摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

摩耶東谷の支谷を詰めて山寺尾根に出る

6月17日は第三土曜日。リュックサックマーケットの開催日だ。

先月は掬星台への最短路として、山寺尾根を登ったが、毎回で

は飽きてしまう。今日は東谷の支流から山寺尾根上部に出よう。

東谷の道を進み、深谷第二堰堤を越える。この堰堤の上流は、

水通し天端まで土砂が堆積している。堰堤上からは大阪市

のビル群を遠望できる。梅雨入りしたといえ、毎日晴天が続く。

この堆積地に右手から支谷が流れ込む。水流はないことが

多くて、特に樹木の繁る頃は、その存在にも気づき難い。今

日は通り過ぎてしまい、行者の滝まで行って引き返してきた。

ハムはこの谷を登るのは3度目。家族は初めてだ。最初から

最後までガレの詰まった谷で、ほぼ伏流して靴の底を濡らす

こともない。入口からすぐに治山ダム。右岸の壁から越える。

谷を遡行するという風ではなく、ガレの難路を登って行くと

いう感じ。水音も聞こえず、ただ鳥の鳴き声が谷間に響く。

堰堤は4基ある。全て県の作った治山ダムで名前はない。

2番目の堰堤は、左岸の土砂の斜面を登り容易に越える。

この堰堤の水通しには、巨岩が転がってきて鎮座している。

すぐに3番目の堰堤。沢登りならこれだけ堰堤があると、

嫌になって2度と歩くこともないのだが、この谷は、単に

ガレの登路としか認識してないので、余り気にならない。

3番目の堰堤は、左岸側壁の段差が比較的小さい。リー

チの短い家族も、横に積まれた土嚢を足場に越えて行く。

3番目の堰堤の上には二俣がある。左俣は水流があって、

1回目に入ってみたが、急峻なルンゼで抜けられなかった。

右俣は水流こそないが、上流にもう一つ治山ダムがある。

右俣に入り急なガレを登って行く。ところで今日は一度も

蜘蛛の巣を見ていない。今年は少ないのかもしれないな。

4番目の堰堤はラダーが設置されている。全ての堰堤

にあれば、どんなに楽だろうかと思う。上流側にもある。

堰堤のすぐ上で谷が屈曲し、大きな岩壁に突き当たる。

中段に木が生えているので、ハッキリと分からないが、

その上も岩壁があるようで、全体としてかなりの大きさ。

谷は岩壁に沿って右に曲がる。谷底には巨岩が積み上

っている。大雨の後は岩と岩との間に詰まっている土砂

が流れてしまい、不安定になるのではないかと思われる。

右岸の岩壁は上流に向かって、数十メートル続いている。

岩壁が切れた所で谷は左へ曲る。前回は本流を詰めたが、

最後のルンゼ状が、リーチの短い家族には厳しいと思った。

そこで右の凹地を登るように言ったが、あれ、記憶よりも

急峻だな。でもスカイラインは既に、山寺尾根の登山道。

時折、ハイカーの姿も見えている。まあどうにかなると・・。

登ってみると凹地はとても急斜面。土砂が流れて足下が

定まらない。仕方なく家族は左手の中間尾根に逃げ上る。

露出した木の根を掴み、崩れそうな岩を足場に登って行く。

上の写真で、家族が立っている所まで登り、ハムは凹地を

摺り下ろうと思ったが、家族が「行けそうだ。登れ。」と言う。

先後を交代しハムが先に登る。木の根や、倒れかかった

木を頼りに登って行く。ハムの体重に耐えられたら、家族

は大丈夫だろう。安定した所で家族が登ってくるのを待つ。

上の写真の中央辺りに登り、数メートルほどトラバースし

山寺尾根の登山道に出た。本流を詰めた方が良かった。

シュリンゲの1本も持ってなかったのも、反省すべきこと。

まあ、そんな殊勝なことを考えたのも数分間。300mの

丸木階段を登り、リュックサックマーケットで賑う掬星台

に着く頃には忘れてしまった。それにしても良い天気だ。



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