摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

六甲山最高峰(931m)から有馬温泉

有馬の温浴施設の招待券を2枚貰ったが、交通費を使うのは勿体ない。

そう思って放っておいたのだが、年末で暇になったので行ってみよう。

帰りはバスで仕方ないが、行きは六甲最高峰を越えるのが一番近道だ。

7時30分、芦屋川に架かる開森橋。5時に起床してやっと此の時間。

朝食を摂ったり、準備をしたり何をやっても遅い。自分でも嫌になる。

気乗りがしないせいもある。特に歩きたい道もないから。楽に行こう。

晦日は皆さん忙しいだろうから、山も空いてると思ったが大違いだ。

大勢人がいる。特に山上から下って来る人が多い。毎日登山の御老人

より、トレラン姿の若い人が多いのに驚く。暗い内に上られたのかな。

高座滝とりつきは数珠繋ぎ状態。予想される中央尾根の混雑を嫌って

高座谷の道に入る。詰め上ると万物相の上の伐採地。天気は持ちそう。

風吹岩へ行くと、山芦屋町から前後した御夫婦が先を歩いておられる。

歩くペースはほぼ同じなので、中央尾根の方が距離は短いのだろうか。

9時30分、雨ヶ峠の日の当たるベンチで小休止。開森橋から2時間。

我が家にしては妥当なペースだ。先の御夫婦は住吉川の方に下られた。

雨ヶ峠って全然峠らしくない地形だと思いながら、東お多福山に進む。

自分の頭の中の地図では、六甲最高峰へは此のコースが一番近くて楽。

そのはずだったが、その誤りは後で気づかされる。まあ長閑で良い道。

2007年から、ネザサを刈りススキの原を再生させるという事業が

行われている。15年でも何の成果も見られない。地下茎がある限り

笹は刈っても生き残る。そんな事は重々承知の上でされてるんだろう。

何十年か後にネザサが一斉に花を咲かせ、全て枯れてしまえば植生も

変わるだろうが、その時に事業の成果だと謳うつもり?。土樋割峠に

東灘警察署のおざなりな張り紙。黒岩谷への侵入を止める為のようだ。

それなら黒岩谷入口に立看板を設置する方が確実だ。貼り紙は害虫の

温床となりあの松の木は朽ちるだろう。我々は黒岩谷を対岸に渡渉し

一軒茶屋へ支尾根に取り付く。以前の細い踏跡が明瞭な道になってる。

部分的に岩場もあるが蛇谷北山経由の道より、明るくて気持ちが良い。

展望は良くないが、時折見える六甲山の山襞が標高に相応しい大きさ。

普段は摩耶山より高い山を歩かないので、そんな事でも興味を持てる。

ザレた所に太いクレモナロープが設置されていた。山の事をちゃんと

分かっている人の私設だろう。登りでは使う必要はなかったが好印象。

安価ではあるが景観的に劣るトラロープは、勘弁してもらいたいもの。

それにしても良く踏まれ歩き易い道になった。十分一般道で通用する。

細尾根から笹原に変わると、正面に六甲最高峰の電波塔が見えて来る。

その下には一軒茶屋の石垣や塀が、城塞のような大きさでいつも驚く。

最高峰への道は凍っていた。此処で雨ヶ峠で別れた御夫婦に又出会う。

下って来られたから相当前に着いておられる。どの道をとられたのか。

瞬時に分からず、家に帰ってから地図で確かめるとようやく分かった。

雨ヶ峠から本庄橋に下り七曲りを上がると、東お多福山を経るよりも

20分コースタイムも短そう。どうも六甲山の地理はよく分からない。

そもそも本庄橋って見た事ない。大晦日だと云うのに山上は大賑わい。

何の話をしてるんだと言われそうだが、いまだにこの山頂に慣れない。

米軍の通信施設があり、フェンスで囲われていた頃の記憶が勝つのだ。

山名碑の後ろに道標があり道が伸びている。どこへ降りるんだろうか。

ひと先ずは山頂南西の台地で昼食休憩する。方形の大岩が数個あって

休憩には良い場所だ。昔の山名石碑の北側だから往時はフェンスの内。

12時10分、そろそろ下ろう。魚屋道(有馬方面)と記されている。

山頂では有馬温泉へ爽快な尾根道が続いているかのように思われたが、

すぐに西側へ回り込んで行く。その道が残雪でカチコチに凍っている。

こわごわと下って行くんだが、なぜか登ってくる人達は観光客みたい。

下り着いたのはドライブウェイ沿いの園地で、新設のトイレがある所。

一軒茶屋のすぐ北側。立派な施設だが女子トイレは五基の内、三基が

詰まっていて使用不能。箱物は作っても、その後の管理が疎かな日本。

そう云う点は韓国や中国より劣っている。最大の原因は人件費だろう。

特に韓国の国立公園で汚いトイレなんて一度も見た事がない。最初は

凍った道だったが、標高が下がるとすぐ氷雪は無くなり。ホッとする。

六甲最高峰から有馬温泉までコースタイムは1時間30分にすぎない。

夕刻の雨ヶ峠で空身の外国人ハイカーを見かけ、心配した事もあるが、

まあ大丈夫なんだな。この辺りから先は荷車が通れるような幅の道だ。

13時40分、有馬温泉に到着。大晦日だから人が少ないなんて大甘。

内外に色んな浴槽があったが、人が多すぎて中々入れなかったりする。

土曜の正規料金は2970円で吃驚する。自分で払うなら千円が限度。

もっとも常連の方達は、何かしらの割引を使って来られているようだ。

思うように入浴出来ないので18時まで居た。送迎バスで神鉄有馬駅。

さくらやまなみバスの停留所を探して右往左往。JRさくら夙川駅へ。

 

今日のBGM


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