摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

社家郷山 北面の尾根から行者山へ周回する

2017年6月に社家郷山を一人で歩いている。その時に山上から見た

北面の痩せ尾根を歩いてみたいと思った。ネットで調べると逆瀬川源流

の支沢を中心として三本の尾根が良く歩かれているらしい。2月5日は

f:id:aw2q:20190206201606j:plain

晴天の予報。夙川から阪急電車(運賃190円)で逆瀬川駅。登山口のエ

デンの園へはバス便もあるが、4kmに過ぎないので歩いていく。右手に

見えるのが行者山で、左側に見えるのが社家郷山だろうか。同定できない。

f:id:aw2q:20190206201637j:plain

正面には意外に低い甲山(309m)。さて逆瀬川駅からここまで瀟洒

住宅街だが、両岸の道路に歩道がない。その点で宝塚市は住みたくない街。

30年前は、西宮から宝塚に入ると国道の路肩さえ、めっきり荒れていた。

f:id:aw2q:20190206201655j:plain

県道16号線が西側へ屈曲して、昭和っぽい団地に沿うようになって、

ようやく歩道が現れた。左側はゴルフ場。二車線の車道だが狭苦しい。

右手の長大な団地は、後で行者山から見てその大きさに驚く事になる。

f:id:aw2q:20190206201712j:plain

宝塚西高校を過ぎると、逆瀬川右岸に奇妙なモニュメントが見えてきた。

ゆずり葉緑地公園。モニュメントは砂防行政を自画自賛するものらしい。

大きな公園だが駐車場はない。そのため、南側の車道には路上駐車の列。

f:id:aw2q:20190206201750j:plain

そこをバスも通る。こんなに広い公園を作りながら、なぜ周囲に歩道を

設けないのだろう。更に進むと介護付き有料老人ホーム「エデンの園

の建物群が見えてくる。逆瀬川駅から此処まで、阪急バスが通っている。

f:id:aw2q:20190206201807j:plain

エデンの園で車道は終わる。奥の駐車場を抜けて、逆瀬川の河原に入る。

背は低いが幅の広い石積みの堰堤がある。河原には幾本も踏跡があって

ウロウロする。右岸からの支流を探すのだが、これが中々見つからない。

f:id:aw2q:20190206201826j:plain

ようやく右岸に人口滝のような石積みの堰堤を見つける。水流は無いが

支流と思われる。西側の岩場に明瞭な踏跡が続いているので、巻き上る

ことができる。少し東側に戻ると明るい涸れ沢に下りつく。間違いない。

f:id:aw2q:20190206201844j:plain

小休止した後、適当に踏跡を拾って歩き出す。今日は地理院地図を持っ

て来たが、ろくに確かめもせず歩き出す。この谷は二俣がありY字型だ。

その東尾根、中央尾根、西尾根の3本を歩いてみようという計画である。

f:id:aw2q:20190206201957j:plain

幾筋もある踏跡のうち、歩き易い所を適当に歩いていくと、風化の進ん

だ岩尾根に乗った。細尾根の上は道と云って良いほどよく踏まれている。

地味が悪いのか木々は矮小で、藪を分けることもない。楽に歩けそうだ。

f:id:aw2q:20190206202025j:plain

ただ南に向かって登るので、快晴の今日は陽光が強烈だ。完全な逆光と

なってしまう。風も穏やかで寒さも感じない。盛夏には歩きたくない所。

f:id:aw2q:20190206202108j:plain

登るにつれて展望が広がる。この時は東尾根を歩いていると思っていた。

光線の加減か、すぐ東側に尾根が平行してるのに気づいていない。西側

の断崖に注目していたからかも。河原から20分程で主稜線に飛び出た。

f:id:aw2q:20190206202133j:plain

次は西側の尾根を下ろうと、主稜線を西に進む。この付近は樹木に囲ま

れ展望はない。次のピークで辺りには、はっきりした踏跡はなかったが

尾根筋と思われるところに、突っ込んでいくと切り開きや踏跡が現れた。

f:id:aw2q:20190206202202j:plain

急斜面と緩斜面が交互に現れる。急な所では踏跡が集まり、道らしく

なるが、緩い所では道を失いやすい。先ほど歩いた尾根にくらべると

余り歩かれていないようだ。樹木に覆われて一向に展望が広がらない。

f:id:aw2q:20190206202230j:plain

中腹まで下って、ようやく抜けたところがあった。エデンの園の建物

群が異様に大きい。先ほど歩いた尾根は定規で線を引いた様に見える。

f:id:aw2q:20190206202255j:plain

再び藪道を歩いて、支流の河原まで下ってきた。最初に歩いた尾根に比

べると余り魅力的では無かった。その分歩く人も少ないように思われる。

f:id:aw2q:20190206202317j:plain

一旦、堰堤上まで下って昼食休憩する。日溜まりの中に座っていると

日焼けしそうなほど太陽光が強い。昼食後さて次はもう一つ西側の尾

根へと思うが、地形を見直して間違っていることにようやく気付いた。

f:id:aw2q:20190206202343j:plain

堰堤上から東へ数十m進むと尾根のとりつきがあった。これがY字沢

の東尾根だろう。尾根に乗るまでは幾本もの踏跡があって分り難いが、

尾根に乗ってしまえば、こちらも良く踏まれており立派な道があった。

f:id:aw2q:20190206202408j:plain

