摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

ロックガーデンから荒地山ボルダー群へ散策する

2度目の宮崎旅行から帰ってきて、2週間ずーっと休養。

全く疲れが取れず、動く気がしなかった。このままでは

固まってしまいそうなので、体をほぐしに行くことにする。

それが土曜日。わざわざ人出の多い日に行かなくてもよい

のに。まあ動く気になったので仕方ない。阪急芦屋川駅

の混雑した公園を通るのは嫌で、東側からアプローチする。

思った通りの混雑ぶり。木曜日に雨は降ったが、摩耶山

の沢に入るには、十分な雨量ではない。芦屋地獄谷から

荒地山辺りを歩いてみようと思う。目的地は決めてない。

高座の滝から尾根を越して地獄谷に入る。入渓する前に

一息ついていると、皆さん次から次へと追抜いて行かれ

る。その慣れた様子に少々驚いた。ベテラン揃いなのか。

ハムは例え小沢でも入渓する前には、心の準備というか、

気持ちを切り替えるために、休憩することが多い。まあ靴

を履き替える訳ではないので、お茶を飲んだだけで進む。

先日、下駄箱を整理してたら、ジャガー・シグマが出てき

たので履いて来た。沢から岩場を巡る今日のコースには

合うのではと思った。黒い苔には、めっぽう滑りやすいが、

岩質が合えばフェルト底にも劣らない。芦屋地獄谷は歩く

人が多いので、スタンスが摩耗している。ジャガー・シグマ

に合うか判断をするまでもなく、あっさり通過してしまった。

小便滝で遡行は止めA懸ピークに向かう。以前此処にあった

詳細な私製道標が見当たらない。何故か分らないが残念だ。

A懸ピークも多くのハイカーが行き交う。しばらく休憩する。

皆さんの様子を見ていると、何となく事情が分かって来た。

ほぼ、経験者が初めての人達を案内するというグループ。

爽やかに晴れた天候のせいもあって、無邪気にVサイン

して記念写真を撮られたりと、楽しい雰囲気が流れている。

B懸尾根に入ると迷う所もあるけど、それはそれで面白い。

尾根筋には複数の通過の仕方があり、此処も初めて通る。

風化した花崗岩を登り降りしたり、狭い回廊を抜けて行く。

スラブには必要以上に足場が掘られて残念だ。多くの人が

通行するので出来たのではなく、人工的に工作されている。

B懸尾根の最上部から鞍部に下り、北の谷に方向を転じる。

いったん谷に下って、万物相へ登り返す。途中で振り返ると、

B懸尾根のロープに頼って降りる箇所で、渋滞が起きていた。

万物相も2度目となると、さしたる印象も無い。あっさりと

通過して、中央尾根の一般道に出る。展望地から風吹岩

への道を、少し進むと右に高座谷に下っていく道がある。

高座谷に下って、上流へ古い堰堤を越えると、キャッスル

ウォールへの分岐。登って行くと基部でクライマーが休憩

されていた。「フライパンの上を登ってるみたいですよ。」

確かに暑そうだ。新しいボルトが沢山打たれている。今も

ゲレンデとしての価値を保っているのは、此処だけかも・・。

キャッスルウオールの基部からは、北に向かう。そのまま

進めば奥高座の滝の上に出るが、途中で右の涸谷に入る。

ブラックフェイスの手前で岩梯子への踏跡に入る。この岩

場もゲレンデとしての価値はないが、基部へ踏跡が続いて

いる。フリーで登る人もいるようだが、我々にはとても無理。

大人しく一般道に出る。岩梯子の途中から北のボルダー群

に入って行く。狭いバンドを渡ったり、レイバックぽい感じで

岩を渡ったりと楽しい。チーズロックは先客がおられスルー。

ビッグボルダーって言うのかな。この巨岩を過ぎると北側へ

下る踏跡があった。荒地山頂上に出てもつまらない。此処

から北に進めば黒岩に行けるはず。今日の目的地にしよう。

本来はクライマーの通行路なので、道としての風情はない。

切り開いて通行出来るようにしてあるだけ。思ったより下る。

北の稜線に黒岩の一本松が見えてきた。右がプロペラ岩?。

谷を下り気味にトラバースして、プロペラ岩の基部に到着。

此処もかつては、エイドクライミングのゲレンデだったろう。

今は登る人も少ないのか、ピンは古いし、草も生えている。

プロペラ岩の上から、荒地山越しに大阪湾を望む。今日の

最高点にしよう。此処からは黒岩に下る明瞭な踏跡を辿る。

黒岩と名前がつくほど魅力的ではないが、岩の上に生えた

松が絶好の日陰を作っている。ここでオニギリの昼食休憩。

黒岩からは大阪湾の展望もあるし、六甲山側の眺めも良い。

食事を終わる頃に、A懸ピークで見かけたグループが、同

じルートで、プロペラ岩に向かっておられるのを遠望できた。

どうも今日のルートは、経験者がロックガーデンや荒地山を、

初めての人を案内する定番ルートみたい。まあ楽しいコース。

この後、風吹岩から会下山遺跡へ下山した。路傍のササユリ。

久しぶりに履いたジャガーシグマだが、中敷きを入れている

ものの底が柔らかいので、足裏が痛くなってきた。自分には

向いてない。舗装路を歩くのも辛くて、芦屋川の河原を歩く。