摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

駅から歩くポンポン山(679m)・・・京都府・大阪府

ポンポン山って高槻からバスに乗って行く山と思っていた。ところが

4月に天王山を歩いた時長岡京市の市域に入るとポンポン山を示す

道標が目に付くようになり、十分歩いて行ける距離である事を知った。

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7時ちょうどに、阪急長岡天神駅から歩き始める。徒歩10分で長岡

天満宮に到着。八条ヶ池で小休止。西の山に赤白の鉄塔が見えている、

此処からはその辺りが一番高いと思われる。ポンポン山かも知れない。

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天満宮から西へまっすぐ住宅街を歩き、西代里山公園7時51分通過。

自家用車で来る場合は、こちらの駐車場を利用できるようで登山口と

しての機能も併せ持つが、此処にはポンポン山を示す公設道標はない。

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見かけるのは西山キャンプ場を示す道標のみ。良く分らないが方向は

合っているだろうと西へ進むと。すぐ京都縦貫自動車道の高架を潜る。

8時1分、車止めのあるキャンプ場分岐を右に見て、林道を更に進む。

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気温は30度になるという予報だが、沢沿いの道はひんやりとしてる。

公設道標は善峯寺やキャンプ場を指すものしかなく、幾つか私設道標

がポンポン山を示すのみ。距離などはつかめないので多少不安になる。

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面白い私設道標が有った。意図したものではないだろうが、文字部分

を朝日が透過し輝いている。各所の位置関係が良く分かる。京都方面

からポンポン山は、阪急バスで小塩バス停に向かうのが一般的のよう。

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主稜線までずっと谷間を歩くはずだったのに、林道が斜面を九十九に

上るようになった。そういや少し前に三叉路が有ったけど、細い道を

嫌って林道を選んだような気がする。まあ高みに向かっていれば良い。

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やがて林道は尾根に出ても続く。幅員は1米半位で小型のキャタピラ

運搬車ならば通行できるだろう。ずっと木陰を歩くつもりだったのに、

強い日差しの中を行く事になる。まだ湿度がさして高くないのが救い。

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新しい通行止めの表示が有った。でも此処で引き返す訳にもいかない。

進んでみると路肩が崩れて、小型車の通行は危険だと思う。まあ現状

では人の通行に問題はなさそうだが、ひび割れもあり今後は分らない。

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山腹を巻く林道に合流する。サントリー林道とか西山古道と私設道標

にあるが、どれがどの道やら判断がつかない。少し進めば高圧電線の

下の展望所に出る。京都方面の展望が良い。正面に見えるのは比叡山

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展望所から少し上るとゴルフ場の脇を通る。尾根上なのに何処からか

水を引いて泉水が配されている。今までに見かけたゴルフ場の中では

美しい。目の粗い金網が金持ちと貧乏人を分ける境界線となっている。

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やがて四差路に出る。この地点は私設道標設置者間で、四つ辻と呼ぶ

向きと大沢峠という人に別れているよう。その争いごとの経緯が木札

に記してあったりする。遠来の登山客には無縁な事でややこしいだけ。

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脇道に大展望所と記した私設道標が有ったので、足を延ばしてみよう。

思ったより急な道を上がりきると、東側が大きく開けた場所に着いた。

大沢山という木札があり、向日市から伏見区。正面には音羽山を望む。

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元の道に戻って大きな風倒木帯を通過する。2018年台風21号

仕業だろう。摩耶山にも大きな爪痕を残した台風だが、ポンポン山の

方が植林帯が多いので被害が大きい。この先で大沢からの道と合する。

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10時16分、標高631mの釈迦だけに到着。展望のない山頂だが

私設ベンチがあって昼食休憩には良さそうだ。ここまでの展望所にも

私的にベンチが設けられていたが、パラダイス感はなく好感が持てる。

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この釈迦岳は大阪府島本町の最高峰。いつの間にか府境を越えていた。

ポンポン山へは少し下り踏み固められた尾根道を行く。標高差は僅か

40m、距離は1.5km程にすぎない。樹林の中の道で暑くはない。

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巨大な赤白の高圧鉄塔が現れる。長岡天満宮から遠望した鉄塔だろう。

