昨夜から降りだした雨は、朝になっても止む気配が無い。休息日にしたいが、
今日を逃すと、この山には登れないような気がした。観光案内所のお姉さんが、
教えてくれたのは、行き1本、帰り2本のバス。次回も運行してるとは限らない。
小雨降る中、市内バスは1時間半かけヤントンに到着。周回バスだったので、
運転手が教えてくれなければ、また市内に戻る所だ。年々バスは減っている。
歩いていくと、龍華山への道標があって右折する。これがどうもいけなかった。
矢印が示していたのは、自然休養林の公園施設。山頂からは大きく離れた場所。
そこまで行くと、帰りのバスに間に合いそうにない。山頂に近いコースを登りたい。
満員のオートキャンプ場を過ぎ、車道をかなり歩いた末に、やっと標識が現れた。
アンブに向かうが、登山道を含めた一帯が、電流の流れた有刺鉄線で囲んである。
どうやら私有地の持主が、登山者の通過を嫌っているようだ。道の無い沢筋を進む。
有刺鉄線のキレた所で、登山道に戻る。道は良いが、あまり人は歩いてないようだ。
登山道は緩やかな沢沿いに進む。河床の岩盤が露出し、所によっては滑床が続く。
この谷中で唯一見かけた道標。立派なもので、公的な登山道ではあるんだろうが、
時として道は、薄く消えそうになる。日曜日というのに、誰とも合わないのも珍しい。
まだ山頂まで2.5kmもある。標高から考えて、いかに緩やかな谷筋か分かるだろう。
前方に高さ20mほどの滝が現れた。一見登れそうにない。この谷中唯一の滝だ。
右手の側壁にロープが取り付けてある。直上した後、落ち口にトラバースするよう。
このコースのハイライトとでもいうべき、豪快で楽しい巻き道だ。高度感もある。
滝を過ぎれば、また緩やかな谷道。両岸の尾根が低くなった頃、左に上がる。
尾根筋に出ても、ガスっていて視界はない。湿気は多いが、雨は止んでいる。
尾根上にも登山道があった。細道だがこちらの方が登山者の往来は多そうだ。
頂上まで500米の標識。今まで緩やかだった分を取り返すように急坂が続く。
主稜線に出ると立派な道が付いている。山頂から下って来た団体登山者達は、
主稜線を縦走し、休養林の公園施設に向かって下って行く。メインルートだな。
自分の持っているガイドブックの略図では、どの道も同じように書かれている。
山頂まではツツジの咲く中、良い道が続いている。500米にしては遠いような。
龍華山頂は一方だけが開けた樹林の中。下生えのツツジがキレイに咲いている。
山名石碑の裏に座って、昼食休憩をする。その一時、登山者が途切れ静かだった。
食事を終る頃、また案内登山会の団体さんがやってくる。皆さん新品の登山服で
バッチリ決めている。着古した物を着ている人は皆無だ。最近は日本もそうかな。
山頂でゆっくりしていたら、ガスが晴れて来た。山頂の周囲はピンクのツツジ。
下りは西側の峠に出て、林道を下って行こう。2時半のバスに間に合うだろうか。
下って行くと、何とかバウイ(岩)への標識があったので、立ち寄ってみる。これは
壮観な岩場だ。此処まで展望がなかっただけに、素晴らしい景色に立ち去り難い。
東側へ向かう主稜線。肉眼では岩場に沢山の登山者が見えて、声も良く聞こえる。
西側の岩場も凄い。こちらが峠への下山道。峠までは900米と高を括っていたが、
これは楽しそうだ。バスの時間を気にして、元の登山道に戻りヤントンに向け下る。
先ほど、対岸から見ていた岩場の上まで下って来た。左手はスッパリ切れた岩の上。
此処からの風景が龍華山の紹介に使われることが多い。近景・遠景の岩と松が見事。
ピンクのツツジも道沿いに咲いている。松とツツジは、韓国でも混生するようだ。
岩の上のプラトーを過ぎると、太いロープを頼っての急な下山路が続く。岩続きだ。
峠に出るかと思いきや、いつの間にかヤントンへの下り道は、荒れた感じの広い道
になった。ガイドブックの略図から、自動車が通れる道だと思っていたが違っていた。
2時台のバスを逃すと、次は4時間後だ。間に合うかどうか怪しい所。とにかく急ぐ。
やっと舗装路まで出て来た。案内登山会のバスが駐車し、小さな椅子とテーブルを
並べて下山後の宴会の準備中。その脇を走って行く変な奴ら。バス停近くに駐車し
てたのは別の案内登山会のバスだった。我らの市内バスは、数分後にやって来た。
春川市の中央、仁城病院前から、8:00の37番バスに乗車。
終点のヤントン下車。ヤントン発 14:40 18:10 (2013年5月現在)