摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

北野谷東尾根・・・・・(忘れ去られた道)

韓国から帰ってきて、温かいと思ったのも一日だけ。土曜は寒く、

家で引き篭もっていた。日曜の今日は、風もなく陽が差している。

それでも、午前中は出る気がせず、正午を過ぎてから城山に向う。

生田川公園のヒマラヤ桜が、まだ咲いていた。花期の長い桜だな。

以前に北野谷東尾根の取りつきを、北野道の途中、550m標識の

西側と書いたことがあるのだが、やや事実と異なるので訂正したい。

急峻な北野谷は下部で大きく東へ曲がり、ハーブ園のロープウェイ

駅舎前へ流れ落ちる。つまり駅舎対岸が、北野谷東尾根の末端だ。

この尾根にも下部と、北野道が横切る上部には道跡があるのだが、

中段に土砂崩れ防止の工事がなされて以来、通行が困難になった。

その代替に付けられたであろう尾根の西側の凹地の階段道を登る。

階段道を登りきると、北野道の東側が工事の為通行止めとなっている。

西側へ九十九に北野道を登って行くと、ベンチのある場所に出る。

此処が、ロープウェイが出来る以前の、北野谷東尾根の取り付き。

左手の看板の裏辺りには、はっきりとした道跡が、今も残っている。

その道跡は、すぐ上にロープウェイの支柱がありフェンスに遮られる。

そこで、少し西側から獣道を辿って、フェンスを迂回して尾根に乗る。

電源ケーブルに沿って急な尾根に登ると、斜度が緩み広い尾根に出る。

左手に北野道へ下って行く踏跡もあるが、最近は歩く人もいないようだ。

さらに登るとケーブルは谷へ下って行くが、そのまま尾根上を登って行く。

10年ほど前までは、この道を歩く人も多く、道跡がハッキリしていたのだが、

笹が繁り始めている。今は、前方に見える南へ下る支尾根を歩く人が多い。

支尾根との分岐を見下ろす。最初の頃は、崩落地の様にしか見えなかったが、

今は歩く人が増えて、道となっている。下って来た人は迷わず直進するだろう。

此処から上は、踏跡もさらにハッキリしている。以前、雑誌に紹介された為に、

歩く人が急激に増えたことがあって、それ以来、藪を分けることも無くなった。

全体的には、砂礫の急峻な尾根であり、落葉が貯まっている季節は滑りやすい。

何となく登って行くと、城山の東屋に到着。年々道が良くなっているようだ。

城山の稜線を辿り、堂徳山の分岐までやって来た。左へ下れば市章山へ行ける。

直進すれば、北野町西公園へ下れるのに、標識は相変わらず行き止まりで残念。

標識から直進すると、すぐに堂徳山の三角点。それからしばらくは関電巡視路。

以前から鉄塔までは良い道だったが、その後は下るにつれ藪が濃かったものだ。

それが一昨年に伐採事業が行われ、登山道もそれなりに整備され歩き易くなった。

冬枯れの今の季節には、三宮の市街が望めるが、普段は枝葉に遮られて見えない。

よく見ると、オリエンタルホテル横の埠頭に、豪華客船が停泊している。

伐採事業がされてから、藪を分けることは無くなった。ただ通る人が少なくて、

尾根の下部では落葉が降り積もって、少なからず道筋が分かり難くなっている。

最下部では、西側にトラバースして谷道へ出る。ここも通りやすくなった。

谷道へ下れば、すぐに北野町西公園に出る。東に行けば北野の異人館街に至る。