摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

長峰山西面から大月台まで斜降する(前篇)

4月5日の土曜日は、杣谷から六甲線一三鉄塔への支尾根を登った。

天狗塚から西に向う顕著な尾根の支尾根である。下部に道はないが、

鉄塔から上には、関電の巡視路がある。ただし、急峻で疲れる道だ。

一三鉄塔下で焼酎を飲みながら、何処を通って帰ろうか考えていた。

天狗塚に登るのも面倒くさいな。適当に斜行してハチノス谷西尾根の

巡視路に出られないかな。険しい岩ケ谷も、源流部なら渡れるだろう。

鉄塔から巡視路に入り登って行くと、周囲は濃密なツツジの藪となる。

あと2週間で薄紫のミツバツツジの花が咲くはず。その頃にまた来よう。

一三鉄塔からの巡視路にも、途中にプラトーがあり、そこに大きな木が

立っている。何という木かは知らないが、なんだか好きな木でホッとする。

その背後には、天狗塚から杣谷峠へ向かう、アップダウンの激しい稜線。

プラトー部分では、まだ右手の斜面は急だ。少し登ると緩やかになる。

適当に南に向かって、斜面に入って行った。藪は薄くて歩けなくはない。

岩ケ谷の源流部は、この標高では浅い谷になり、通過に問題なかった。

ただ思ったより、ハチノス谷西尾根の巡視路は遠い。鉄塔から見えていた

稜線よりも、遥か南に巡視路はあるようだ。ところで、こんな所を歩くのに、

何の意味も無い。天狗塚手前の急登を歩くのが、嫌だっただけに過ぎない。

山頂を経由するより、疲れた様な気もするが、着いた所は予想より悪くない。

六甲線一二鉄塔の一段上、大岩のある尾根上の凹地。ここで少し欲が出た。

さらにハチノス谷東尾根へトラバースして、長峰墓地の桜見物をして帰ろうか。

凹地の少し上で谷へ下る。此処ではハチノス谷は二俣になっている。右俣が、

急であったが、其処を越えると、それほど歩かずに、東尾根の巡視路に出た。

巡視路を少し下ると、東側に天狗梁(テングハリ)が見えた。此処から見ても、

その全容は不明だ。東側の支尾根を少し下れば、よく見える所がないだろうか。

道端に荷物を置いて、戻ってくるから此処で待っているよう、家族に言ったが・・。

ハチノス谷東尾根から、細尾根を下って行くが、樹木が多くやはり見えない。

ようやく撮ったのが上の写真。天狗梁の全貌把握には、ほど遠い。そこへ、

家族がハムのザックを持って下って来てしまう。上手く伝わってなかったか。

このまま支尾根を下るのかと思ったらしい。まあ登り返すのも面倒だから、

下ってみよう。またもや安易な決断をしてしまう。さらに下っても天狗梁が、

良く見える場所はない。ところで此処を下って行くと日柳川に下り着くが・・。

もう谷底が見える頃になって、この沢にも滝が幾つかあることを思いだす。

戻ろうかとも思うが、やっぱり面倒くさい。結局、下り着いた所は上下流を、

滝に挟まれた平流だった。ズック靴で此の沢を下る気はしない。どうしよう。