香港に行くからには、当然、食べる事も楽しみである。
が、登山の為には、朝は早いし、帰ってきても疲れてる。
広東語の壁も高くて、「食べ歩き」は楽しめなかったな。
香港6泊のうち後半4泊を、佐敦駅A出口近くの安宿で過ごした。
部屋の10センチほどしか開かない窓から、隣のビルを見てみると、
薄汚れたビルの外観だが、盛況のレストランが、窓越しに見えた。
(気分は、映画『恋する惑星』のフェイ・ウォンか・・・???)
翌朝6時過ぎにまた覗くと、すでにお客さんが、そこそこ入ってる。
「飲茶やってるな」と行ってみる。ところが、そこは海鮮レストラン。
一瞬ひるむが、入っていくお客さんの様子から、なんとかなるかと。
入口で、伝票は渡されたものの、席についても誰も注文を取りに来ない。
従業員は隅のテーブルで、ダベリング中。客が呼ぼうが、伝票振ろうが、
ビール・ジュースを冷蔵庫から持ち出そうが、みんなピクリとも動かない。
周囲の常連客は、勝手に厨房へ行って、自分で茶道具を持って来ている。
仕方なく、厨房の給湯所に行ってみると、急須や茶碗・茶葉が並んでる。
常連さんに、身振りで教えてもらって、自分でお茶を適当に入れてみる。
中には、これ幸いと違う種類のお茶を、2・3度入れ替えてる人もいる。
さて、6時40分になると、やにわに従業員のオバサン達が動き出す。
各テーブルに、4種類の伝票を配り始めるのだ。どれも注文できるが、
客が注文するのは、上の「早茶優恵点心精選」という伝票からが多い。
まあモーニングスペシャルメニューと言う訳で、かなり安い値段設定。
左から、皮蛋咸骨粥 ・ 煎醸茄子 ・ 花姿炸雲呑
適当に5品注文して、1時間ゆっくり飲茶を楽しんだ。
会計してみると、サービス料入れて54ドル(約600円)。
前日は、粥専門店で魚のお粥2杯で、同じ54ドルだった。
結局この日以降は毎朝、ここに通って飲茶することになる。
左から、葱花炸両腸 ・ 生菜魚滑粥
それにしてもゆるい雰囲気だ。4日間同じ顔ぶれが同じ席に座る。
早朝のせいか、新聞を読む人は多いが、常連同士会話するでなく、
持参の保温水筒に、お茶を詰め替えている人。
一番安い、肉餅飯と排骨飯を注文し、一つを弁当箱に詰める人。
茶代も要るが5.8ドルの肉餅飯だけ頼んで、20ドル置いてく人。
左から、白灼唐生菜 ・ 皮蛋咸骨粥
蒸篭物も頼んだが、写真は粥ばかり。やっぱり朝は粥だな。
点心のほうは普通においしいし、早朝から開くのが便利だし、
何より、このゆるい雰囲気が良くて、毎日通ったわけだ。
夜は名前の通り、刺身もある中級海鮮中華レストラン。
サービス料10%・茶代・お通し(豆)代を請求するので、
150ドルのメニューが200ドルぐらいの支払いになる。
ただ、9時を過ぎるとビールが大瓶9.8ドルと安くなるので、
2晩ほど通ったが、まあ、ゆっくり飲めて良かったかな。