摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

雪岳山・中青待避所・・・・・・束草市・・・2010年9月29日

喜雲閣待避所前の沢を渡ると、木製・鉄製階段・石段が連続する急登となる。

約一時間単調な登りを何とかこなし、小青峰の分岐から中小青峰を回り込むと、

ようやく、おおらかな大青峰山頂と、外観は瀟洒な中青待避所が見えてきた。

中青待避所は予約が必要なので、出発前、韓国国立公園の英語サイトから、

事前に予約を試みるも、旅行期間中は全て満員という状態だった。

そこで、宿泊できなかったら、暗くなっても五色温泉に下るという計画だ。

午後2時ごろ到着し、職員の方に泊まりたいと言ったところ、少し考えて、

日本人であること、2名であることを確認され、4時に受付に来るように言われた。

その後、受付前で様子を見ていると、韓国人3人組が予約が無いことで、

しばらく押し問答していたが、断られているようだった。

この日は、荷揚用のヘリが何度も行き来していた。

大青峰山頂までは、小屋から約20分。風が強くとても寒い。

私達は、予約客の受付が一段落したところで、先の職員さんの口利きで

チェックインすることが出来た。平日ながら山小屋内はやはりほぼ満員。

宿泊客に日本語の出来る方がいて、この小屋について尋ねてみると、

「韓国人は予約無いと泊まれません。その上、一年中、予約は難しいです。」

ただ、この日、予約の無い人が泊まれなかったかというとそうでもない。

午後6時半頃に放送があって、先の人に訳してもらうと、

「予約の無い人は、今から受け付けます。」という放送だったよう。

しかし、この時、既に日は落ちて、外は真っ暗。それまで待つのもなあ。

小屋から西側の山々。重畳と柔らかな山容が続く。こんな景色が好きだな。

待避所という名前があらわすとおり、小屋内部は大部屋で蚕棚の2段ベット。

食堂とか談話室とかの、いわゆる共用部分は一切無くて、飲食も出来ない。

炊事は、外のベンチか別棟の炊事小屋ですることになる。この日は風が強くて、

生ゴミの匂い漂う、狭い炊事小屋で飲食したが、ここにはイスがない。

ステンレスのテーブルで、煮炊きするのも食事するのも、立ったままである。

目的地が五色温泉なら、その日のうちに降りて、温泉宿に泊まったほうが良いかな。

北側は国境を越えて、金剛山だろうか、険しい山並みが望まれる。

翌日は天気さえ悪くなければ、せっかく山上に宿泊できたのだから、

五色温泉に下るのは止めて、恐竜稜線を経由し、雪岳洞に下山しよう決めた。