このブログにリンクを張らせて頂いている長峰大好きさんが、杣谷の
小さな支谷をインスタに紹介された。滑床が延々と続く美しい小渓だ。
滑床には最後まで水流があるようだが、多雨の今年だけかも知れない。
インスタをアップされたのが21日、22日は曇りのち小雨であった。
23日は晴れの予報。午後4時には西宮に所用があるが、この好機を
逃したくないと早起きして杣谷にやって来た。思ったより水量が多い。
せめて木ノ袋谷出合から遡行したいが、家族が万全の調子ではない事
もあり一般道を進む。摩耶第四堰堤上がポンドになっていて吃驚する。
真砂が積もった河原しか見た事がない。今夏の多雨のほどを思い知る。
いつにない勧進滝の大きな水音を聴き、しばらくで目的の出合に着く。
上の写真では支谷があると分り難い。今まで見過ごしていたのは無理
もない。もしかすると厳冬期に氷が張っていたのを見たかも知れない。
コンクリの大きなブロックが、水抜きに置かれているのが目印となる。
いきなりツルっとした滑床が始まる。思っていたよりも急傾斜である。
スタンスも少なく割と難しい。此処が無理なら諦めようと家族に言う。
何とか一段上がると谷幅も広がる。インスタで見た印象より急に思う。
此の先は斜度も段々上がって行くらしいのに、我々に歩けるだろうか。
不安になるがフリクションは良いし、スタンスも多いのでまだ行ける。
滑床は緩急を繰り返しながら続いている。土石が堆積するような所が
ないのが素晴らしい。落葉が多く踏むと滑らないかと心配になるけど、
それ以上に岩盤がザラついている。前方を眺めて呆然としている家族。
まだまだ滑床は続く。もしかすると今年8月の豪雨で、土砂や落葉が
流され現れた一時的な姿なのかも知れないと思い始めた。通常はこれ
ほど川床が露出してない可能性もある。土砂が積もってると厄介だな。
少し傾斜が緩んだ所で振り返る。スリップしても腹這いならば何とか
止まるか。でも転がると杣谷道まで止まりそうにない。あのブロック
に激突するのかなんて嫌な想像をしてしまう。メットは役に立たない。
よどみなく先行していく家族だが、左腕に自信がないのか左岸の隅に
寄って行くのが気になる。水心が最も岩が固いはずだし、スタンスを
広い範囲で探した方が良いと思うが、自分も初見だから何も言えない。
斜度がいよいよ上がって来た。左岸の岩溝沿いに上がって行った家族
の足が止まる。ホールドが見つからないと言っている。追ってみると
そうでもない。水心には有るのだが、左岸の斜面側に寄り過ぎている。
滑床の終点と思われる所まで後10m程の所。蛙の腹のように滑床が
膨らんでいる。此処は直進出来る気がしない。その裾にバンドがあり、
右岸沿いから回り込むように上に抜けた。そこから斜度が落ちている。
家族にその事を伝えようと振り返ると、痺れを切らしたか左岸斜面の
灌木を頼りに膨らんだ部分を巻いて来た。灌木は頼りないし、足元の
土砂はグズグズだ。ハムにすればそっちの方がよっぽど怖いんだけど。
滑床の終点で谷の遡行は止めて、尾根道を目指す。南隣の谷の源頭を
渡って斜上して行く。気づいてなかったがスマホのカメラが、ポート
レートモードになっていて、変な感じに写っている。まあそれはそれ。
大きな岩塊の間をシロバナウンゼンツツジの藪を払い乍ら進んで行く。
滑床終点から15分のアルバイトで一般道に飛び出た。木ノ袋尾根の
頭まで一投足の平坦な所である。フェルト底からスニーカーに替える。
長峰大好きさんは遡行された後、木ノ袋谷へ下っておられるが、我々
にはそんな恐ろしい行程は無理なので、大人しくアゴニー坂を目指す。
時刻は10時30分。掬星台でゆっくり食事しても用事には間に合う。
木ノ袋尾根の頭からアゴニー坂までの笹が大きくなっている。場所に
よっては、先を行く家族が埋まり見えなくなったり。掬星台で食事を
するつもりだったが、さすがに休日なのでベンチは全て埋まっていた。
なので天国ベンチに行く。パックで売ってる松茸ご飯の素で炊飯する。
松茸の味なんてしない。随分以前に此処でオジさんが、松茸を採った
と凄く嬉しそうに見せて呉れた。それを思い出してのメニューなの?。
そのキノコは我々が知っている松茸より、大きくて色も形も違ったが、
オジさんの様子から本物だろう。草刈りで切られた栗の木が又成長し
ている。このまま大きくなれば良い木陰が出来る。ぜひ残して欲しい。
今日のBGM