摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

横尾山から禅昌寺経由で高取山へ

なぜか相性の悪い山というのがある。須磨区から長田区にかけての

横尾山や高取山がそうだ。何度か登ったが、どうも良い印象が無い。

それが魔が差したというのか、リュックサックマーケットが、高取山で

開催されるというので、行ってみようかという気になってしまったのだ。

須磨海浜公園駅までは灘駅から210円もする、三ノ宮駅まで歩いて、

近くの金券ショップで160円の券を買う。海浜公園駅横のスーパーで

昼食を仕込んで北に向かうと、自然と天上川に沿って歩くことになる。

高架下を抜けて、歩道を歩いていくと、左側に名水の森の入り口がある。

ここが横尾山への登山口となる。案内板もあるがろくに見ずに歩き出す。

谷に沿って登って行くと二俣に出会う。風化した花崗岩穿った流れは、

中々面白い地形となっている。出合にある岩の上から二俣を俯瞰できる。

お茶を飲み一休みしようと思ったら、蚊が多くて1分と座っていられない。

二俣を左に登って行くと、離宮の水源地という小池があり、特に蚊が多い。

蚊に追われるように登って行く。堰堤を越す所は急な斜面の細い道となり、

子供やお年寄りには安全と言えない。通行する人が少ないのもうなづける。

堰堤を巻き上がると、また二俣があった。この中間尾根に道がある。

正規のコースかは分からないが、蚊の攻撃から逃れたい一心で登る。

振り返れば伸びやかな谷筋の向こうに海が見え、よい景色なんだが。

尾根に出ても、蚊はまだ追ってくる。道は割りと良いが道標はない。

尾根の途中でハンガーノック状態になる。お菓子と冷茶で少し復活。

お腹も空いてフラフラになりながら、全山縦走路に、やっと辿り着く。

どうも昨日の藪こぎが、こたえているようだ。体力の無さを痛感する。

少し登れば横尾山山頂。南側が人工的に伐採されている。此処からは、

初めて神戸空港に、着陸する旅客機を見ることが出来た。神戸空港は、

西側からの方が見え易い。お腹が空いたので馬の背手前で昼食にする。

食事の後は、馬の背に下って行こう。須磨アルプスとも呼ばれているが、

真砂化した花崗岩は、到底、アルプスを想起させるような景観ではない。

むしろトルコのカッパドキアを思い出させる。人が多く通過に時間が掛る。

東山から振り返ってみれば、やはり岩山というより砂山という感じだ。

ところで、もう午後1時を過ぎている。午後3時まで開催のリュックに

間に合うのか。と言いつつも、ベンチを見る度、小休止して水を飲む。

東山から一段下った所のベンチでも休む。神戸空港が良く見えている。

ついに飲料水が無くなってしまう。晴天に恵まれて、よく乾燥している。

陽射しはきつく風もない。明らかに夏ではないが、渇水状態になった。

全山縦走路を分けた後、板宿八幡への途中に、禅昌寺の分岐点がある。

此処を左に入って、明るく伐採された疎林の中を、禅昌寺に向って下る。

実は今日の主目的は、高取山頂から南西に延びる岩尾根を登ること。

須磨海岸辺りからも、ハッキリと分かる露岩の尾根。今までには一度も

登ったことが無い。上の写真では白いが、実際にはやや赤黒い岩場だ。

とても急な禅昌寺への下り。降りた所が横断歩道。反対側にはバス停と、

自販機があった。日頃は自販機でジュースなどを買うことはないのだが、

背に腹は替えられず、500ccのペットボトルを2本も買ってしまう。反省。

東に進み妙法寺川の橋を渡り、左に曲がって北へしばらく歩いて行く。

ここが高取山南西稜(仮称)の入り口。庭先に小さな地蔵尊のある御宅が

目印となる。細いコンクリ道を登って行く。民家の庭先を通るようになるが、

上部には鉄塔があるので巡視路として、通行は確保されているのだろう。

目的の尾根に乗る。南向きで日に照らされて、明るく雰囲気の良い疎林。

疎林はすぐに岩場に代わる。馬の背と違い足元がしっかりし心地よい。

登りながら禅昌寺尾根と呼んでも、良いのではと思ったが、1本南側の

岩尾根が禅昌寺の本堂裏手に下っているようなので、そちらに譲ろう。

高取山南西稜(仮称)の下3分の1程が岩場で、残りは雑木林である。

もう足はパンパンだ。登って下って又登るというのは、けっこう堪える。

登った所が荒熊神社。東側の高取神社が、登山者を疎外するのに比べ、

境内各所に登山者ウェルカムなサインがある。三角点も此の上にあるし、

ハム的には荒熊神社の場所が、高取山の山頂で良いと思う。景色も良い。

市街地は見えないが、淡路島方面の眺めがすこぶる良い。大橋も見える。

この時点で2時40分。高取神社はもちろん素通りして、急いで下りに下る。

山頂からは、ずっと舗装路が続く。そんな所が嫌いになった理由だろうか。

昼でも街灯の点る暗い道を下って行くと、リュックサックマーケットが開催

されているという清水茶屋も分からず、午後3時に登山口に出てしまった。

分からなかったということは、もう終わっていたのだろう。だから相性が・・・。



高取山南西稜(仮称)の取り付きは、ヤマレコ「NyamiNyami」さん

の記事を参考とさせていただきました。ありがとうございました。