摩耶山上に所用があり行く日を選り好みしていたら、昨日まとまった
雨が降った。といっても神戸地方で18mm。翌木曜日は朝から晴れ。
期待はできないけど行ってみよう。ケーブル・ロープウェイで掬星台。
始発のケーブルは思ったよりも混んでいて、28名の乗車。賑やかな
オバさまグループには、コロナなんて関係ないみたい。ワクチン接種
済なのかも知れない。さて今年はヤマボウシの当たり年のようで綺麗。
用事を1時間程で済ませ桜谷道を下って来た。中流で右岸から小沢が
流れ込む。この谷を遡行してお茶を濁して帰ろう。水色の公設道標は
珍しくて、記憶の範囲では此処にしかない。古くて文字は消えている。
入口のハング滝を左岸から巻き上がると、視界が広がり滑が10m程
続く。先程までの桜谷道とは、一瞬で雰囲気が変わって好ましい場所。
奥に見える架線用バケットも、派手なオレンジ色が退色してしまった。
此の谷に入るようになって何年経つのだろう。昨日の18㎜の雨では、
水流は僅かだが渇水期に来るよりはましだろう。台風級の大雨の後に
来れたならば、それなりに楽しめる。ヒタヒタと流心を歩いて行こう。
傾斜の緩い斜滝。下段から落ち口まで比高差は10mもあるだろうか。
水量が多ければ白布を垂らしたように見える。階段状で普通に歩いて
行けるが、上段の2m程だけは手も使う。新しい倒木がちょっと邪魔。
斜滝の落ち口から振り返ると、そこそこの高度感がある。水量の多い
時にはスタンスが見えず緊張した事もあったが、今日はスンナリ通過
してしまいあっけない。入渓して20分足らず核心部はこれで終わり。
最初に来た時、斜滝以降は砂泥の堆積する谷で、うるさい藪を分けて
進んだ記憶がある。だが近年の度重なる豪雨で堆砂が流され、川床の
岩盤が露出するようになった。覆いかぶさる藪もなく楽に歩いて行く。
谷幅いっぱいの方形の大岩。この辺りは土石が堆積し、以前の雰囲気
のままだ。ところで此の谷筋は、寒さの厳しい冬には完全に氷結する。
アイゼンやバイル等の道具が有れば、歩いてみたいと思った事もある。
方形の岩を越えると階段状の河床となる。詰めればドライブウェイに
至るが、泥濘の中を歩くことになる。それに投棄されたゴミが散乱し
ている。傾斜が落ちた所で遡行を終了し右岸の水道管理歩道に抜ける。
天上寺前の駐車場脇に出るのだが、昼食の為に大回りして天国ベンチ
に行く。ちょうど日が陰って暑くない。今日の昼食は冷凍メンチカツ
を使ったチーズサンドとオレンジジュース。湿気が多いか視界は悪い。
下りロープウェイは10名の乗車。緊急事態宣言下の平日だが意外に
人出は多い。遠出を考えようにも計画が立てにくい今年の夏。近場で
アウトドアが流行なのだろうか。仰ぎ見る摩耶山はすっかり夏の装い。