冬の足音が聞こえてきた。今年やり残した事を済ませてしまいたい。
多忙だった家族も一時的に落ち着いた。北風が冷たいが山に行こう。
6月に探した杣谷峠下の岩塔が目的。往復ロープウェイの軟弱計画。
紅葉狩りの観光客でロープウェイは満員。いつもこうだと良いのに。
掬星台から奥摩耶ドライブウェイを歩いて杣谷峠へ。杣谷道に入る。
峠から100mも下ると西へ細い獣道が有る。それを辿り10m程
入れば尾根筋に出る。そこから数m下れば方形の巨岩が見えてくる。
北面は3m程の垂壁。南面は8m程の長さがあり、やや傾斜が緩い。
そこで北側の灌木に支点を取りロープを頂部越しに投げれば、我々
でも安全に登れるのではと考えた。取りあえず家にある装備は全部
持ってきた。プルージックで確保すれば何とかなるだろう。たぶん。
西側から見ると鯨の頭のよう。7mmロープにカラビナを数個つけ、
投げたが西面側に流れてしまった。それを南面に回して又掛け直す。
プルージックてどうやって結ぶんだっけ?。こうだったかな?とか
そんな調子で始める。7mmロープは細すぎて、ダブルのロープに
5回巻く。その分動き難い。南面は傾斜60度から70度程、先行
する家族は登ることより、プルージックの引き上げに苦労している。
続いてハムもプルージックでビレイ。安定した岩質スタンス多いが
頂部に出る所が少し難しく、ロープに頼ってゴボウで登ってしまう。
頂部は思ったより広くて平ら。半畳程もあり二人なら余裕で休める。
展望はというと、海はかろうじて見えるが、対岸の尾根が邪魔をし
杣谷全体が見えない。まあ予想通りで仕方ない。北風が吹き下ろす
陽は時折さすが寒くなってきた。せっかく登ったが、もう降りよう。
現役のクライマーなら2分で登るような所で、2時間も遊んでいた。
しかし体力も技術も向上は見込めないから、安全第一で良いだろう。
登っていると感じないが、上から見ると結構な傾斜。懸垂下降する。
押入れの奥から持ってきた家族のEBシューズ。30年以上前に買っ
た物だが使えた。同時期に買ったハムのビブラム製(伊)のソールは、
とうに加水分解で割れてしまったのに。少しフランスを見直したかも。
下りもロープウェイ。平日ながら臨時便が出るほどの活況だ。但し、
紅葉の色づきは悪い。やはり台風や豪雨が木々にストレスとなって
いそう。下山後は水道筋商店街に寄って、野菜や果物を買って帰る。