乗鶴山(スンハクサン)は、釜山市役所のサイトで知った。
秀麗な山容の写真を見て、以前から登りたいと思っていた。
が、登山路の様子が分からない。昨夜、西面の本屋さんで、
市内地図を見て、地下鉄・堂里(タンリ)駅近くの正覚寺が、
乗鶴山頂への、最短コースの登山口だと、目星をつけた。
午後4時の飛行機で帰国するので、午前中がタイムリミット。
堂里駅でタクシーを止めるが、「分からない」と言われる。
1番出口から北へ5分も歩くと、左手の山腹に寺が見える。
アパート内の急坂を上り、松林の中の歩道を辿って行くと、
これが幼稚園を併設した、正覚寺(チョンガクサ)だった。
正覚寺からは、北へ浅い谷沿いの道を登っていく。
谷の奥で、谷を渡って左の尾根へゆるやかに登る道と、
右手の斜面を登る道に分かれる。右へ登るが、この道は、
どうも正規のルートではないようだ。良く踏まれいて、
歩きやすい道だが、公的に整備されている様子がない。
荒々しい砕石の道。直線的に山頂に向かっていく。
潅木が茂って、山頂直下までは、展望の無い道だ。
山頂近くになって、展望が開ける。足元には、正覚寺。
西側にはススキの尾根が見える。正規のコースだろう。
乗鶴山(スンハクサン)の山頂は、360度の大展望。
洛東江(ナクトンガン)の広大な河口風景。
東側の南浦洞は、山影に隠れて見えないだろうか。
東の九徳山への稜線は、ススキの原がひろがっている。
だが、九徳山頂にはレーダー施設があり、林道が縦横に
走っていて花村まで、縦走する気持ちは失せてしまった。
乗鶴山の名は、山容が峻厳で勢いあり鶴が飛ぶようと、
名付けられたと聞くが、ハム的には山頂からの展望が、
空を飛ぶ鶴に乗って、下界を眺めるようだからかと思う。
山頂に一人佇むアジョシも、そんな気分じゃないのかな。
素晴らしい展望にゆっくりしたいのは山々だが、なにせ寒い。
北斜面の凍った雪面を、吹き上げてくる風は、いっそう冷たい。
下山は、西側の正規のコースを、正覚寺に向けて下ろう。
道を間違えたとはいえ、直登コースと展望尾根コース。
上り下り違うコースを歩けて、結果オーライという感じ。
黄色い旗は、サンプルチュイ(山火事注意)。
監視小屋もあり。消火用具が積んである。
正覚寺(チョンガクサ)に戻る。登山路案内図があった。
帰ってから調べると、一駅西の下端駅9番出口から出て、
建国中学の西側に、展望尾根へ取りつく道があるようだ。