摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

桜谷の支流を遡行して、水道管理歩道へ

7月6日の日曜日。昨日の天気予報では、回復の方向に向かうはずだったが、

朝から、どんよりとした梅雨空である。さすがに2日も、家にはいられないので、

10時過ぎに家を出る。だが下から登る気がしないのは、天気のせいではない。

昨日も雨が降ったし、少しは水量に期待できるかと思い、桜谷の支流に行こう。

ケーブルとロープウェイを乗り継いで、掬星台へ向かう。梅雨どきだというのに、

やたら団体のハイカーが多いのはどうしてだろう、アジサイの季節だからかな。

掬星台からは桜谷を下って、右岸から支流の流れ込む所へ来た。この間には、

30名ばかりのハイカーとすれ違った。いづれもグループのハイカーであった。

天気が悪く、退屈な桜谷道を歩いて、摩耶山を嫌いになったりしないでほしい。

支流に入る。水量からは想像できないほど、河床の岩盤が発達した沢である。

実に短い沢なのだが、下部は小滝が連続し変化もある、源流の植生は美しい。

交通費をかけて、登りに来るような所ではないが、友の会パスなら悪くはない。

滑(ナメ)というほど平滑ではない。緩い小滝が連続している所を快適に登る。

先週の木曜日と土曜日に、まとまった雨が降ったので、まだ水量がある方だ。

晴天が続けば、岩を濡らすほどにしか水はないだろう。なるべく水心を歩こう。

方形の岩が組み合わさる立体パズルの様な滝。水も複雑に流れ落ちている。

階段状なので登るのは容易だが、時にはスッポリ抜ける岩もあるので注意。

両岸の尾根が低く日が差し込む所。苔が生えず、岩の色が此処だけ明るい。

次に現れるのが、この沢のハイライト。全長20米の滝とも見えなくないが、

斜度の緩い小滝の連続に過ぎない。藪も被さらずにスッキリ登って行けて、

沢登りの気分は味わえる。水量がもっと多ければと、残念に思うところだ。

上段まで階段状。最後の数メートルが、やや立ってくるが、ホールドは豊富。

なるべく水心を登って、ホールドを探したりするが、あっけなく抜けてしまう。

後は河床の岩盤が露出しているとはいえ、藪に囲まれた平流を登って行く。

ところで、今日も蜘蛛の巣を見ない。この沢に入るのは4度目だが初めてだ。

春に青虫が大量発生したので、蜘蛛が少ないとう仮説もまんざらでないかも。

沢を堰き止めるような大岩が現れる。この岩の上で周囲の植生が急に変わる。

大岩の上は、明るい落葉樹の林。この沢も一気に源流の雰囲気を呈してくる。

周囲の斜面の斜度も緩い。日が差していれば、鈴鹿山系の源流域を思いだす。

今日は小雨が降っていて暗く、その良さを感じられない。此処で遡行を終える。

このまま詰めれば、ドライブウェイに出るが、その手前が泥の斜面なのを嫌う。

右岸の斜面を少し登れば、下流側に向かう踏跡があった。これを下って行こう。

数十米で水道管理歩道に出る。とても広く立派な道で、廃道とは思えない。

小雨が降っていて、どうしようかと思ったが、此処まで来たらすぐ下にある

展望岩で食事にしよう。歩道が右斜面に曲がる所で、尾根を直進して行く。