摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

寒谷北尾根を下降し、寒谷第2ルンゼ(仮称)を登る

先週のこと、木の袋尾根の展望岩から、寒谷南尾根を眺めていたら、

登った事のある急峻なルンゼが見え、その上流にも険しい谷がある。

便宜上、登ったガレを第1ルンゼ、その上流の谷を第2ルンゼとする。

第2ルンゼは、第1ルンゼに比べれば傾斜は緩いが、谷が深いので、

水流がありそうだし、越せない滝もあるかもしれない、とか考えていた。

快晴の4月25日の土曜日。他に行くところも思いつかなかったので、

行ってみよう。ズック靴にシュリンゲ3本とメット。水流や滝があれば、

尾根筋に逃げるか、第1ルンゼに戻れば良い。まあ偵察のつもりだ。

岩の丘へ登る道の途中から、西側の踏跡に入りジャグジー脇を通って

寒谷北尾根の道に入る。長峰山や大阪方面の眺めが良い。無風快晴。

乾燥した落ち葉のせいで、とても滑り易い道を下って行く。今週も、

まだ楽しめるかと思ったミツバツツジだが、ほとんど終わっている。

残っている花も、開花から日が経ったせいか、色が薄くなっている。

この尾根の肩の辺りに到着した。東側斜面のツツジが残っている。

大きな群落だが例年のこと、先に若葉が萌え出て花の印象は薄い。

キレイなピンクに見えている株も、よく見ると茶色く変色してる。

季節はどんどん進み、それに追いついていけない自分がいる。

中腹の岩場の上から、寒谷南尾根を望む。山寺尾根から派生し、

杣谷になだれ落ちる急峻な尾根で、未だに稜線は辿れていない。

中腹の岩場を下りプラトーを過ぎると、シロバナウンゼンツツジが、

路傍に多く見られるようになる。可憐だが葉が先に出るので地味。

下りなら道が北斜面に移る手前に、上りなら尾根に乗った所に、

寒谷に向かい水平に伸びるバンドがある。此処を進んで行くと

容易に寒谷の河原に下れるが、すぐに堰堤があるので越える。

この堰堤上は、川砂や石が堆積した穏やかな所。小休止する。

休んでいた大岩の南側にガレが流れ込んでいる。どうも此処が、

木の袋尾根の展望岩から見た、寒谷第2ルンゼ(仮称)のようだ。

水流は無いので、ズック靴でも大丈夫だが、大きな落石の巣。

不安定だったら押しつぶされそう。幸い概ね安定した岩が多い。

岩が多いので根が浅いのだろう。この谷には大きな倒木が多い。

家族が乗っているのは、倒木の根が剥がれた部分。平たい場所。

寒谷北尾根下部とプラトーが見える。新緑が鮮やかで美しい。

登るにつれ両岸に、開花したシロバナウンゼンツツジが現れる。

両岸が狭まった場所だが、第1ルンゼに比べて、傾斜は緩い。

大きな岩以外は、落石の心配はせずとも良くて緊張はしない。

写真では分かり難いが、シロバナウンゼンツツジが両岸を彩る。

見上げる斜面は、シロバナウンゼンツツジの群落なんだけど、

花弁が小さいので、それほどキレイには見えないのが残念だ。

単体で写すと、こんな感じで、盆栽に向いてるかもしれない。

スカイラインが見えてきた。あと100mも登れば稜線に出る。

山寺尾根を歩くハイカーの声が、ハキッリ聞こえてくるぐらい。

右岸の斜面には、シロバナウンゼンツツジの藪が続いている。

手前には、スミレに似た野草が群落を作っている。山寺尾根を

歩いていても、足元にこんな花畑があるとは気づかないだろう。

最後の詰めは急峻で、家族は直上したが、ハムは落石を避け、

獣道を辿った。登り着いた所は、山寺尾根から10m程の東側。

つまり山寺尾根と寒谷南尾根が合流する所に登ってきた訳だ。

山寺尾根を登っていて、唯一東側が抜け、長峰山が見える所。

山寺尾根の最後の急な階段道を登って、掬星台に戻ると、

「MAYA SAKURA FES 2015」とか、いうイベントで騒がしい。

時計を見るとまだ1時前。2時間半しか歩いていなかった。