摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

小さな秋を探しにトゥエンティクロスへ

10月2日の火曜日の朝、何気なしに摩耶ケーブルのサイトを見ると、

定休日だが大型客船が入港するので、14時40分から20時50分

まで特別運行するという。ならば初秋のトゥエンティクロスへ行こう。

慌てて用意して自宅を出たが、新神戸駅に着いたのは11時過ぎだった。

9月の29日30日には台風24号(Trami)の通過により、2日間で

92mmの雨が降っている。中一日だが多分徒渉に困る事はないと思う。

雄滝の水量から見ても大丈夫そうだ。欧米人の観光客数組とすれ違った。

降雨後の滝の迫力に満足されたろうか。我々にすると過去の大雨の時と

比べると少なく思う。むしろ今日は五本松の隠れ滝の方が迫力があった。

見晴し展望台から貯水池間は、法面工事の為に9日から11月末までは

通行止めになるという。猿の掛け橋の左岸壁が、大きく崩れているので

補修されるのだろうが、一緒に歩道の拡張や整備もして頂けないものか。

天狗道の取りつきまで来ると黒岩尾根の向うに、7月初めの豪雨により

崩れた斜面が見える。高尾堰堤の右岸辺りだろう。地蔵谷出合を過ぎた

所から、生田川沿いに少し下流へ下った平地に、アケビ自生している。

今年の実は少々小振りだった。昨日か今日に開いてしまった物ばかりだ。

アケビは種が多いので無理に食べようとせず、口にじんわり含んでいる

と、素朴な甘さが美味しく感じられる。ただ鳥は余り好きでないみたい。

黒岩尾根の取りつきを行き過ぎた所に、神戸市森林整備事務所の設けた

「この先・・・大変キケンです。」看板がある。通行禁止となってない

ので、気をつけてねという意味だろうと勝手に解釈する。いいのかな?。

ところが左岸沿いの登山道は進むに連れて細くなり、かつての徒渉点は

右岸から崩れた土砂に埋まってしまったのか、その様相が一変している。

少々増水しているので倒木にまたがって、対岸に渡らねばならなかった。

右岸の崩落斜面を斜上して行く。崩れてから2か月近く経っているので、

既に踏み分け道が出来ているのではと思っていたが、その後も台風等で

降雨が多かったせいなのか、判別しがたい踏み跡しかない。見上げると

土砂崩れの斜面に、その後の降雨で穿かれたような深い溝が出来ている。

土石が不安定で、降雨時の通過は非常に危険と思う。布引の滝と森林植

物園を結ぶ、このコースは山に不慣れな方も多く、通行禁止にした方が

良いのかなとも思われる。ただ一方で長峰山において、登山口の崩落だ

けで無駄に全面通行禁止とされているのと、ずいぶん対応が違っている。

架線場跡の広場は健在。時刻は13時、ここで昼食を取ることにしよう。

市ケ原から桜谷出合までの区間は、森林整備事業所と協定を結すばれて、

神戸中央山の会が整備をされているという。大雨のたびに徒渉点の補修

作業されているのを拝見している。高尾堰堤上流の橋も作られたようだ。

分水嶺越し分岐の徒渉点を過ぎて、次の徒渉点は橋があったと思ったが、

流されてしまったのか飛び石に替わっていた。この巨岩も櫓を組んで人

力で移動させられたのだろう。今日は靴を濡らす程度で渡る事が出来た。

黄連谷出合あたりは河原が広くなって明るい雰囲気。午後から曇ってき

たのが残念だが、好きな場所の一つだ。下を向いて歩いていると栗の実

が落ちている。台風のせいなのか毬が青いまま落ちている物が多かった。

路傍に派手な赤い実が、帰って調べるとミツバウツギ科の「ゴンズイ」。

桜谷出合の徒渉点では、飛び石の上にも流れがあって、靴の中まで濡ら

してしまう。高尾堰堤右岸の崩落個所は別としても、度重なる風水害に

よって、数年前よりトゥエンティクロスの難易度は上がっているように

思われる。途中の橋や桟道は、昭和50年から60年代に堰堤工事に伴

って設置されたものが多いので、もはや老朽化して当然の帰結と云える。

今年の災害を機会に 瀬戸内海国立公園を代表するトレイルとして、恒久

的な橋や桟道を設けて良い頃に思われる。桜谷出合からは退屈な桜谷道。

アジサイ池の奥には小さな島があって、アジサイが生えてると気づいた。

コースタイム3時間弱のところ、6時間近くかけ掬星台に到着したのは

17時ちょうど。予定に遅れて大型客船「セレブリティ・ミレニアム」

が接岸するのが見えた。特別運行するのを御存知だったか観光客が数組。

ロープウェイ・ケーブルを乗り継いで下山する。帰宅すると「はてな

の運営から9月21日に送った質問の回答が届いていた。概ね理解でき

る内容だったので、適当な時期を選びはてなブログに移行するとしよう。