この鉄塔下も広い芝地になっており、日陰こそないが、大勢の休憩や

昼食に適した所である。此処は善峯寺からの道が合流する所でもある。

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おおさか環状自然歩道や東海自然歩道の道標が設置されている。公設

の道標としては今日初めてポンポン山を示した物を見た。と言う事は

此処までの道は、ポンポン山登路として公に推奨されていないようだ。

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一番の原因は行政機関が異なる事かも知れない。ポンポン山の頂上は

大阪府高槻市京都市西京区との境界にある。長岡京市にしてみれば

島本町を挟んだ他市の山で、観光名所として案内する気もないだろう。

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10時49分、ポンポン山頂上到着。小広い平地でベンチも沢山ある。

既に木陰のベンチには先客が数組食事中だ。お腹は空いているんだが、

これからどんどん人がやってきそうに思え、食事をする気になれない。

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東側が開けているが前方に釈迦岳があって、途中の展望所に比べると、

やや劣る。一時は樹林に囲まれていたが無断で伐採された景色という。

もっとも古いガイドに展望が良いとあり、どちらが原状だか分らない。

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釈迦岳頂上のベンチにも人がいたが、少し離れた小ベンチに座り込む。

朝が早かったのでオニギリだけだ。ゼリー飲料は半年前に買ったもの。

家族は手術当日も元気で、普通食を完食できたので残したままだった。

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釈迦岳から元来た道を大沢分岐に戻る。此処から南下して阪急電車

水無瀬駅まで歩こうという計画。若干の登り返しはあるが直線距離で

7kmほど。我々にも歩けない距離ではない。良く踏まれた道を下る。

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ところが15分もすると林道に出てしまった。これは予想外。樹林の

中をずっと歩くと思っていたが、陽光にさらされた林道を歩くのでは

疲弊度が高い。それに7kmも林道を歩くのでは退屈してしまいそう。

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最初は植林の伐採跡だと思ったのだが、やや乱雑な様子から風倒木の

片付け工事跡のようだ。西側の川久保渓谷では現在も工事が行われて

おり、通行止めになっているよう。その後は植林帯の中の林道に戻る。

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府道79号線に出た所。島本町内なので道標に釈迦岳の名はあるけど、

ポンポン山の名はない。高槻市の山まで案内してやるかっていう事か。

でも両方記しておく方が親切だし、訪れる人も増えると思うんだけど。

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400m程も歩けば、尺代を指す道標がある。広い歩道を少し進めば

トイレが有ったので利用させて頂く。キャンプ場もあるが廃止されて、

その片付け作業をされていた。この道はおおさか環状自然歩道のよう。

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旧キャンプ場からは少し上ればギロバチ峠。涼やかな風が吹き抜けて

気持ちの良い所。此処は三叉路で、尺代に下る道は倒木処理が終わり

通行可能だが、右に上って行く環状自然歩道は通行止めのままだった。

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ちょうど測量に来られていたので、近く復旧工事が行われるのだろう。

しばらく山道が続くかと思ったが、すぐに林道に下る。前方の竹林の

中にはナンバー付きの乗用車が放置されている。府道734号線出合。

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照りつける太陽の下を、車道を600m程も歩いて尺代の集落に入る。

一軒だけある商店は閉まっていたが、チェリオ自動販売機があった。

絶妙なタイミングなので思わず一本購入、二人で一気飲みしてしまう。

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この集落を抜けて若山神社への山道を歩くつもりが、気づかず車道を

進んでしまう。水無瀬川を挟み豊かそうな尺代集落。瓦屋根が美しい。

眼下には島本町の貸農園。河原はアマゴ等の管理釣り場になっている。

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尺代からは約30分の車道歩き。14時17分、阪急電車水無瀬駅に

到着した。足の遅い我々でも7時間の行程。初めて見る景色ばかりで

退屈はしなかった。近くにあるワークマンで買い物をして電車に乗る。

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