喜雲閣待避所前の沢を渡ると、木製・鉄製階段・石段が連続する急登となる。
約一時間単調な登りを何とかこなし、小青峰の分岐から中小青峰を回り込むと、
ようやく、おおらかな大青峰山頂と、外観は瀟洒な中青待避所が見えてきた。
中青待避所は予約が必要なので、出発前、韓国国立公園の英語サイトから、
事前に予約を試みるも、旅行期間中は全て満員という状態だった。
そこで、宿泊できなかったら、暗くなっても五色温泉に下るという計画だ。
午後2時ごろ到着し、職員の方に泊まりたいと言ったところ、少し考えて、
日本人であること、2名であることを確認され、4時に受付に来るように言われた。
その後、受付前で様子を見ていると、韓国人3人組が予約が無いことで、
しばらく押し問答していたが、断られているようだった。
この日は、荷揚用のヘリが何度も行き来していた。
大青峰山頂までは、小屋から約20分。風が強くとても寒い。
私達は、予約客の受付が一段落したところで、先の職員さんの口利きで
チェックインすることが出来た。平日ながら山小屋内はやはりほぼ満員。
宿泊客に日本語の出来る方がいて、この小屋について尋ねてみると、
「韓国人は予約無いと泊まれません。その上、一年中、予約は難しいです。」
ただ、この日、予約の無い人が泊まれなかったかというとそうでもない。
午後6時半頃に放送があって、先の人に訳してもらうと、
「予約の無い人は、今から受け付けます。」という放送だったよう。
しかし、この時、既に日は落ちて、外は真っ暗。それまで待つのもなあ。
小屋から西側の山々。重畳と柔らかな山容が続く。こんな景色が好きだな。
待避所という名前があらわすとおり、小屋内部は大部屋で蚕棚の2段ベット。
食堂とか談話室とかの、いわゆる共用部分は一切無くて、飲食も出来ない。
炊事は、外のベンチか別棟の炊事小屋ですることになる。この日は風が強くて、
生ゴミの匂い漂う、狭い炊事小屋で飲食したが、ここにはイスがない。
ステンレスのテーブルで、煮炊きするのも食事するのも、立ったままである。
目的地が五色温泉なら、その日のうちに降りて、温泉宿に泊まったほうが良いかな。
北側は国境を越えて、金剛山だろうか、険しい山並みが望まれる。
翌日は天気さえ悪くなければ、せっかく山上に宿泊できたのだから、
五色温泉に下るのは止めて、恐竜稜線を経由し、雪岳洞に下山しよう決めた。