摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

木ノ袋谷から寒谷北尾根の岩塔に直上する(2回目)

3月18日は第三土曜日。リュックサックマーケットの開催日だ。

最近、諸事に追われ多忙な家族も、気晴らしに行きたいという。

阪神電車の土日用の回数券を使い、新在家駅まで乗って来た。

円山公園下まで来ると、早咲きの河津桜が見頃を迎えていた。

杣谷道に入り、木ノ袋谷の出合まで歩いて行く。東谷出合では

猫柳が穂を膨らませていたが、他には季節の変化は感じない。

木ノ袋谷出合で行動食を摂った。ソイジョイのバーはネットで、

配布されていた試供品。イオンのコーラは税込み29円。味は

コカ・コーラのノンカロリーと同じぐらいで、まあ美味しくはない。

家族の気晴らしになる様なコースというと、此処を思いつく。

前回、登ったのは2015年6月初旬。早や2年近く前のこと。

今日の装備はメットだけだ。装着して木ノ袋谷へ入って行く。

最初の堰堤を左岸から越えると、ゴルジェ風な所を通過する。

2番目の堰堤は、左岸にトラロープがあるが、どう見ても右岸

を越える方が良さそう。日が差さず陰気な雰囲気の谷が続く。

2番目の堰堤を越えると、右岸から小沢が流れ込む。過去の

ブログの写真を確かめた。右側のS字に曲がった木が目印。

こういう時は、ブログをやっていて、便利で良かったなと思う。

小沢を登るが直ぐ滝で詰まり、向かって右側の尾根に乗る。

予め知っていても、あの岩塔まで続くとは思えない細尾根。

初めて岩塔に寒谷北尾根から、下ったのは2014年の4月。

ハムは谷底から登るなど、想像だにしなかったが、ブログに

コメントを下さる長峰大好きさんが、その後の一年間、試登を

繰返され確定されたルート。我々はその跡を辿っているだけ。

前回は一応装備を揃えて臨んだが、何も使わず登れたので、

今回はシュリンゲの一本も持って来なかった。だが取り付い

てみると、記憶以上に急峻だった。2度目なのに緊張してる。

家族は軽快に登って行く。ハムは昨日の三国山行きが、応えて

いるのか、どうにも体が重い。撤退用にザイルは持って来るべ

きだったと呟いたら、「忘れないよう記録しておけ!」と言われる。

こんなに難しかったかと呟いたら、今度は「自分の方が日々

劣化しているんだぞ。」と言われる。それはその通り。2年前

より体力は落ちている。上の写真の小さい岩は浮いている。

ほとんど同じラインを登って行くが、上の写真の所だけは

左側のガリーに逃げた。前回は右側のリッジを登っている。

倒木や落石で状況も変わるので、多少の装備は必要だな。

ようやく傾斜が緩くなって来た。この尾根は見た目よりは、

岩がしっかりしているし、朽ちた木も比較的少なくて良い。

それでもホールドには、常に注意を払う必要があるだろう。

暗く急峻な岩場から、陽光が差し込むテラスに飛び出す。

岩尾根をグイグイと標高を稼ぐ、縦のスピード感が心地

良かった。岩塔の基部といえる所で、後はもう問題ない。

テラスには、錆びた架線用ワイヤーが放置されている。

正面に岩が立ちはだかるが、左から中段を渡り、右上の

松をホールドに抜ける。谷での緊張は解けて楽しく登る。

その上のノッペリした岩には、やっぱり手が出ず、左側

の松が生えたガリーを登る。そこを抜けると岩塔の頂部。

今日は晴れの予報だったのに、残念にも段々曇って来た。

岩塔の頂部は、二人が休憩するなら十分な広さがあるし、

展望も良いのだけど、今日は休まずに掬星台に向かおう。

岩塔から細い踏跡を辿って、寒谷北尾根上の道に抜け、

オテルド摩耶のジャグジー脇に、登り着いたのは14時。

どうにか、リュックサックマーケットには、間に合うだろう。