この日、今年最初のリュックサックマーケット。
なのに、家を出たのは10時半を過ぎていた。
雷声寺へは回らず、東山尾根を登れば早いか。
東山尾根の取り付きまで来て、ふと思い出した。
先日、アンテナのあるピークから下った時に、
この谷の源頭付近の笹藪が、刈られていたな。
山仕事用の切り開きがあって、歩きやすいかも。
まずは、目の前の堰堤を越えなくてはならない。
白い橋を渡り、西側の尾根への巡視路を登って、
稜線の手前で、右手上流方向に薄い踏跡がある。
山仕事用のピンクテープが点々と取付けてあった。
砂土の細い踏跡が続く。枯葉が積もり滑りやすい。
ピンクテープは続いているので、山仕事の人達は、
ここを通っているんだろう。急斜面だけに緊張する。
河床に下り、しばらく登ると、またもや堰堤が現れる。
下に兵庫県の看板があり、「中尾東谷北堰堤」とある。
ならば最初に越えたダムは、「中尾東谷南堰堤」かな。
神戸市の防災地図に、中尾川東谷と書いてあったが、
長すぎるな。これ以降は、中尾東谷と呼ぶことにする。
中尾東谷北堰堤は左手の階段状を、容易に乗り越せた。
上は疎林に囲まれた、堆積物の広い河原となっている。
工事関係のゴミが散乱しているが、南向きだけに明るい。
だが谷は、この奥で東へ屈曲していて、様相が急変する。
本谷は90度近く東へ曲がり、30米程の斜瀑が現れる。
階段状で斜度は、それほどでも無いので、谷芯を登る。
落葉が積もって滑りやすいし、ホールドが分かりにくい。
(左手に支谷があり、そちらから高巻くこともできるかも。)
なんとか登って行くが、上部では斜度が増し、ホールドも
乏しくなった。落葉の下の土砂を押さえつけるようにして、
身体をずり上げる。斜度は緩いが、さすがに高度感もある。
濡れた流芯を左上しようとして、危うくスリップしかけた。
沢登りの用意もせずに、安易に取り付いた事を後悔する。
斜瀑の上は、穏やかな谷相に戻る。後の下流方向の写真。
ピンクの標識は、斜瀑の上で左手の細尾根を上って行った。
蝉山尾根に至るのだろうが、かまわず本谷を詰めて行こう。
河床の岩盤が、露出したところもある。藪も無く歩きやすい。
周囲は疎林で、摩耶山南側の谷にしては、雰囲気も悪くない。
次に現れた扇状5米滝。階段状で登りやすいが、浮石が多い。
ホールドを確保しようと、石を落としたところ、真横に跳ねて、
離れていた家族にぶつかりそうになった。不注意であり反省。
扇状5米滝の上で、小さな石垣の堰堤を越えると源流の雰囲気。
といえば聞こえが良いが、ただの笹薮帯。潅木も多く歩きにくい。
登り着いたのは、雷声寺から旧摩耶道への途中。公設標識の所。
笹が刈ってあるのは、標識の周囲だけで、すぐ下では藪のままだ。
判ってはいたのだが、標高はほとんど稼いでいなく、ガッカリする。
その割りには手強く時間もかかり、この時すでに正午過ぎだった。