韓国旅行では、いつも一番登りたい山を初日に計画する。今回は、
ここ、主屹山(チュフルサン)を最初に登る。東ソウルを朝6時半発。
高速バスは、2時間で聞慶バスターミナル着。市内バスでセジェ公園。
門慶セジェ道立公園。 セジェとは険しい峠。慶尚道から都に向うには、
その昔、この峠を通らねばならず、1925年まで関所が設けてあった。
今は峠への道沿いが、歴史公園として整備されている。写真は博物館。
復元された嶺南の第1関門である主屹関。映画の撮影にも使われそう。
ちょうど聞慶伝統茶碗祭りが、開催中だったので、道に旗が立ててある。
城内では沢山のテントが建てられて、茶碗祭りの準備中だった。それに、
気をとられて、奥にある、KBSドラマロケ地(映画村)まで行ってしまった。
地図を確かめると、博物館より手前の道を登るつもりだった。仕方ない、
第1関門からの谷道を登ることにする。入口にアジョシがいて記帳する。
霧雨が降る沢沿いの道は、美しい自然林に囲まれ、緑に染まりそうだ。
ヨグン滝まで登って来た。両岸を岩に挟まれた細長い滝は風情があり、
一見の価値はあった。尾根コースを登りたかったが、谷もまた良しだ。
登山道は滝周辺の岩場を、大きく迂回し登って行く。新緑の木々が美しい。
滝上で道は沢に戻り、恵国寺まで小橋を渡ったりしながら沢沿いに進む。
恵国寺手前で、沢を離れ斜面を登って行く。二人の単独登山者に出会うが
いずれも西洋の方。一人は滝の前で座禅を組んでいた。一人と少し話す。
茶碗祭りに招かれた陶芸家らしい。日本の陶芸家も2名来ているそうだ。
尾根上に出ると桜の大木が多い。もう5月なのに満開だ。一月は遅い春。
向こうの斜面にも桜の木が点々と。右の木からは花びらが舞い散っていた。
道はまた尾根から山腹を行くようになる。沢沿いには黄色い花が群生してる。
主稜線に出る手前には、立派な水場もあった。水を飲んでしばし休憩する。
主稜線にでると、木製階段や木道が設置されている。頂上が近いのだろう。
道をはずれ右に稜線を越えると、山頂直下の大岩壁が目に飛び込んできた。
今まで穏やかな山容の山を登って来たつもりだったが、急転換に吃驚した。
写真が下手でスケールが出てない。実際には、この4倍は縦方向に大きい。
反対側にも、同じく険しい岩場が続く。その先には聞慶の町が見えている。
摩耶山のミツバツツジに似たツツジが、フワフワと花を咲かせている。
岩壁を望む展望所から、山頂へはひと登り。平行に下って行く三本の尾根。
わりとそっけない主屹山頂。ここまで出合ったのは4人(うち3人は西洋人)。
昼ご飯にする。今回の旅行では、国立公園に属さない山が多いので、コンロを
持って来た。火器使用禁止なら使わないが、そんな看板も無いので大丈夫かな。
ガスボンベはコンビニで2500W(200円)。やはりノグリのカップ麺が美味しい。
主屹山頂からは北に見える、主屹霊峰を目指す。霊峰のほうが20米ほど高い。
ツツジの花咲く穏やかな稜線を行くが、右の斜面は断崖でスッパリと切れている。
青く大きなスミレのような花が、道端に群落を作っていた。
ツツジの花はキレイだが、やや単調で眠たくなるような尾根筋が続く。
主屹霊峰(1106m)この山域の最高峰で、手持ちのガイドブックでは
主屹山頂とされているが、険しい山容や聞慶から見えることもあって、
やはり先ほどの1075mピークを、主屹山頂と呼ぶのが適当だと思う。