ここ数年は11月末に、二本松林道へ紅葉を見に行くのが恒例行事に
なっている。一日遅れの12月1日。日曜日で混雑が予想されるけど
寒さも緩むし快晴の予報に誘われて家を出る。予想最高気温は15度。
10年前のこの日ヒマラヤ桜が満開だったから、生田川公園に回って
みよう。残念ながらツボミもまだついていなかった。最初に見た時は
確か1月の末頃だったような。年によって開花時期に幅があるようだ。
待ち合わせのハイカーで大混雑の新神戸駅を横目に滝道を上って来た。
雌滝・雄滝共に水量が多くて見応えある。おんたき茶屋前は少し早い。
メニュー表を見るとおでんが一個110円から150円になっていた。
一度はビールとおでんをと思っていたが、時期を逃したかも知れない。
混雑を避け貯水池には向かわず、猿のかずら橋を渡って城山へ向おう。
化粧用の葛が朽ちて有名無実となって久しいが、無駄がなく好ましい。
城山から東に下るこの尾根は雄滝の真上にある。南側は樹木があるが
スッパリと切れ落ちている。数年前に間伐されて市街地方向の眺めが
すこぶる良い。その割に歩く人は少ない。この日はお一人と擦れ違う。
それにしても雲一つない快晴だ。風もなくてハイキング日和な日曜日。
途中ロープウェイの架線を潜る。ゴンドラと眩しい朝日が重なる瞬間。
ハーブ園は開園33年。紆余曲折はあったが続いているのは良き事だ。
一時は通行するのも有料だったが、現在はどうやら無料であるらしい。
南斜面からの登山道と合流すると世継山や天狗尾根、その奥に摩耶山
が見える。やはりハーブ園には紅葉する樹木が多いのか色づいている。
城山山頂下の東屋まで上がって来た。昔は良く通った場所で懐かしい。
この南側の急な尾根を好んで歩いた。当時の踏跡はまだあるだろうか。
広場の隅に私製山名板があるが、標高点は一段上なので不適当と思う。
城山を越え二本松林道の東端に至る。此の付近も最盛期には少し早い。
民福社の碑がある辺りも黄緑色。この様子だと二本松林道はどうかな。
此の先の山影にあるモミジの大木も色づきが悪い。というかまだ早い。
湊川神社神苑の碑がある辺りでは、東側の斜面が色よく紅葉している。
再度山ドライブウェイの交通量が少なくなって久しい。ドライブって
レジャーだったのは遠い過去。二輪車の通行止めは解除したらどうか。
好きな漫画と問われると、ギャンブルレーサーとバリバリ伝説位の人。
ドライブウェイから西側はどうだろうか。やはり黄緑色が多いのかな。
どうも人影が見かけない。我々は事前にネット情報を確認していない。
それでも一つ目のカーブを回った辺りは素晴らしい。南向きで日当り
良いからだろう。此処に紅葉を見に来るのが好きなのは、見上げても
見下ろしても楽しめるから。上下とも斜面にモミジの木が多いからだ。
見上げればこんな感じで、グラディエーションなんて平凡な表現しか
出来ない。日本語だと連続階調っていうらしいが、ちょっと違う感じ。
本当に人影がない。結局マウンテンバイクと車一台と擦れ違っただけ。
それもそのはず進んで行くと紅葉した木は少なくなる。メタセコイア
並木も輝きが無く心なしか元気がない。猩々池の手前はモミジの木が
多い所だけどこんな状態。もっともこれなら来週も楽しめそうである。
大師道との合流点に着いた。それはそうと林道は、ここまですっかり
舗装されていた。いつからだっけと記憶を辿るが思い出せない健忘症。
大師道終点の真紅の楓も色づいていない。その分池の周囲が鮮やかだ。
めずらしく猩々池の水が多い。濁っているが青空を写せばそれなりに。
池畔の東屋ではハイカー二組が休憩中だったので、昼食休憩はせずに
先に進もう。と言っても良い場所は思いつかない。この先は混みそう。
