摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

掬星台から行く大池地獄谷(後編)・・・・・・地獄谷遡行

8月13日の土曜日。昼食後、地下足袋とポリわらじに履き替えて、

遡行を開始。今日は掬星台で、夕食の予定なので、ゆっくり行こう。

滑のよく発達した谷だ。断続的に滑床が現れる。なるべく流芯を歩く。

蜘蛛の巣が沢山あって煩いが、沢身を歩いている限りは、結構涼しい。

澱んだ所には、泥が薄く積もっている。苔で滑るのではなく泥で滑る。

5mの斜爆。上部の滑を断ち切るように、水晶山第四堰堤が聳え立つ。

右側を直登するが、左側には一般道がついている。ただ、異様に臭い。

堰堤から流れ出る水が臭いのだろう。一般道を使い堰堤の上に出ると

上流は泥沼だ。稜線付近の別荘等の汚水が流れ込み腐っているのか。

それでも、この2番目の堰堤(水晶山第四堰堤)の100mも上流に

行けば、大きな岩が転がる明るい渓相となり、臭いも全くしなくなる。

ここからは泥の堆積も若干少なくなるようで、下流部よりは少しまし。

6mの滝。滝よりも左側の岩壁が立派。ここは滝身の右側を登る。

ホールドは多く難しくはないが、やや外傾していてスリップに注意。

二股を分けると、廊下状に入る。出口には4mの滝が立塞がっている。

滝壺の右手は壁なので、左手から回り込み流芯を横断して右側を登る。

階段状で登りやすいのだが、頭から水を浴びシャワークライムとなる。

盛夏だけに、しばし汚水のことは忘れて、無邪気に滝登りを楽しんだ。

この後も、滑床が次々と現れる。地獄谷の良さは、この滑の多さだろう。

三番目の堰堤が現れる。右手を登って一般道で巻く。堰堤上部は二股となり、

右側の小沢を遡行してみたが、流れは細くて、すぐに小堰堤に突き当たった。

左側の笹薮をしばらく登って、一般道に戻る。そこから数分で駐車場に出た。

結局、コースタイム2時間のところ3時間掛けて遡行終了。まあ涼しかった。

ただ、次回遡行するなら、2番目と3番目の堰堤の間だけで十分だと思う。

それに、もう少し水量の多いときに、遡行したほうが清涼感があるだろう。

(左右は上流に向かって。滝の高さは、白山書房「関西周辺の谷」より。)