摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

苦楽園・剣谷の支谷を詰めてゴロゴロ岳へ

年が変わったからといって、お正月らしいことをする訳でもなく、

ダラダラと過ごしていた。流石に7日ともなれば外出したくなる。

天気予報が晴れマークだったので、何処かへ行こうかと考えた。

しかし交通費をかけずに行ける所は限られる。古いガイド本で

苦楽園尾根北側の谷道を知る。一応登山口の様子だけ読んで

家を出た。今日も苦楽園2番町の坂道を登っていく。無風快晴。

黒川古文化研究所の前を通り、苦楽園尾根の取りつきを左に

見て、右の道に入る。此処までは間違ってなかったと思うけど。

谷沿いに良い道があったので、そのまま進んで行く。家に帰り、

国土地理院のサイトで確かると、此処もこれで良かったはずだ。

目の前に大きなダムが見えた。最近に作られたもののようだ。

右岸寄りには、石が組まれて歩道のようになっている。どうも

大きなダムには吸い寄せられる。だが既に本谷を外れていた。

スリットダムなので、容易に通過できる。銘板はあるが、高くて

文字は読めなかった。今から思えば浅すぎる谷だが、こんなに

立派なダムがあるのだからと、剣谷本谷だと信じて歩いている。

ダムの上には既に水流はない。登山道があったはずと、踏跡を

探すが見当たらない。藪はそれほどに濃くないので登って行く。

大きな岩が転がる凹地となる。さすがにゴロゴロ岳という感じ。

登るにつれ斜度が上り、斜面より岩場の方が進み易かったり。

最後に、大きな岩の積み重なりを越えると、細い藪尾根に出た。

前方に高圧鉄塔が見えた。いったいどの辺りに出たのだろうか。

藪を掻き分け数十メートルも進むと、二九という数字のタイルが

埋め込まれて岩があった。登れば大阪方面の眺めが中々良い。

梅田から阿倍野にかけてのビル群が見える。やはりハルカスが、

一番目立っている。伊丹空港に離着陸する飛行機も見えていた。

北側に目を転じると、ガベノ城と思われる尾根が見えた。彼我

の間には、深く大きな谷がある。とすると登ってきたのは剣谷の

本流ではなかったのだ。ようやく気付く。すると我々は何処に?。

その答えもすぐに出た。二九の岩場から少し先で、苦楽園尾根

の一般道に合流した。つまり誤って南の支谷を登って来ていた。

道順で仕方なく、ゴロゴロ岳の頂上脇を通過。しかし寄る気も

起きない山頂というのもどうだろう。もし、韓国ならば市役所が

東側に展望台を立て、無理矢理そこを山頂にしてしまうだろう。

柿谷コースを下って行き、道標12から左手の巡視路に入る。

既に午後1時を過ぎている。この先の展望岩で昼食にしよう。

暖かな日差しの中で昼食を済ませ、再び柿谷コースに戻る。

柿谷コースには幾種類もの道標がある。多すぎると言っても

良いだろう。変わった道標もある。県道って何処のことなの?。

更に下って進入禁止の道標から、再び関電の巡視路に入る。

この道は、昨年の11月25日烏帽子岩から歩いてきた道。

巡視路と思えないほど良い道が、新神戸線四三鉄塔の手前で

二手に分かれる。四三鉄塔まで行かずに、此処を下ってみよう。

思ったとおり旧発電所の導水路に出た。これを北側に進もう。

導水路の蓋渠の上を歩いて行く。使われなくなって久しいだろ

うが、蓋は頑丈で割れた物等はない。周囲は落葉樹の大木が

多く、新緑や紅葉の季節には、さぞ美しい所だろうと思われる。

岩尾根に回り込む所には、桟道の如く水路が設置されている。

左手奥には芦有道路の芦屋ゲートが見える。足元は芦屋川。

導水路はまだ続くが、河原に下る道があった。此処を下ろう。

朽ちた道標が置いてある。今はハイキング道ではないのかな。

芦屋川を渡渉する。どう見たって右に渡る所だろうと思うが、

家族は左側へ渡って行った。下流の滝に興味をもったらしい。

此処はまだ芦有道路ではなく県道344号。6番カーブを渡る。

ガードレールに沿って踏跡があり、進むと弁天岩の上部に出る。

弁天岩の頂部には容易に登れるが、景色はそれほど良くない。

弁天岩から少し南に下ると、なまず岩がある。現地に来てみて

驚いたのは、二つの巨岩が地図で見るほど、離れていないこと。

この後、延々長い芦屋川トラバース道を歩いて、山手町に出た。




今日のBGM

When I am with you, there's no place I'd rather be