この日の宿舎は、大和ハウス工業のリゾートホテルをフランス資本が
買い取ったもので、部屋は古いが大浴場もある。今年4月に開業した
ばかりで価格設定も抑えられているし、朝食内容もお値段以上だった。
バイキング形式の朝食でスパークリングワインも頂ける。自ずと満腹。
この円安状況でいつまで続くかと思うサービスぶり。仏資本というと
カルフールの撤退が思い起こされる。まあ客が心配する事でもないが。
そのまま帰っても良いのだが、腹ごなしに近くの畝傍山を歩いてみる。
昨日見た大和三山の動画によると、どうも眺望には恵まれないようだ。
初めて訪れる橿原神宮の参拝を主として、あまり期待しないでおこう。
第一第二鳥居をくぐってまずは深田池へ寄ってみる。約5万平方米の
大きな池。ちなみに橿原神宮の神域は53万平方米あるとか。境内は
参拝客の姿は少なかったが、池の周りは写生旅行の中学生でいっぱい。
橿原神宮については全く知識が無かったので、その立派さには驚いた。
神武天皇の皇居跡(推定地)にあるというので、さぞ歴史ある大社と
思ったらそうでもない。創建は明治23年というから134年前の事。
そう意味で観光の対象となってないのか。そういえば授与所は小規模。
それでも戦前の参拝者は相当に多かったはずで、近鉄の駅が三方向に
あるのもその為だろう。参拝を済ませた後は北神門から北参道に入る。
しばらくで参道脇に畝傍山登山口の道標が現れた。特筆すべき植生は
ないようだが森は清浄に保たれている。当然に良い道が続いているが
甘樫丘のように舗装されていないのが好ましい。食べ過ぎで体が重い。
緩やかな一本道が斜面を巻いて行く。こういう道を歩く度に開聞岳を
思い出してしまう。此の道は一周する訳ではなく半周ぐらいで頂上に
着いてしまうようだ。新緑は美しいが眺望はほとんど得られないまま。
登山口から30分で頂上に到着。頂上は小広い平坦地。私製ベンチが
そこかしこに置かれており、少々雑然としている。数名のハイカーが
楽しくお食事中だったし、その後もチラホラ上って来られる方がいる。
山頂の回ってみるが展望が得られるのは西側のみで、それもごく狭い。
手前は葛城山。ロープウェイの架線が麓から一直線に架けられている。
その背後に金剛山。どちらも遠い昔に歩いているが良い思い出はない。
水だけ飲んで下山にかかる。東向きの道を降りて行くが結構ワイルド。
露岩が滑り易い急な道。そういえば古くは畝火山と云うだった死火山
なんだそう。途中から北参道に下る道と分れ藪っぽい道を東北に下る。
地理院地図にも破線がない道だったが、お年寄り二人が上って来られ
たので何処かに行き着くだろう。広い道に下り着くが北参道に向かう
よう。それを嫌って東に向かう踏跡を拾うと神武天皇陵の入口に出た。
そこから400mも東に進めば近鉄の畝傍御陵前駅。この光景を見て
家族が「駅が閉まってる」と呟いた。確かに廃駅に見えなくもないが
一日の乗降客は4500人。西大寺駅で尼崎行き普通に乗り帰宅する。
今日のBGM