摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

南禅寺から七福思案処を経て山科駅へ

12月25日はクリスマス。四条大橋の交差点は普段の数倍の人混み。

それを避け北座跡から白川沿いの道に進む。祇園新橋までは着物姿の

観光客も多いけど、花見小路から有済橋を渡ればすっかり静かになる。

知恩院下の古門前橋から冠雪した比叡山を望む。市街地にありながら

清冽な白川の流れ。水量も多く清々しい。上流の行者橋(一本橋)は、

映画のロケ等によく使われる所だ。三条通を渡ってからは右岸を歩く。

普通の住宅街のように見えながら、工芸品店や飲食店が点在している。

これから地価が高騰しそうな気がする地域。平安神宮の大鳥居の下で

琵琶湖疎水に合流する。東側に見えるのが疎水記念館、南禅寺船溜り。

車道を歩けばすぐに南禅寺だが、それではつまらないと船溜りに下る。

蹴上インクラインを回って行こう。前から大きな白いゴミ袋を持った

人が歩いてくると思ったら、ウェディングドレス姿の花嫁さんだった。

裾を引きづらないよう玉ネギ型のカバーをされてたみたいだ。早めに

南側の歩道に出る。インクラインの下を抜ける「ねじりまんぽ」から

南禅寺に向おう。何有荘という広大な別荘の前を通って南禅寺境内へ。

レンタル着物は京都の楽しみ方として定着したようだ。小物類も充実

している。でも日本人観光客の着物姿は着方や歩き方でアラが目立つ。

むしろ大柄な外国人が着ておられる方が、様になりカッコいいと思う。

定番の水路閣での記念写真。この上を南から北に向って疎水の分流が

流れている。その流れに逆らって南に下って行けば何有荘裏を通って

蹴上船溜りやインクライン上端に抜ける。だが今日は反対側へ向かう。

水路閣の北端で疎水分流は左へ曲がって行くが、我々は右の道に入る。

最勝院という南禅寺塔頭を横目に進む。立派なお寺だが拝観料は不要。

境内を抜けても良かったかなと少し後悔。舗装された道を進んでゆく。

南禅寺から山科に抜けるにあたって、事前に登山地図を調べているが、

この部分が通過できるかどうか不明のまま来ている。地理院地図には

破線はあるが、境内なので通行できない可能性もあるかと思っていた。

だが杞憂だったよう。奥之院から小橋を渡って駒ヶ滝という行場まで

石畳で舗装された参道が続いていた。滝の上には洞窟があったりする。

更に上流に道が有って、大文字山の方へ登って行けそうな様子である。

でも今日は山科への最短路を求めている。南東へ向かう道があるはず。

行場から少し下ると何のことはない。左岸沿いに広い道が伸びていた。

小橋を渡った所で駒ヶ滝に気をとられ、全く気付いていなかったよう。

ヤマップの地図には載っていないけど、良く踏まれた広い道が斜面を

絡んで行く。清浄で気持ち良い道だった。やがて前方が明るくなると

賑やかなハイカーの声が聞こえて来る。京都一周トレイルと交わる所。

道標によると此の峠は七福思案処という。現在は六差路だがその昔は

七差路だったんじゃないかな。丸木ベンチが有ったので家族が作った

大学芋で小休止。団体ハイカー一行が後続を待つか否かで揉めている。

相当な人数の団体だったようで待たずに日向大神宮へ下って行かれる。

日曜日なので大文字山は大賑わいだろう。我々は六差路の内、御陵に

向うとされる道を下る。変わった形の高圧鉄塔があり山科市街を望む。

道はやがて谷に下り着いた。下流方向の道が広いので進むが何か違う。

そのまま下ると京都市営地下鉄の御陵(みささぎ)駅に下ってしまう。

山科へは東側の斜面に上って行かねばならないよう。最初は心細い道。

でもそれは落ち葉に埋もれているだけだったみたい。次第に道は明瞭

になり、上り着いた峠は切り通しとなっていた。短い区間だが古道の

風格さえ感じられる。ちなみに此処が今日の最高所で標高約191m。

後は下って行くばかり。だんだん道が太くなり檜の植林帯を抜けると、

木工や石工所、アート工房などが林道沿いに並び、更に下って行くと、

谷間で日当たりも悪いのに、太陽光発電施設が幾つも設置されていた。

とても生産性が悪そうだが、施設を作るだけで補助金が貰えたのかな。

後山階陵遺跡の石碑。あちこち道標で見て昔の階段の跡かと思ってた。

調べると天皇家の陵墓。「のちのやましなのみささぎ」と読むらしい。

山科の漢字は古くは山階だったて事か。さらに下れば毘沙門堂に至る。

紅葉の名所であり時季に多くの参拝客で賑わうらしい。しかし今日は

落葉も残っていない状況で寂しい限り。山門を見上げるだけで帰ろう。

車道を下っていこうかと思ったが、安祥寺川右岸に歩道が続いている。

最初は狭い住宅街の道だが、山科聖天ハイキング路という看板もある

ので大丈夫だろう。更に下って行くと琵琶湖疎水と交差する所に出た。

観光船が運行されているとは思えないほど、放流量の少ない冬の疎水。

正面に見えるのは京都府洛東高校。素敵なロケーションでアニメの

舞台になりそうだ。洛東橋から南に下って行けば山科駅の北側に出る。

地下道を通り繁華な南側にでる。山科の「餃子の王将」は本社直営で

他所より旨い。滋賀県に住んでいた頃にはそんな噂もあって通ったが、

往時の店は無く、別の場所にカウンターだけの小さな店になっていた。


今日のBGM

ペンタトニックス版MVの完コピ。ビル屋上での撮影は不可だったか。

何気に東大での撮影がカッコいい。この曲はとっとこ味噌太郎に演奏

して欲しかったけど、コロナ禍にアカペラが生き残っていた事に安堵。

本家はこちら。といっても此れもカバー曲
www.youtube.com