摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

暑さに負けて、老婆谷道を登る

7月11日の土曜日。天気予報では晴れだったのに、朝から曇り空。

それでも今年初めてセミの声を聞く。何処に行こうか思いつかない。

体力の衰え著しいので、トレーニングのつもりで行者尾根に向かう。

加藤文太郎氏は「なぜ山に登るのか」と聞かれて、「汗をかくため」と

答えたという。久しぶりに、汗をたっぷりかくほど、頑張ろうとは思って

いたのだが、いざ山に入るととても蒸し暑くて、休んでいても汗が出る。

ヘロヘロになって辿り着いたのが、行者尾根の乗り越し。老婆谷から

いつもより大きな瀬音が聞こえ気が変わる。尾根筋よりは涼しかろう。

老婆谷に入ると、気温が数度下がりひんやりする。谷水の多いせい

ではなく、金曜日までの降雨により、谷全体が湿っているからのよう。

数年前に比べると道筋がハッキリしている。歩く人が増えたのかな。

かつて老婆谷の道は、地蔵谷の源流部で作られた炭の搬出路で

あったろう。道幅の広さから牛馬も通行したかもしれない。中腹に

炭焼釜跡もある。ただし林相は炭焼き時代の名残を残していない。

老婆谷の道は右岸沿いにあるが、上部で左岸に移る。この渡渉点が、

従来は分かり難く、西側の尾根に逃げたり、右岸の急斜面を登る人が

多かった。だが、現在は何となく左岸に移るような、道筋が出来ている。

左岸に移った後も、道筋は比較的明瞭になっている。数年前には落葉が

深く積り、道を失いやすかったことに比べると大きな変化だ。ただ上部で

2か所ほど道が流れている所があり、強引に斜面を登るのは変わらない。

行者尾根を登るのに比べて、随分と早く楽に天狗道に出ることが出来た。

1枚目の写真で行者尾根の頭と、老婆谷源頭の位置を見れば明らかだ。

結局、大したトレーニングにもなってない。夏の間は何か他の事をしたい。