摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

主屹山(1075m)前編・・・・・・2012年5月3日・・・慶尚北道・聞慶市

韓国旅行では、いつも一番登りたい山を初日に計画する。今回は、

ここ、主屹山(チュフルサン)を最初に登る。東ソウルを朝6時半発。

高速バスは、2時間で聞慶バスターミナル着。市内バスでセジェ公園。

門慶セジェ道立公園。 セジェとは険しい峠。慶尚道から都に向うには、

その昔、この峠を通らねばならず、1925年まで関所が設けてあった。

今は峠への道沿いが、歴史公園として整備されている。写真は博物館。

復元された嶺南の第1関門である主屹関。映画の撮影にも使われそう。

ちょうど聞慶伝統茶碗祭りが、開催中だったので、道に旗が立ててある。

城内では沢山のテントが建てられて、茶碗祭りの準備中だった。それに、

気をとられて、奥にある、KBSドラマロケ地(映画村)まで行ってしまった。

地図を確かめると、博物館より手前の道を登るつもりだった。仕方ない、

第1関門からの谷道を登ることにする。入口にアジョシがいて記帳する。

霧雨が降る沢沿いの道は、美しい自然林に囲まれ、緑に染まりそうだ。

ヨグン滝まで登って来た。両岸を岩に挟まれた細長い滝は風情があり、

一見の価値はあった。尾根コースを登りたかったが、谷もまた良しだ。

登山道は滝周辺の岩場を、大きく迂回し登って行く。新緑の木々が美しい。

滝上で道は沢に戻り、恵国寺まで小橋を渡ったりしながら沢沿いに進む。

恵国寺手前で、沢を離れ斜面を登って行く。二人の単独登山者に出会うが

いずれも西洋の方。一人は滝の前で座禅を組んでいた。一人と少し話す。

茶碗祭りに招かれた陶芸家らしい。日本の陶芸家も2名来ているそうだ。

尾根上に出ると桜の大木が多い。もう5月なのに満開だ。一月は遅い春。

向こうの斜面にも桜の木が点々と。右の木からは花びらが舞い散っていた。

道はまた尾根から山腹を行くようになる。沢沿いには黄色い花が群生してる。

主稜線に出る手前には、立派な水場もあった。水を飲んでしばし休憩する。

主稜線にでると、木製階段や木道が設置されている。頂上が近いのだろう。

道をはずれ右に稜線を越えると、山頂直下の大岩壁が目に飛び込んできた。

今まで穏やかな山容の山を登って来たつもりだったが、急転換に吃驚した。

写真が下手でスケールが出てない。実際には、この4倍は縦方向に大きい。

反対側にも、同じく険しい岩場が続く。その先には聞慶の町が見えている。

摩耶山ミツバツツジに似たツツジが、フワフワと花を咲かせている。

岩壁を望む展望所から、山頂へはひと登り。平行に下って行く三本の尾根。

わりとそっけない主屹山頂。ここまで出合ったのは4人(うち3人は西洋人)。

昼ご飯にする。今回の旅行では、国立公園に属さない山が多いので、コンロを

持って来た。火器使用禁止なら使わないが、そんな看板も無いので大丈夫かな。

ガスボンベはコンビニで2500W(200円)。やはりノグリのカップ麺が美味しい。

主屹山頂からは北に見える、主屹霊峰を目指す。霊峰のほうが20米ほど高い。

ツツジの花咲く穏やかな稜線を行くが、右の斜面は断崖でスッパリと切れている。

青く大きなスミレのような花が、道端に群落を作っていた。

ツツジの花はキレイだが、やや単調で眠たくなるような尾根筋が続く。

主屹霊峰(1106m)この山域の最高峰で、手持ちのガイドブックでは

主屹山頂とされているが、険しい山容や聞慶から見えることもあって、

やはり先ほどの1075mピークを、主屹山頂と呼ぶのが適当だと思う。