摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

天王山(270m)・・・京都府大山崎町

長岡天満宮キリシマツツジを見に行こうと思う。でもそれだけでは

時間を持て余してしまう。近くに見所はないかなと地図を見てみると

天王山があった。二つを組み合わせれば一日の観光コースになりそう。

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阪急電車大山崎駅。ホームからこんもりとした丘陵地が見えている。

これが天王山だろう。その名は聞いた事があるが、実在する山だとは

認識していなかった。予め長岡京市に抜けられる事だけを調べて来た。

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近くにアサヒとサントリーの工場がある。その工場見学との組合せも

魅力的に思われたが、コロナ対策で見学は休止中。大山崎山荘美術館

の庭園を見たいなと思ったが、開場は10時からなのでそれも諦める。

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JR東海道本線の幅広い踏切を渡ると、立派な大石柱が迎えてくれる。

以降も50歩も歩けば、案内板があるような状態で迷わずに済みそう。

路傍には天王山登頂証明書のポスターが、五月蝿いぐらい貼ってある。

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この証明書は一部100円で販売されているが、帰ってから調べると

一月200枚位は売れているらしい。更に50枚買うとオリジナルグ

ラスが貰えるとか。但し多すぎるポスターが著しく美観を損ねている。

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ハイキングコースは宝積寺(ほうしゃくじ)の境内を通る。中々立派

なお寺で三重塔が有ったりする。大山崎山荘美術館と併せ紅葉の頃に

再訪したいものだ。天王山の幟がありハイカーもウェルカムな雰囲気。

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山に入れば早速、竹林が現れる。この辺りはタケノコが名産。昼食に

食べてみたいと調べると、とんでもなくお高い値段で諦めざる得ない。

その上そんなに好きでもない。子供の頃食べて蕁麻疹が出た事がある。

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青木場谷展望広場まで歩いてきた。眼下には淀川が見えている。梅田

のビル群や大阪城も見えるというのだが、霞んでいて判然とはしない。

眼下の市街は大阪府島本町か、大企業の工場があり税収は潤沢のよう。

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我々が今いる所は京都府大山崎町ダイハツやマクセルの工場があり、

島本町と類似した環境なので、府県を超えた合併も検討されたことも

あるらしい。大きな陶製の案内板がその財政の豊かさを物語っている。

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さらに進むと整備された園地があった。一角には旗立松展望台がある。

天王山の戦いの折、秀吉が千成ひょうたんの旗印を大きな松に掲げた

という。歴史好きな人なら感慨深いのではと思う。まあ我々は無関心。

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それよりも4月1日に歩いた三川合流点が、見えた事に気を取られる。

家族は工場や建造物の一つ一つが巨大なことに感心している。目の前

の案内板には、明智軍と秀吉軍の布陣図が描かれているが見ていない。

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此処も巨大な陶板の絵図がある。丸太に腰掛ければ大人数で記念写真

が撮れるようになっているのかな。平日だけど三々五々ハイカーの姿

がある。後から知ったのだが、ポンポン山まで目指す人もいたようだ。

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展望台から少し進めば十七烈士の墓。幕末の禁門の変で自刃した人の

墓だという。ところで日本の歴史の中で幕末は大の苦手。この人達は

何故戦ったのか説明文を読んでも分からず。ヤマツツジが綺麗なだけ。

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それにしても見所が多くある。次に現れたのは酒解(さかとけ)神社。

一見無人で荒れているように思えたが、奈良時代の創建という由緒あ

る神社だそう。重要文化財の板倉式神輿庫があったそうだが見逃した。

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歴史ある山だけに大樹が多い。その割に明るいのは風倒木が多い為か。

道はあくまでも緩やかで幅も広い。トレイルランニング向きだなって

思っていたら一人走って追い越して行かれた。道標に従い山頂に至る。

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山頂は山崎城址応仁の乱の頃からあって、大阪城を築城するまで間、

