この日は暗いうちに、礼山駅からムグンファ号に乗車し、青所駅に向かった。
というのも、目的の青所駅には、3本に1本しか停まらず選択の余地が無い。
早朝だというのに、車内はソウルからの乗客で、7割りがたの席が埋まっている。
寒々とした車窓からの風景が、旅情を掻き立てる。移動している瞬間こそが旅だ。
到着した青所駅は風情のある小さな駅だった。期待した案内図などもない。
バス停も、この時間に開いている食堂もないので、駅からタクシーに乗車する。
この山に関しては、郡のホームページで知っただけで、交通も地図も不案内。
登山口までタクシーで7000Wだった。案内板があるので、どうにかなるだろう。
ここにはバス停は無いようで、電話で呼べと名刺をくれたが、電話は持ってない。
到着した登山口。20センチ程の新雪が積っている。案内板があって安心した。
これなら道標もあるだろう。後ろは案内所のようだが、朝早い為か空いてない。
正面に見える山が、烏棲山だろう。なだらかな山なので、なんとか登れるだろう。
人の手により、きれいに除雪された車道を歩いていく。何時から作業されたのか。
車道脇に標識があり山頂を指している。ちょうど反対側から、二人連れの登山者
が登って行かれた。トレースができた訳で、ありがたいような残念なような気持ち。
しばらく細い林道を辿って行くと、左手に山頂を示す標識が現れた。登って行こう。
支尾根を登って行く。雪は風で飛ばされて深くはない。とっても寒くただ登るだけ。
主稜線に出るまでの間が、とても辛かったのだが、景色の変化は無く、ただただ登る。
ようやく主稜線に出た。少し空も明るくなってきた。案内登山会の標識がタンパみたい。
陽射しが出てホッとする。風も段々治まってきたようだ。先の二人のトレースを追う。
木々は霧氷に覆われている。青い空をバックに見ると、それなりにキレイ。寒いけど。
開けた場所に出て来た。ようやく展望が開ける。空は青い。もう天気は大丈夫かな。
前方には、岩場があり越えていくようだ。単調な樹林歩きが続いたので、嬉しい変化。
たいした岩場ではなかっったが、乗り越す辺りでは、展望が大きく広がり気持ち良い。
二人の足跡があるだけで、とても静かだ。結局この山では一番感じの良い場所だった。
また霧氷の灌木帯に入り展望は無くなる。雪も少し深くなり歩き難いが、山頂は近い。
前方に通信施設が見えて来た。風景同定板があるだけで、まだ山頂ではないようだ。
ゆるやかな山稜をしばらく行くと、大きな山名碑のある山頂に到着した。風が強い。
なにか食べようかと思うが、とても寒くてじっとしていられない。とりあえず下ろう。