摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

龍華山(878m)・・・・・・・2013年5月19日・・・春川市

昨夜から降りだした雨は、朝になっても止む気配が無い。休息日にしたいが、

今日を逃すと、この山には登れないような気がした。観光案内所のお姉さんが、

教えてくれたのは、行き1本、帰り2本のバス。次回も運行してるとは限らない。

小雨降る中、市内バスは1時間半かけヤントンに到着。周回バスだったので、

運転手が教えてくれなければ、また市内に戻る所だ。年々バスは減っている。

歩いていくと、龍華山への道標があって右折する。これがどうもいけなかった。

矢印が示していたのは、自然休養林の公園施設。山頂からは大きく離れた場所。

そこまで行くと、帰りのバスに間に合いそうにない。山頂に近いコースを登りたい。

満員のオートキャンプ場を過ぎ、車道をかなり歩いた末に、やっと標識が現れた。

アンブに向かうが、登山道を含めた一帯が、電流の流れた有刺鉄線で囲んである。

どうやら私有地の持主が、登山者の通過を嫌っているようだ。道の無い沢筋を進む。

有刺鉄線のキレた所で、登山道に戻る。道は良いが、あまり人は歩いてないようだ。

登山道は緩やかな沢沿いに進む。河床の岩盤が露出し、所によっては滑床が続く。

この谷中で唯一見かけた道標。立派なもので、公的な登山道ではあるんだろうが、

時として道は、薄く消えそうになる。日曜日というのに、誰とも合わないのも珍しい。

まだ山頂まで2.5kmもある。標高から考えて、いかに緩やかな谷筋か分かるだろう。

前方に高さ20mほどの滝が現れた。一見登れそうにない。この谷中唯一の滝だ。

右手の側壁にロープが取り付けてある。直上した後、落ち口にトラバースするよう。

このコースのハイライトとでもいうべき、豪快で楽しい巻き道だ。高度感もある。

滝を過ぎれば、また緩やかな谷道。両岸の尾根が低くなった頃、左に上がる。

尾根筋に出ても、ガスっていて視界はない。湿気は多いが、雨は止んでいる。

尾根上にも登山道があった。細道だがこちらの方が登山者の往来は多そうだ。

頂上まで500米の標識。今まで緩やかだった分を取り返すように急坂が続く。

主稜線に出ると立派な道が付いている。山頂から下って来た団体登山者達は、

主稜線を縦走し、休養林の公園施設に向かって下って行く。メインルートだな。

自分の持っているガイドブックの略図では、どの道も同じように書かれている。

山頂まではツツジの咲く中、良い道が続いている。500米にしては遠いような。

龍華山頂は一方だけが開けた樹林の中。下生えのツツジがキレイに咲いている。

山名石碑の裏に座って、昼食休憩をする。その一時、登山者が途切れ静かだった。

食事を終る頃、また案内登山会の団体さんがやってくる。皆さん新品の登山服で

バッチリ決めている。着古した物を着ている人は皆無だ。最近は日本もそうかな。

山頂でゆっくりしていたら、ガスが晴れて来た。山頂の周囲はピンクのツツジ

下りは西側の峠に出て、林道を下って行こう。2時半のバスに間に合うだろうか。

下って行くと、何とかバウイ(岩)への標識があったので、立ち寄ってみる。これは

壮観な岩場だ。此処まで展望がなかっただけに、素晴らしい景色に立ち去り難い。

東側へ向かう主稜線。肉眼では岩場に沢山の登山者が見えて、声も良く聞こえる。

西側の岩場も凄い。こちらが峠への下山道。峠までは900米と高を括っていたが、

これは楽しそうだ。バスの時間を気にして、元の登山道に戻りヤントンに向け下る。

先ほど、対岸から見ていた岩場の上まで下って来た。左手はスッパリ切れた岩の上。

此処からの風景が龍華山の紹介に使われることが多い。近景・遠景の岩と松が見事。

ピンクのツツジも道沿いに咲いている。松とツツジは、韓国でも混生するようだ。

岩の上のプラトーを過ぎると、太いロープを頼っての急な下山路が続く。岩続きだ。

峠に出るかと思いきや、いつの間にかヤントンへの下り道は、荒れた感じの広い道

になった。ガイドブックの略図から、自動車が通れる道だと思っていたが違っていた。

2時台のバスを逃すと、次は4時間後だ。間に合うかどうか怪しい所。とにかく急ぐ。

やっと舗装路まで出て来た。案内登山会のバスが駐車し、小さな椅子とテーブルを

並べて下山後の宴会の準備中。その脇を走って行く変な奴ら。バス停近くに駐車し

てたのは別の案内登山会のバスだった。我らの市内バスは、数分後にやって来た。


春川市の中央、仁城病院前から、8:00の37番バスに乗車。

終点のヤントン下車。ヤントン発 14:40 18:10 (2013年5月現在)