摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

谷上から三ツ下谷遡行

昨日(土曜日)は、晴れの予報だったのにもかかわらず、朝から曇り空。

回復を期待して午後まで待っていたら、土砂降りの雨となってしまった。

欲求不満気味で、行こうかと迷っていた、三ツ下谷へ向かうことにする。

どうして迷っていたかというと、谷上までは北神急行に乗らねばならない。

約7.5kmで350円の料金は、節約生活には相容れない。掬星台から、

石楠花山を越え登り返す事も考えたが、ハムの体力では時間的に無理。

だが最近ネット上で、明解な遡行記録を拝見し、行きたくなってしまう。

谷上は初めてだが、マクドコーナン谷上店に寄って買い物をしただけ。

山田道を歩き上の道標で右に入る。下から登って来て振り返ったところ。

廃道状態で笹薮を分ける所もあるが、かつては往来の多い道だったよう。

分岐に立派な石の道標がある。左 山道、右 再度山 神戸と彫られている。

だんだん晴れてきているのが救い。此処までは、ジメジメした嫌な道だった。

関電の標識もあるので、巡視路なのか橋がある。此の先、沢が屈曲して

渓相も悪くはないが、水はまだ濁っている。しばらくで左手の沢筋へ下る

小道がある。すぐに下水谷との分岐。2基の堰堤を乗り越す踏跡に入る。

この踏跡が随分高く上がって行く、そのまま尾根道になるかと思ったので、

左手の沢に下ってみるが、早すぎたようで堰堤上のポンドに出てしまった。

上流に向かうと踏跡が下りてきていた。下った所で沢用の足拵えに替える。

家を出るのも遅かったので、もう12時だ。マクドで買ったチキンクリスプ

100円を腹に入れる。入渓しゴーロを行くと川床の岩盤が露出してくる。

蜘蛛の巣が沢山張っている。枯れ枝で掃いながら行くが、わずらわしい。

4m下部がハングした滝。右手の木に下がった古い残置スリングに頼り登る。

家族は流れの右側を登って行くが、ハングを越えれば、流心にホールド多い。

V字状の谷筋が現れる。河床の岩盤が発達しいて、滝でもなく滑でもないが、

歩いていて楽しい所だった。先を行く家族は、前方に滝を見て茫然としている。

5mホールド細かくて難そうな滝だったが、中段にリングボルトが一本あり、

そこをA0で抜ければ、後は容易に登れた。ただ、腰から下はずぶ濡れだ。

次の7m滝が爽快だった。斜度は緩いしホールド大きい。頭からシャワーを

浴びながらグイグイ登って行ける。但し、落口がヌメッてホールド少なく緊張。

三ツ下谷のハイライト、3段20mの斜瀑に到着した。上の写真は二段目から。

斜度は緩く上段下までは、容易に登って行ける。上段も右手を巻くのは簡単。

どうやって登ろうかと考えていたら、家族が待ちきれず勝手に登って行く。

上段の最上部で詰まるんじゃないかと思いきや、すんなり落口へ出たよう。

仕方ないのでハムも続いて行く。上段下部の流心は滑り台の様なナメ。

落ちると下段まで止まりそうにない。最上部の斜度は緩いが緊張する。

家族はポリワラジ。ハムはフェルトシューズ。その違いが如実に出る所。

続いて10mの飛瀑。此処は手も足も出ない。右手斜面を小さく巻き上がる。

此の上で二俣となる。水量は右俣が多いが、左俣に入り炭が谷道へ向かう。

5m小滝。南面の脆い岩とは違い、この谷は概ね岩がしっかりしている。

裏六甲の沢は、水質の悪い所が多いが、この谷は堰堤を越えてからは

問題無いように思う。短い谷ではあるが、水量さえ多ければ楽しい沢だ。

ゴルジェ風の箇所を抜けると、水流も乏しくなって遡行終了点も近くなる。

さらに進むと、左手上の斜面に炭が谷道がある。ハイカーも歩いている。

スニーカーに履き替え、炭が谷道を歩いて行くと、石楠花山の尾根に出た。

此処からは、獺池・シェール道を経由して掬星台に向かう。先はまだ長い。


この山行は本庄氏のPDF資料を参考と致しました。ありがとうございます。