摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

烏棲山(791m)後編・・・・・・2012年12月30日・・・忠清南道・洪城郡

寒さにひたすら耐えながら、烏棲山の山頂までやって来た。山頂手前では風も

治まった箇所もあったが、さすがに山頂は吹きっさらしで、風が強く強烈に寒い。

何か食べようと思ったが、とにかく強烈に寒いので、即座に家族に却下される。

山頂にある案内図だが、今一つ要領を得ない。自分達が登って来たコースは

インコースではないような気もするし、下山路も何処へ下るのが良いのか?。

山頂からは北側に登山道が伸びている。それに沿ってススキも生えているよう。

ススキの名所という割には、広い草原ではない。空腹のまま下山に取りかかる。

少し下れば、風も治まり、寒さも和らいできた。だが食事休憩するほどではない。

山全体の樹木が霧氷に彩られている。穏やかな山容で、冬以外は少し退屈かも・・。

それほどスッキリ晴れてはいないが、上空の雲の動きも緩やかになって来た。

下って行くと、また山名碑が現れた。さっき山頂よりはかなり下っているし、

尾根上の小ピークでもない場所にある。それでも記念撮影してる人もいる。

山名碑の下には大きな展望台がある。何となく事情を推察できる気がする。

さっきの山頂と此処では、行政区分が異なるのだろう。登山者の誘致には、

少々低い場所にでも、山名碑と展望台を作って山頂だと言いたいんだろう。

どうみても向こうの方が高いが、この展望台と山名碑に満足して帰る人も

多いようだ。実際にこちらの方が、本当の山頂よりも、人が多いんだから。

少し下って振り返えって見る。洪城郡のサイトには、この辺りのススキの斜面の

写真が載っている。ススキ見物が目的ならば、此処らで折り返して良いのかも。

それはそうと、どっちへ下ろう。今回は地図はもちろん、ガイド本の略図もない。

道なりに下って行くと、気持ちよさそうな岩場が見えてきて、つい下って来たが、

その先に町は見えない。今朝歩いた林道に出るだろうが、その後はどうしよう。

今朝の登山口ではタクシーを呼ぶしかないが、電話も無いし韓国語も喋れない。

北側を見てみると、写真では分かり難いが、町と言えるぐらいの集落が見える。

そういえば、さっき北側へ下る道があったし、踏み跡も多かったのを思い出す。

もう一度、展望台が見える所まで登り返した。此処に三叉路があり北へ下る。

こちら側の方が、はるかに登山者は多いようで、雪も良く踏みしめられている。

ドンドン下って行くと、町が大きく見えて来た。まあ、あそこまで歩けばバスも

あるだろうし、それまでにタクシーも捉まえられるかもしれない。天気も良いし。

風も治まり、気温も上がったように思うが、雪はサラサラのままだ。ほとんど

展望のない道が続くが、一か所抜けた所があり、主稜線を振り返ってみる。

しっかりしたエビのシッポ。寒いには違いないが山頂のことを思うと暖かい。

トレイルを追って下って行くと、村に辿り着いた。後から調べると淡山里。

広い駐車場の一角にバス停があった。次のバスまで30分程あったので、

ラーメンを作ったりした。案内図を見ると、此処は洪城郡内であるようだ。

やって来たバスに乗ると、広川市外バスターミナルに到着した。バスで

移動できないかとも思ったが、このバスターミナルがすごく寒かったので、

ダイヤも確認せずに近くの鉄道駅へ走り、次の上り列車のチケットを買う。

広川駅から烏棲山を望む。存外に秀麗な山容だ。だが強烈に寒かった。