摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

中尾東谷遡行・・・・・・2010年3月19日

この日、今年最初のリュックサックマーケット。

なのに、家を出たのは10時半を過ぎていた。

雷声寺へは回らず、東山尾根を登れば早いか。

東山尾根の取り付きまで来て、ふと思い出した。

先日、アンテナのあるピークから下った時に、

この谷の源頭付近の笹藪が、刈られていたな。

山仕事用の切り開きがあって、歩きやすいかも。

まずは、目の前の堰堤を越えなくてはならない。

白い橋を渡り、西側の尾根への巡視路を登って、

稜線の手前で、右手上流方向に薄い踏跡がある。

山仕事用のピンクテープが点々と取付けてあった。

砂土の細い踏跡が続く。枯葉が積もり滑りやすい。

ピンクテープは続いているので、山仕事の人達は、

ここを通っているんだろう。急斜面だけに緊張する。

河床に下り、しばらく登ると、またもや堰堤が現れる。

下に兵庫県の看板があり、「中尾東谷北堰堤」とある。

ならば最初に越えたダムは、「中尾東谷南堰堤」かな。

神戸市の防災地図に、中尾川東谷と書いてあったが、

長すぎるな。これ以降は、中尾東谷と呼ぶことにする。

中尾東谷北堰堤は左手の階段状を、容易に乗り越せた。

上は疎林に囲まれた、堆積物の広い河原となっている。

工事関係のゴミが散乱しているが、南向きだけに明るい。

だが谷は、この奥で東へ屈曲していて、様相が急変する。

本谷は90度近く東へ曲がり、30米程の斜瀑が現れる。

階段状で斜度は、それほどでも無いので、谷芯を登る。

落葉が積もって滑りやすいし、ホールドが分かりにくい。

(左手に支谷があり、そちらから高巻くこともできるかも。)

なんとか登って行くが、上部では斜度が増し、ホールドも

乏しくなった。落葉の下の土砂を押さえつけるようにして、

身体をずり上げる。斜度は緩いが、さすがに高度感もある。

濡れた流芯を左上しようとして、危うくスリップしかけた。

沢登りの用意もせずに、安易に取り付いた事を後悔する。

斜瀑の上は、穏やかな谷相に戻る。後の下流方向の写真。

ピンクの標識は、斜瀑の上で左手の細尾根を上って行った。

蝉山尾根に至るのだろうが、かまわず本谷を詰めて行こう。

河床の岩盤が、露出したところもある。藪も無く歩きやすい。

周囲は疎林で、摩耶山南側の谷にしては、雰囲気も悪くない。

次に現れた扇状5米滝。階段状で登りやすいが、浮石が多い。

ホールドを確保しようと、石を落としたところ、真横に跳ねて、

離れていた家族にぶつかりそうになった。不注意であり反省。

扇状5米滝の上で、小さな石垣の堰堤を越えると源流の雰囲気。

といえば聞こえが良いが、ただの笹薮帯。潅木も多く歩きにくい。

登り着いたのは、雷声寺から旧摩耶道への途中。公設標識の所。

笹が刈ってあるのは、標識の周囲だけで、すぐ下では藪のままだ。

判ってはいたのだが、標高はほとんど稼いでいなく、ガッカリする。

その割りには手強く時間もかかり、この時すでに正午過ぎだった。