昨夜は中央区役所近くのホテルに泊まった。3年前に開業した米系の
チェーンホテル。それは良いのだが以前何があった所か思い出せない。
サンパルの周囲が再開発されるのか、モスバーガー等も閉店していた。
ハムが神戸に出て来たのはポートピア博の前々年。それから2年間で
三宮は大きく姿を変えたが、以後の40年間はさほど変わらなかった。
それが此処にきて変化を迎えているよう。その結末を見れるだろうか。
昨日と同じく布引の滝を経由して貯水池までやって来た。この付近は
色づき始めって感じ。平日なのにハイカーの姿が多い。家族は雄滝の
水量が昨日より多かったという。人出に比例して放流しているのかも。
そんな事はないだろうけど、貯水池の水位は水不足を危惧するレベル。
補修工事で水抜きをしていた時以来の風景だ。ダムの上から見る限り
池畔の紅葉は進んでいなそう。ところが東岸を進んで行くと変わった。
日の光を透かして見ると見頃まであと一歩。もちろんまだ緑のままの
樹も多いので後2週間は楽しめそう。穴場は水天宮を抜けてハーブ園
の裾に上がる九十九な急坂。モミジが積み重なるような姿を見られる。
さらに進むと広助稲荷社の周囲が見頃となっていた。人の名が付いた
由縁を知りたいが調べても分らなかった。かつて雷声寺境内にあった
社は歌舞伎役者の名前だったりしたので、存外そんな所かも知れない。
現代の二宮神社や弓弦羽神社が女性の人気を集めるような事が、昔も
あったのかもしれない。因みに此の広助稲荷は、広島を助けると読み
カープファンが参拝に来られる事があるらしい。ご利益あったかな?。
深緑の水とのコントラストもさることながら、渇水の為に露出した岸
も色を添えている。もう少し赤くなるだろうが、これでも十分に紅葉
と言えるだろう。家族が白い鳥がいたというが何鳥だったのだろうか。
昨日のモミジ・カエデ問答を思い出す。カエデ目カエデ科であっても、
一般的にモミジ、正確を期すならイロハモミジと呼ぶのが適当だろう。
もう一つ疑問が生じた。カエデには「楓」という立派な漢字があるが、
モミジの漢字ってあったっけ?。二人共分らないので帰って調べると
「椛」と書くらしい。ところが此の字は和製漢字で、本当の漢字では
ないという。貯水池の奥では干上がって池の底にある堤が見えている。
市ヶ原では3組の方がテントを張って焚火しておられる。キャンプが
ブームって聞いてたけど此れほどとは思わなかった。そういえば来る
途中に昨夜泊まられたのか、大きなザックを背負った人とすれ違った。
市ヶ原の奥で木橋を渡ると、照葉樹の暗い森の中に光を浴びたモミジ
の大木が立っている。展開が予想できるので、わざとゆっくり進んで
行く。橋を渡った高尾山の登山口付近は、陽が差しておらずやや暗い。
そこから見上げるモミジの樹。辺り一面がオレンジ色に染まっている
かのような錯覚に陥る。此処から再度東谷沿いの道。すぐに舗装路と
なるが、南側に布引貯水池への重機が出入りする為のトンネルがある。
又少し進み振り返れば、新神戸トンネルの排気塔が北側斜面に見える。
この付近はまだまだ濃い緑の葉ばかり。いや見上げれば木の上の方は
色が変わりつつある。直進すれば大龍寺だが、蛇ヶ谷沿いの道に入る。
蛇ヶ谷は針葉樹の植林帯だが頭上の緑の葉はモミジである。付近から
種子が飛んできて下生えとなり、そのまま大きく育ったのだろうか?。
ただ日当たりが悪いせいか、綺麗に紅葉しているのを見た記憶が無い。
地図も見ずに適当に歩いていたら、車道に出るとすぐに修法ヶ原池の
南端に到着した。予定は北東の端に出るつもりだったのだが、何処で
間違ったものか。でもそんな事は目の前の紅葉を見たらすぐに忘れる。
この状態なら十分に見頃と言えるだろう。皆さん良くご存じで相当な
人出である。ちょうど昼時で池の周囲のベンチは大方ふさがっていた。
鴨も並んで見物しているみたい。池畔の大岩に腰掛けて水分補給する。
ホテルの朝食は簡単な洋食バイキングだったが、珍しくプルドポーク
があったので食べ過ぎた。昨日に続き老房にランチに行こうと思って
いたが、時間も間に合わず空腹でもないので、結局そのまま帰宅する。
池の周囲を反時計回りに歩いて行く。それにしても満々と水を湛えて
いる。布引貯水池は干上がっていたと云うのに、どういう理由だろう。
対岸の旧ボートハウスは、1階でコーヒースタンドが営業されている。
基本的には土日祝のみらしいが、平日のこの日も営業されていたので、
人出が多ければ開店されるのだろう。ボートハウス時代は知らないが、
2階で食堂を営業されていたのは覚えている。良い場所ではあるけど。
山小屋を模した休憩舎で数名のオバサン達が、賑やかに食事の用意を
されていたが、今が盛りの紅葉と相まって豊かで平和な風景に思われ
此方まで温かい気分となった。ちょっぴり韓国の山を思い出す雰囲気。
瀟洒な造りの休憩舎だが、今まで存在に気付いていなかった。屋根越
しにみる木々が伸びやかだ。さらに北側へ回り込むと再度山が見える。
手作り看板はインスタ映えを狙ってるのだろうが、紅葉の季節は邪魔。
周囲の雰囲気を壊しているように思うがどうだろう。見る限り看板と
一緒に記念撮影する人はいなかった。だけど普段は活躍してるのかも。
池畔に植えられた満天星ツツジは、真赤に紅葉し良い仕事をしている。
修法ヶ原の読み方だが神戸に出て来た頃は、地元の人はショウガハラ、
又はシオガハラと呼んでいた。学校遠足で一度は来るので、その時に
どう習うかだろう。単純にシュウホウガハラと呼ぶのは余所者だった。
その辺りの混乱を避ける為か修法ヶ原に行くとは言わずに、再度山に
行くという人が多かったように思う。最初聞いた時は山登りに行かれ
るのかと思ったが、池の周囲でピクニックする程度の事と後で知った。
そんな大昔の事を思い出しながら帰路についた。大龍寺から市ヶ原へ
戻り新神戸に下る。その後は久しぶりに大安亭市場に立ち寄り、野菜
や果物の食材を大量購入するが、何軒か廃業した店があって驚いたり。