摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

烏棲山(791m)前編・・・・・・2012年12月30日・・・忠清南道・保寧市

この日は暗いうちに、礼山駅からムグンファ号に乗車し、青所駅に向かった。

というのも、目的の青所駅には、3本に1本しか停まらず選択の余地が無い。

早朝だというのに、車内はソウルからの乗客で、7割りがたの席が埋まっている。

寒々とした車窓からの風景が、旅情を掻き立てる。移動している瞬間こそが旅だ。

到着した青所駅は風情のある小さな駅だった。期待した案内図などもない。

バス停も、この時間に開いている食堂もないので、駅からタクシーに乗車する。

この山に関しては、郡のホームページで知っただけで、交通も地図も不案内。

登山口までタクシーで7000Wだった。案内板があるので、どうにかなるだろう。

ここにはバス停は無いようで、電話で呼べと名刺をくれたが、電話は持ってない。

到着した登山口。20センチ程の新雪が積っている。案内板があって安心した。

これなら道標もあるだろう。後ろは案内所のようだが、朝早い為か空いてない。

正面に見える山が、烏棲山だろう。なだらかな山なので、なんとか登れるだろう。

人の手により、きれいに除雪された車道を歩いていく。何時から作業されたのか。

車道脇に標識があり山頂を指している。ちょうど反対側から、二人連れの登山者

が登って行かれた。トレースができた訳で、ありがたいような残念なような気持ち。

しばらく細い林道を辿って行くと、左手に山頂を示す標識が現れた。登って行こう。

支尾根を登って行く。雪は風で飛ばされて深くはない。とっても寒くただ登るだけ。

主稜線に出るまでの間が、とても辛かったのだが、景色の変化は無く、ただただ登る。

ようやく主稜線に出た。少し空も明るくなってきた。案内登山会の標識がタンパみたい。

陽射しが出てホッとする。風も段々治まってきたようだ。先の二人のトレースを追う。

木々は霧氷に覆われている。青い空をバックに見ると、それなりにキレイ。寒いけど。

開けた場所に出て来た。ようやく展望が開ける。空は青い。もう天気は大丈夫かな。

前方には、岩場があり越えていくようだ。単調な樹林歩きが続いたので、嬉しい変化。

たいした岩場ではなかっったが、乗り越す辺りでは、展望が大きく広がり気持ち良い。

二人の足跡があるだけで、とても静かだ。結局この山では一番感じの良い場所だった。

また霧氷の灌木帯に入り展望は無くなる。雪も少し深くなり歩き難いが、山頂は近い。

前方に通信施設が見えて来た。風景同定板があるだけで、まだ山頂ではないようだ。

ゆるやかな山稜をしばらく行くと、大きな山名碑のある山頂に到着した。風が強い。

なにか食べようかと思うが、とても寒くてじっとしていられない。とりあえず下ろう。