前回は自宅から見える山ということで、宝塚市の中山を歩いたのだが、
中々楽しいハイクだった。なので今回は少し足を延ばして箕面市まで
阪急電車で来た。六個山という初めて知る山を歩いてみようかと思う。
事前に調べると標高低くて緩やかな山容なので、余り期待はしてない。
ただ終点が池田市の五月山。阪急池田駅に程近いので交通の便が良い。
交番前に座っているのは、箕面市PRキャラの滝ノ道ゆずる君だそう。
駅から商店街を北に進むと聳え立つのが箕面観光ホテル。昭和の頃は
テレビCMをよく見たものだ。一旦2011年に廃業したが、現在は
大手チェーンホテルの傘下に入って、それなりに営業しているようだ。
滝道を進み一の橋を渡ると、石段があるので此処から山に入る。さて
時刻はまだ7時30分だが、手前の駐輪場には自転車やバイクが一杯。
滝道は沢山の人が歩いてるし、モミジの天ぷらを売る店も開いていた。
神戸の毎日登山とはちょっと違う雰囲気がする。石段が終わると林道
となる。行先が沢山あって悩む道標だ。箕面の滝へも行けるようだが、
3年前に行っているので寄らない。結構遠回りになる。体力的に無理。
林道がスイッチバックして南に転じると展望台が有った。大阪市内の
ビル群が見える。張り紙が何ともだ。吸引より缶の投棄が問題のよう。
昔は六甲山系でも良く見かけたが、この辺りはまだ吸う子がいるのか。
閑散とした桜広場の先に案内板が有った。道が多すぎて目的の六個山
に行くには、どの道が良いか分からない。とにかく朝食がまだなので、
ベンチのありそうな望海の丘を目指そう。山全体が公園化されている。
倒木の多い谷筋を上がって行くと、右上斜面をシカの親子が走り去る。
鳴いていたがキーンという警戒音ではなかったので、ある程度人馴れ
してる。道が南に向かうと、今度はゴルフ練習場の打球音が響いてる。
何とも賑やかな山である。水平路が斜面を回り込んだ所に東屋が有る。
標識はないが此処が望海の丘だろう。遠すぎて海かどうか分からない。
それより伊丹空港を離陸する飛行機が良く見える。稲荷ずしで大休止。
家族は一昨日に骨折した腕から、全身麻酔をして金属を抜いた。その
左腕が痛くなったとバンダナを三角巾代わりにしている。ストックも
突いている。この山なら歩けるかと思ったが、少し早かったみたいだ。
望海の丘からは北に向かう。人の声はするが姿が見えない。平行する
他の道を歩くハイカーの声だろう。立派な標識はあるが六個山を指す
ものはない。遊歩道なので必要以上にグルグル回って分かり難い道だ。
ハート広場という谷間の平地から、広い林道を歩くようになる。後は
こんな感じかと残念に思ったが、樹幹越しにも大阪平野の展望が良い。
林道がカーブする所に抜けた所があり、わくわく展望台の看板が有る。
この展望が素晴らしく広い。正面には大阪のビル群。その先には霞の
上に金剛山が見えている。こんな景色があると自分達が知らなかった
だけで、世間の人はご存じなんだろうな。一度来る価値はあると思う。
展望所には15分程いて、眺望を楽しんだ。林道を進むと愛想の無い
道標が、六個山の頂上への道筋を教えてくれた。この上にも展望所が
あったが眺望の広さでは劣る。段差の大きな土留階段が頂上まで続く。
到着した山頂は広いが雑然とした感じ。伐採された丸太がゴロゴロと
転がっているが、ベンチは丸太を模したコンクリート造り。居心地が
良いとは言いかねる。時刻はまだ9時45分。水分だけ補給し小休止。
海抜を示す看板がやたらデカい。小数点以下が切り捨てされているが、
三角点は395.8m。国土地理院は標高点など四捨五入で表記する
ので、396mの方が適当と思われる。案内地図は箕面市の市域だけ。
山頂からほんの少し下ると水量の多い沢が現れた。この上流に大きな
池が4つもあるからだろう。家族はストックに頼ってどうにか渡って
いる。この流れが市境となっていて、この先は池田市域となるようだ。
沢から上がると林道に出る。右側はゴルフ場のフェンスが延々と続く。
北摂の山では避けられない展開だと言えよう。まあ淡々と歩いて行く
よりない。ゴルフ場内にものんびりと餌を食べてるシカの姿が見える。
更に進むと大きな溜池があり、上を橋が渡っている。どうやら両側に
コースがあり、ゴルフカートが走る為のよう。かなり錆びついている
ので頼りなくも思われる。それはそれ初めて見る風景で面白くはある。
林道からひょっこり駐車場に飛び出した。五月山緑地霊園という墓地。
わくわく展望台に負けず劣らず展望が広い。但し民営墓地と言う事で、
景色を見に来る人を嫌っているよう。この先車道が続くが私道なのか。
特に表示が無いので公道のようにも思うが、その辺りはちょっと不明。
カートが走る鉄橋を潜って、峠状の所に出ると五月山ドライブウェイ。
この道は普通車300円の池田市が管理する有料道路。歩行者は無料。
日曜にしては交通量の少ないドライブウェイをダラダラ下って行くと、
両側に墓地を見るようになる。右手の墓地は歩道も広い。池田市営の
霊園のようだ。ドライブウェイから外れて入って行くと日の丸展望台。
螺旋状の通路を登って行くと展望が広がる。東側にちょこんと見えて
いるのが六個山であろう。六甲山と同じような発音だったので敢えて
六個という漢字を充てたのかな。これはハムの勝手な推測で根拠なし。
さて肝心の大阪平野の展望だけど、最上部に屋根が有るので広くない。
周囲の木々も大きく育って視界を遮っている。ベンチなども無いので
休憩には適していない。螺旋通路をグルグル回って上り下りが楽しい。
墓地の外れからはドライブウェイに沿った歩道を下って行く。車道の
近くだが意外に静かで良い道である。大きな柿の木。実が沢山生って
いる。林道や車道ばかり歩いて来たので、普通の山道が心地良かった。
吊り橋のアトラクションもある。しかし渡らなくとも隣に歩道が有る。
板ではなく丸太の上を歩くので、家族は意外に苦労している。ハムは
渡らない。この先に丸木ベンチで水分補給。10月だが30度の夏日。
静かな愛宕神社の境内を下ると、秀望台という展望所がある。今日の
目的の一つ。前回歩いた中山が右手に見える。その時見えた斜張橋が
眼下にある。これで自宅から見える山の位置関係を定める事が出来た。
そのまま石段を下ると五月山動物園。池田市営で入場無料。アルパカ
やウォンバット、エミューがいる。小さいが動物との距離が近いので、
意外に楽しめる。エサやりもできるが満腹なのか無視してるアルパカ。
名前も知らなかった山だが見所が多くて楽しめた。大阪平野の大展望
は林道や車道歩きの退屈さを補って余りある。トレイルランニングや、
小学生にも向いているだろう。池田駅からは梅田に出て昼食を摂った。
今日出会った動物・・・鹿・・ゴルフ場の草刈り役を担っているかも