西側に並行して最初に登った中間尾根。その向こうに下ってきた西尾根。

遠方には大平山の電波塔が見えている。中腹に県道82号線が斜上する。

f:id:aw2q:20190206202436j:plain

この尾根も樹木は矮小で、強烈な陽光にさらされる。上向きの写真のみ

ならず、コントラストが強すぎるのか、何れの写真も白トビしてしまう。

f:id:aw2q:20190206202548j:plain

やはり20分程で主稜線に出てしまった。楽しいが何だかあっけない。

中間尾根は指呼の間で、道もはっきり見える。同時に二手に分かれて

両尾根に登るとか、ドローンを飛ばして上空から撮影すると面白そう。

f:id:aw2q:20190206202623j:plain

登りついたのは馬の背と呼ばれる所。すぐ東側に樫ヶ峰が見えている。

山頂は樹木に覆われて展望がない。なので立ち寄らなかったが、結果

的に後でそれが、中途半端な感を残した要因ではないかと家族は言う。

f:id:aw2q:20190206202721j:plain

南側に甲山と北山貯水池。右下にはかぶとやま荘が見える。前回は

夙川からバスに乗って来た。その時は一人だったので家族は初めて。

f:id:aw2q:20190206202655j:plain

地理院地図には樫ヶ峰しか記されていないので、その名で呼ばれる

事が多い。昭文社の地図には小笠峰や外レ峰。489ピークに社家

郷山と記されているが、まあ山塊全体を社家郷山と云うように思う。

f:id:aw2q:20190206202757j:plain

馬の背からY字谷の中間尾根を見下ろす。尾根上の道がはっきり見え

る。前回この風景を見て歩いてみたいと思った訳だが、思ったよりも

歩き易く手応えがない。それに河原からの標高差は130mしかない。

f:id:aw2q:20190206202827j:plain

社家郷山だけでは物足りない。前回はゴロゴロ岳から芦屋に下ったが、

今日は北側の行者山に周回しよう。小笠峠からは県道82号線を歩く。

ゆずり葉台への分岐があった。逆瀬川を詰めると此処に出るのだろう。

f:id:aw2q:20190206202850j:plain

大谷乗越まで車道を歩き、全部縦走路に入る。今日はここが最高所に

なるのだろうか。平日だがノロノロ歩いていると5人の方に抜かれる。

皆さん単独で走るように歩かれているので、全山縦走の練習だろうか。

f:id:aw2q:20190206202918j:plain

家族は一度だけ全山縦走してるが、ハムは歩いたことはない。きっと

体を壊す。その昔に、谷上から田尾寺までのハイキングに参加したら、

ヒラメ筋を痛め階段が下れなくなった。ひと月も整形外科に通ったが

f:id:aw2q:20190206202941j:plain

治らず、思い余って中国針を打って貰ったら、たった一度の施術で完

治した。それ以来は、全山縦走に参加しようとは一切思わない。単調

な縦走路に飽きた頃、ゆずり葉台への分岐。行者山とは記されていな

f:id:aw2q:20190206203008j:plain

いが多分ここだろう。浅い谷状の地形を訝しく思ったが、やがて前方

に行者山らしき円頂が見えてきた。分岐には地図付きの道標があった。

f:id:aw2q:20190206203036j:plain

行者山の山頂は灌木に囲まれ、西側の展望があるのみ。譲葉山、岩原

山が見えているが、歩いてきた全部縦走路はピークを全て巻いている。

f:id:aw2q:20190206203218j:plain

山頂から少し下ると南側の展望も得られる。阪急逆瀬台マンションが

異様な長大さ。その向うの深谷貯水池はゴルフ場敷地内で近寄れない。

f:id:aw2q:20190206203258j:plain

行者山東観峰を目指して下って行く。名の通り展望が良さそうな禿山。

f:id:aw2q:20190206203332j:plain

行者山東観峰の眺望。右手には大阪市内のビル群も見えるが、むしろ

眼下の住宅群に目が奪われてしまった。昭和を象徴するような造成地。

f:id:aw2q:20190206203354j:plain

西側には六甲最高峰を望む。普段とは違う角度で見る六甲の姿は新鮮。

f:id:aw2q:20190206203426j:plain

行者山東観峰(383m)からは、北逆瀬台登山口を目指して下るが、

歩き出すとすぐに住宅が迫ってくる。北逆瀬台の標高は200mある。

f:id:aw2q:20190206203521j:plain

迷路のような北逆瀬台から阪急逆瀬川駅まで徒歩40分。やはり駅

のごく近くを除いて歩道はない。駅前は再開発されて関西離れした

雰囲気だが、数十年前に宝塚市に受けた印象は変わる事はなかった。

f:id:aw2q:20190206203604j:plain

家族に今日の感想を聞いてみると一言「長い散歩。」と返ってきた。

快晴に恵まれ展望も楽しめたのだが、なぜか達成感も充足感もない。

最高所は車道だったり、ハイクの目標となる場所が無かった為かな。

f:id:aw2q:20190208212945p:plain

スマホの万歩計アプリでハムは38402歩、家族は42238歩。

確かに長い散歩だった。トレイルランナー向けのコースだったかも。

 

 

今日のBGMは宝塚という事でフレデリックYouTubeのコメント

スペイン語ポルトガル語が多い。英語の物も南米からだったり。


フレデリック「オンリーワンダー」MusicVideo / frederic“ONLYWONDER”