5月6日は快晴の予報。朝起きてから思い立ったので出発は遅くなる。
短いコースを歩いてみよう。4月30日に老婆谷から天狗道に抜けた。
あやふやな記憶を元にして展望岩を目指したのだが見つからなかった。
10年前の記事を読み返し、もう一度探しに行ってみよう。動物園は
緊急事態宣言で休園中。青谷道に入ると毛虫が簾の様にぶら下がって
いる。行者堂跡で衣服やザックを改めると、30匹は張り付いていた。
毛虫は人をタクシー代わりに使っているだけなので、そのうち離れる
だろうが気持ちは良くない。幅の広く通行の多い道に多くて、山道に
入ると少なくなった。昨日も雨が降っているので老婆谷の水量は多い。
前回は最初この鋼製ダムから、西側斜面を上がっている。着いた所は
行者尾根の露岩帯を過ぎた小さなコル。目的とは違ったので又下って
いるが薄い踏跡が残っていた。ともかく位置関係を知ることは出来た。
さらに老婆谷右岸の道を歩いて行くと、支谷が一つ流れ込む。今まで
気づいていないので、雨後でもなければ涸れ沢なんだろう。この谷と
本流との間の尾根を辿って行けば、目的の展望岩に着くと思われるが、
急峻なので直ぐには取りつかずに、そのまま老婆谷道を進んで行こう。
炭焼き窯跡まで来ると、斜面も緩やかになるので、トラバース気味に
斜上して行く。10年前も同じ所を歩いたはずだが記憶は残ってない。
やがて前方に岩場が見えてくる。近寄ってみれば傾斜は緩いしバンド
が沢山走っている。そこを猪も歩くようで獣道になってたりするので、
容易に標高を上げて行く事が出来る。4月30日の岩場に比べ全然楽。
この辺りでは高みを目指しているのでなく、稜線に早く出たいと南側
に斜上している。さて頭上が明るくなってきた。スコンと尾根に乗り
藪を分けると岩場の頂部に出た。10年前は松の枝が五月蝿かった所。
その木が枯れ始め、枝が落ちている。おかげで一人なら十分な憩場と
なった。新しい鋸目もあるので、訪れる人もいるようだ。テルモスの
コーヒーで一息つく。左手に摩耶大杉から頂上への稜線も見えている。
南西方向の眺め。対岸には行者尾根。茶色く見えているのが露岩帯の
ケルンがある辺り。その向こうは学校林道と三本鉄塔。思ったよりも
行者尾根と離れている。下の谷筋を歩いてみても面白いかもしれない。
此処から天狗道までは藪が分ける細い道だと記憶していた。ところが
実際は下生えの無い尾根。というか道跡と言っても良いぐらい。目を
こらすと鋸目が至る所にある。ほぼ普通の山道と言っても良いほどだ。
以前は老婆谷道をアドベンチャールートまで詰めずに、行者尾根側の
コルへと斜上する人が多かった。それはこの道を利用出来るからだな。
その頃はマーキングが沢山あったが、今は全く見当たらないのが幸い。
しかし自分の記憶のアテのならなさには呆れる。細尾根を煩いツツジ
の藪を歩いている映像が頭に浮かぶんだが、完全に何処かと勘違いし
ている。行者尾根の一般道と比べても、此方の方が余程歩き易い道だ。
尾根の東側に大きな岩が有った。おそらく此の岩が10年前の記事で
写真を残している展望岩だ。左側が切れ落ちて、かなりの高さがある。
その時は家族と二人で跨って休んだと思うが、今は怖くて上がれない。
天狗道の方位版の有った展望所の真下で、ハイカーの話し声がとても
大きく聞こえていた事を思い出す。さて一応は本日の目的地だったが、
先の岩頭の方が休憩適地に様変わりしていた。右上の松も枯れている。
尾根筋に巨岩が立ちはだかる。此処は左側から回れそうだが、右側の
岩の裾に沿って枝打ちしてあるのでつい入ってしまう。それで着いた
所が4月30日と同じ地点。天狗道の方位版の有った展望所の東側だ。
まあ良いか、そのまま天国ベンチに向かう。今日の昼食は家族が大急
ぎで作ってくれた、イタリアンパセリとベーコンと卵のサンドイッチ。
後は、ロープウエイとケーブルで降りるだけだから、ビールも頂こう。
ところが、火曜日は定休日だけど休日の場合は翌日。その翌日も休日
の場合は翌日。それで木曜の今日が休みなのか。連休の谷間で掬星台
にはハイカーの姿は結構多いんだけどな。仕方ない山寺尾根を下ろう。
掬星台は朱色のツツジが満開だったが、これは園芸種だろう。淡々と
山寺尾根を下り水道筋商店街。何も買うものが無いのでJR摩耶駅前
に新しく出来たスーパーに行き、特売の鯛とミニトマトを買って帰る。
山寺尾根を下った以外は、4月30日とほぼ同じ所を歩いているので、
地図も転用した。窯跡から西側の支尾根を歩いている。現地で急峻に
見えた辺りの等高線が、やたら広くに記されているのは何故だろうか。