摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

杣谷の木ノ袋谷出合から掬星台へ

摩耶山の東面は、険しい急斜面となって、杣谷に傾れ落ちている。

この東面には一本だけ道があり、かなり古い地図には破線がある。

ただ2箇所危険と言える場所を、通過しなければならないのが難点。

木ノ袋谷出合は、新緑の頃には美しい所だが、まだ冬の装いだ。

此処から西側の段丘を、下流に向かい、やや下り気味に歩いて、

植林帯辺りから斜上して行く。この辺りの踏跡は薄く分かり難い。

すぐ上に旧道跡があるが、崩壊箇所があるので出来たバイパス。

南側に、急なルンゼ状の地形が現れる。現在、細いトラロープがある。

まあロープに頼らずとも渡れるだろうが、上からの落石には注意したい。

この箇所の10米ばかり上に、旧道が通っているが、ルンゼが崩壊して、

周囲の岩も崩れやすく、かなり危険な状況だ。今だに道跡が明確なので、

引き込まれる人が多いようで、目印等も付いてるが、下の道を利用しよう。

ルンゼを渡ると、踏跡は南へ巻くように斜上する。この辺りには道沿いに、

古い電線が残っている。尾根に乗れば、松葉の積もった急な岩の斜面だ。

写真だと、ハッキリしないようにみえているが、実際は明確な踏跡がある。

西に向って上るので、午後からは日陰となるが、それほど暗さは感じない。

逆に、西日を浴びた長峰山や木の袋尾根が見えて、明るく感じるぐらいだ。

中腹の岩場手前には、架線場跡や飯場跡の平地がある。昼ごはんにしよう。

此の尾根の中腹部は、鎧のような岩場がある。樹林帯で遠くから見えないが、

かなりの範囲に渡って、岩場となっていて、通過できそうなのは、一ヶ所のみ。

岩場の側面から回り込み、リッジに出る。此の下がスッパリと切れ落ちている。

写真は側面から写したもの。登るのは右側のリッジ。ところがリッジに出ると、

そこは浅いルンゼになっており、薄く積もった落ち葉や土の上を、登って行く。

滑落すれば大事故になると思うが、家族は「全然、大したことない。」って言う。

ルンゼを登りきった所の岩場。登攀能力は人それぞれ、安易なことは言えない。

この岩場は別として尾根上には、おおむね明確な道がある。左右にある寒谷と

木の袋谷の砂防ダム11基。その建設時は作業路として、使われていただろう。

さらに登ると、大岩の積み重なった緩やかな細尾根となる。明るく展望も良い。

此の辺りで、ワインが効いてきて足取りが遅くなる。家族はドンドン先に進む。

歩きやすくて、シッカリした道で、高度がグイグイ上がるので、楽しいようだ。

長峰山から杣谷峠への主稜線と、ほぼ同じ高さまで登って来た。それにしても、

ずいぶん平坦に見えていて驚く。いつもアップダウンがきついって思うんだけど。

さらに登ると、掬星台が見える場所に出てきた。此の辺りで尾根を乗り越し、

トラバースする踏跡を辿る方が良いだろう。家族がそのまま先行してしまう。

後ろから止める暇もなく、オテル・ド・マヤのジャグジーまで、登ってしまった。

一段下をトラバースする踏跡を辿り、子供の丘の遊具のある所へ出て終了。

(2012年4月15日)