、天狗道に飛び出す。