摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

増水した生田川源流を遡行し、新穂高に登る

7月25日の土曜日は、生田川の源流を遡行しようと決めていた。

先週の台風による大雨の影響も残っているだろうし、今週前半も

まとまった雨が降った。まだ水量が残っていれば、楽しめるだろう。

天気予報は晴れというが、朝方の空は暗かった。ケーブルの客も

海の日に比べると半分ぐらい。夏休みで遠出する人が多いのかも。

台風通過後一週間も経つのに、公式には桜谷道もシェール道も

通行止めである。平行する一般道を歩く人が少ないのは好都合。

桜谷出合まで下ってきた、ちょうど対岸から男性が渡って来たが、

バランス良く、飛び石伝いに靴底を濡らす程度。でも水量は多い。

岩の上で「どら焼き」1個の小休止。沢用の足拵えに替えて入渓。

すぐに白く泡立つ瀬が現れる。中々の迫力。左岸をへつって行く。

右手から徳川道沿いの支沢が、小滝となって流れ込む。本流は左。

ゲートロック下の釜が、巨大になっていた。水さえ澄んでいれば、

台高や大峰の谷の源流と変わらないスケール。なかなか良いぞ。

左岸をへつって登って行った家族が、上流を見て「怖い」と言う。

釜滝の上は川幅一杯のナメ。水量が多く流されそうと思ったのか。

ナメ床もそう長くは続かない。前方に白く泡立つ段差が見えてくる。

水量が少なければ、何ということのない段差も、迫力ある激流。

また釜があった。一般道を歩いているとすぐ隣を流れる生田川が、

こんなに短い間に、変化を見せているとは、全く気づかないだろう。

次の小滝は右岸を越えるが、リーチの短い家族には難しいようだ。

徳川道から分かれたシェール道が、生田川を渡渉する箇所へ来た。

渡渉点を過ぎると小堰堤がある。左岸を巻いて堰堤の上に出る。

堰堤を越えると、三枚岩の麓にあたる。三枚岩から押し出してきた

岩尾根の末端に生田川が突き辺って、流れが大きく屈曲する所だ。

三枚岩の麓を半円を描くように、北から東へ流れは曲がって行く。

途中には平凡なゴーロ帯もあるが、再び岩尾根の末端を回り込む。

出口に小滝をかけるミニゴルジェ。右岸を怖々とへつって行く。

小滝を越えると三枚岩の裾を脱し、以降は平凡なゴーロとなる。

転がる岩には、大雨で基礎の土砂が流され、不安定な物がある。

しばらく進むとシェール道の木橋が現れた。台風にも耐えたのか。

すぐにもう1本木橋が現れた所で、前方を大きな堰堤に遮られる。

シェール道に入って堰堤を越すと、堰堤上はポンドになっていた。

一般道は水没している。北へ大きく回り込めば濡れずに渡れる。

ハムは構わず、花崗岩の川砂の堆積地をジャブジャブ歩いていく。

しばらくは川底に砂が溜まっている。柔らかく着地した足が潜る。

やがて川砂が途切れ、ナメが現れてくる。ゴーロより歩きやすい。

隣にはシェール道が平行するが、ハイカーは少なく気にならない。

北から支流が入る二俣。家族が砂に足を取られ脛を打ってしまう。

痛みが引くまで、しばし休憩する。とても明るい所で気持ちが良い。

また木橋が現れた。シェール道が林道に出る手前。これ以降は

やや川床の岩が暗くなる。此処で遡行を打ち切るのも良いだろう。

ただ今日は、少し先で新穂高に登る。ところが左岸の小さな谷を

見逃して大分先まで進んで、また戻って来た。本当に小さな流れ。

此の先、生田川を詰めても、穂高湖の堰堤に突き当たるだけだ。

フェルトシューズをズック靴に履き替え、右岸の尾根に取り付く。

左岸の尾根の方が、ダイレクトに頂上に行き着くが、藪が濃い。

右岸の尾根は小笹が繁る中に、ごく薄い踏跡らしきが続いてる。

傾斜が緩やかになり、陽光を浴びるようになると、頂上は近い。

それにしても常時、水に浸かっていた膝から下の疲れがひどい。

生田川から20分足らずで、新穂高の頂上に到着。昼食にしよう。


(この記事の、右岸・左岸は上流からみたもの。その他は適当。)




今日のBGM

As long as we're together, there's no place I'd rather be