秀吉が居城にしていたという。そんな事も知らなかったので、やけに

平たい山頂だなって思ったり。左側一段下にも同じ位の平削地がある。

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休憩するのによい丸太が転がっている。時刻はまだ9時45分だけど、

持ってきたホットドックで休憩しようか。さて食事をしている間にも

四方から人が現れ、頂上を通過して行かれる。何となく方向感を失う。

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此処まで道標が沢山あったのに頂上広場には一つもない。その上四方

に踏み跡があるので。どちらに進めば良いか分からなくなってしまう。

ぐるぐる回るが、結局は元来た道に戻って、ようやく道標を発見した。

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登山道は山頂の城址を回り込むようについていた。それにしても平坦。

此処以降は山頂迄にあった案内板の類は無くなる。もう下山するだけ

なのに、なぜか小倉神社には最短距離で向かわず迂回するように進む。

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展望台との標識に誘われ入ってみるが、大した眺望もなかったりする。

とにかく明るく緩やかな山上の道を30分歩くと、三叉路に到着する。

直進すればポンポン山に至るらしい。我々は東へ下る道に入って行く。

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畑の様に整備された竹林もあれば、人の手の入っていない竹林もある。

10人位の御爺さん達が手にタケノコ掘り用の鍬を持って登って来る。

大きな収穫物を下げている人もいた。掘っても良い所があるのだろう。

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皆さん地元の方らしく地域の決りで許されているのかも。下り着いた

小倉神社は立派で由緒がありそう。長い参道を抜けた先は新興住宅街。

目指す長岡天満宮は北側だが、一旦は東に向かい阪急電車の駅に出る。

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西山天王山駅は2013年に開業した新しい駅。京都縦貫自動車道

真下に設置されている。駅舎より駅前の歩道橋が大きくて近未来的な

景観を作っている。何だか凄い。此処からは丹波街道を北に向い進む。

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15分も歩けば長岡天満宮の境内に着く。もう終わっているのではと

心配していたキリシマツツジはまだ花を咲かせていた。例年なら4月

中旬から下旬らしいが、今年は上旬に満開とのアナウンスが出ていた。

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八条ヶ池を挟んで見る建物は神社の社殿かと思っていたら、錦水亭

いう料亭。いうなれば水上レストラン。ランチでも3500円からと

相当な格式だ。平日の今日も満員御礼な様子が対岸からも見て取れる。

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正面大鳥居に回って八条ヶ池の中州を渡る表参道。キリシマツツジ

生垣の間を通って行く。南向き(右側)の花弁は既に枯れ始めている。

それでも北向き(左側)は、満開でまずまずだ。間に合って良かった。

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京都市内もそこそこ歩き尽くしたし、周辺で何処か見所はないかなと、

検索し初めて知った観光名所。家族も知らなかった。阪神大震災以降

自宅にテレビがないので、二人共世間一般の知識を持っていないかも。

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一応本殿もお参りしておく。北野天満宮と同じく牛がシンボルのよう。

酒樽奉献舎に、アサヒとサントリーのビールが置いてあるのが珍しい。

工場が近いからだろうが、灘の酒も置いてあるのは全国区の神社の証。

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八条ヶ池を回遊する水上橋を北側に半周した所。南西には今日歩いた

天王山があるのだが社の森に隠れて見えない。それほどの標高の低さ。

東へ10分足らずで阪急京都線長岡天神駅。特急に乗車し河原町駅

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五条大橋近くの宿に泊まる。部屋は狭いが大浴場がありラウンジでは

セルフでアルコール類を含めドリンクが無料で提供される。食べ物の

持ち込みも可。京都はコロナ禍で供給過剰に陥り宿泊代も極めて低廉。

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今日出会った動物

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八条ヶ池の川鵜。普通の鳥は羽根に油があり水を弾き浮力が得るらしい。

鵜はそれが無いので水に潜り易いんだそう。その分、陸に上がった時は

乾かす必要があるらしい。その為に羽を広げているんだと。聞きかじり。