マッコルリを日本語で紹介した本としては、これほどの名著はない。
「マッコルリの旅」 鄭 銀淑(チヨン・ウンスク)著である。
著者は、韓国各地のマッコルリの味巡りを企画するが、酒造場の
「味なんて、所詮マッコルリなんだから・・・」という反応に、
あっさりマッコルリの味探訪は捨て、各地の酒造場は訪ねるものの、
主眼は、各地のデポチブ(マッコルリ酒場)の探訪に変更してしまう。
一方マッコルリの酒造方や歴史にも分り易く言及していて、日本人が、
マッコルリについての理解を深める、最適な参考書ともなっている。
だが現在、この本に書かれたデポチブは、主たる消費現場ではない。
マッコルリが飲まれるのは、今は何と言っても「山」なのだ。
写真は、水落山(スラクサン)の登山道。延々飲食店が並ぶ。
店のアジュマ3人が客待ちしている前に、マッコルリのケースが。
市街地の飲食店では、マッコルリを探せど、ほとんど置いていない。
(最近は韓国もマッコルリブームで、置いている店が増えたらしいが)
が、登山口の飲食店では、マッコルリのボトルを看板代わりにしている。