舗装路は高級料亭「鯰学舎」まで続いているが、池畔の東屋を通って
池の北側に回り込む。此処に道がある事は意外に知っている人が多い。
でも今日は誰とも会わない。砂防ダム下の東側で陽光を透過した紅葉。
おや何か新しい建物が出来ている。遠目にはコーヒーショップのよう。
ふたたびキャビンという神戸市の無料休憩施設のようだ。だが場所が
悪すぎる。晴天でもライトが映える薄暗さだし湿気も多い陰気な場所。
どうせなら既存のトイレを建替えてほしかった。もちろん休憩を摂る
気にもならず先ヘ進む。そあいてすぐ右手の道に入る。此方は人通り
が少ないし、善助茶屋跡手前で背の高い落葉樹林の雰囲気が好ましい。
大龍寺境内に入り石段を上る。季節を問わずハイカーの多い所なので
写真を撮るにも人が写り込まないよう気を使う。再度山の山頂が伐採
されてから一段と多くなった。本堂前の大イチョウはまずまずの色彩。
そのまま奥の院への道を辿るが、前後にハイカーが数珠つなぎ状態で
落ち着かない。日曜に来たことを少し後悔。山頂では北側から登って
来る人も多くて大混雑。座り込む事も出来ないのですぐに下山しよう。
修法ヶ原池まで下って来た。池畔のコーヒーショップが大人気のよう。
以前はボートハウスだった所で5年前にオープンされた。メニューは
コーヒー300円、スコーン300円とお手頃というかリーズナブル。
ただ我々はテルモスにコーヒーを入れて来た。人混みを避けて池から
少し離れたベンチで昼食を摂るとしよう。モミジの木の下に座り込む。
目の前に見える景色は池と紅葉と大勢の人。犬を散歩させる人が多い。
背後に子供の声がして見に行く。ツリーハウスみたいな遊具や大きな
ネット。修法ヶ原には何度も来ているが存在には気付いていなかった。
そこから尾根筋へも道が伸びているので上がってみる。これも初めて。
看板に山頂と記された所も眺望はなくて、他の季節なら退屈な遊歩道。
でも今は樹幹越しに水面の煌めきと、紅葉を重ねて見られるので一興。
一回りして屋根に落葉が積ると雰囲気の出る東屋の横手に下って来た。
状況によって昼食休憩のベストポジションは変わけど、何年か前には
あの東屋が最高に思えた。まだ々落葉の少ない此の日はそうでもない。
池に張り出した所のベンチで二人が炊飯されてる。今日は此処が最高。
下山は蛇ヶ谷から市ケ原に抜けよう。すると由来の立て札があるのに
気づいた。古びているが簡潔かつ明瞭な文章である。まあ作り話では
あろうが、それなりに納得してしまうお話。道鏡の役回りがなんとも。
それにしても弘法大師って何人いたのかと家族がつぶやく。山歩きし
てると、もちろん史実もあろうがそこらじゅうで大師の足跡と出合う。
大龍寺から下って来る舗装路との出合。流石にハイカーが増えて来た。
トレイルランニングの大会が行われてるらしく仮設の補給所があった。
市ヶ原向けて下って行くと、何人ものランナーが追い抜いて行かれる。
此の辺りの紅葉もまだ盛期には早い。来週末こそ本当の紅葉サンデー。
市ケ原へ来ると人人人で大混雑。ざっと200名程いらしただろうか。
納山祭には早いだろうが団体が多い。巨大な鍋で芋煮会されてる方達
もいる。その様子を伺いながら堰堤まで進み、踏跡を拾って道に出る。
布引貯水池の廣助稲荷辺りは紅葉の最盛期だ。撮影で足を止める人が
多くて渋滞している。いつもは貯水池の水面と併せて写真をとるけど、
それもマンネリな感じがしたので、上向きの画画で一枚撮っておいた。
五本松堰堤下のモミジはもう一息。此の辺りから外国人観光客の姿を
多く見る。うらやましいな。自分は長い旅行計画を立てる気力はない。
最後に見晴らし展望台に立ち寄ってハイクは終了。来年も来れるかな。
今日のBGM